みなさんもフツーの会社員ならダメ上司や見当違いな事業方針のことで会社に言いたいグチのひとつもあるだろう。でも、自分の給料の小切手にサインくれる相手に面と向かって直言するのはなんだか気が退けるし、言ったところでBrad Garlinghouseのピーナッツバター・マニフェストみたいにマスコミが飛びつくというものでもない。
この物言えぬ環境を変えようとY Combinatorが始めたのが社員専用匿名フォーラムを提供するOverHear.usである。ここは、TPS報告について思いのタケを吐き出してしまえる場を目指している。OverHear.usでは参加者のメールアドレスのドメイン別に企業別フォーラムを作る。そうだ、つまりはGmailでとことん言いたい放題言える企業フォーラム、というわけだ。登録は簡単でメールアドレスを入力するだけでいい。するとメアドの持ち主かどうか確かめる認証リンクが送られてくるので返信する。要は同僚のメルアドを代行で入力してやることはできない。で、ひとたび認証が済んでしまえば、あとはクッキーでログイン状態を維持できるし、複数の企業ドメインを使い分けたい人はその都度アカウントのユーザーネームとパスワードを入力してログインすればいい。
掲示板の使い方はこれまた至って単純だ。自分のドメインと合うスレッドなら全メッセージを投稿したり読むことができる。メッセージにはユーザーID なんてものは残らない。それは社内連絡まで徹底している。OverHear.usではこういった匿名性を維持することで参加者が身構えず自分の問題や不満を語れる雰囲気を作ろうと考えている。ただし匿名となると悪用する人も出てくるので板ではコミュニティが仲裁役を務め、参加者投票でリストのアゲ・サゲをやる。こうすることで最高のものが上にくる、というわけ。
OverHear.usでは、この掃き溜めの寄せ集めのどこかに、儲けを生むビジネスモデルが必ずや潜んでいると睨んでいる。人事課や経営陣の有力 な情報ソースになるだけではなく、たとえば経営陣は批判に気づけば対応を考え、行き違いがあれば誤解を晴らしたいと思うのではないか、というのが OverHear.usの読み。アカウントを買い取っても(価格未発表)掲示板の世論を中和できるわけではないが、投稿スポットはページトップの特別枠が買い取れるので誰でもすぐ目に留まる場所は確保できる。
OverHear.usでは目下のところ運営資金はエンジェルが提供中。チームが手がけた仕事としては、みんなが秘密を投稿するSocialMothという非常に似たようなサイトもある。この分野では既にAnonymous Employeeという会社がある。
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