Peerflix、一つの問題を別の問題にスワップ中
by Michael Arrington on 2006年12月20日

1年のベータテストとさらに1年に及ぶ運営期間を経た後でPeerflixはDVD のスワップというビジネスモデルを捨てた。本日(米国時間12/19)まで、ユーザーはPeerflixの仲介サービス(マーケットプレイス)でDVDを 交換してきた。この際Peerflixは1枚につき99セントの手数料を得てきた。どのDVDも別のあらゆるDVDと同等で、1対1で交換される。要するに、ユーザーは自分が要らないDVDをこのサイトに出して、誰かが新しいタイトルと交換してくれるのを待つことになる。DVDの価値はタイトルによらず事実上同一のものとして扱われるわけだ。ユーザーは自分が要らない古いタイトルを持っていってくれるカモが現われるのをじっと待つことになる。

2006年の1月にPeerflixは10万のスワップを成功させたと発表していた。今日のプレスリリースではこの数字は25万にまで増えており、ということはこの会社の過去2年の収入は25万ドル足らずということになる。

このビジネスモデルはうまく行かなかった

世の中にお金というものが存在するようになったのは、もちろん、物々交換経済はあまりうまく働かないからだ。Peerflixはテクノロジーカンファレンスでこのビジネスモデルに対して受けたりしているが、ユーザーはさして歓迎していない。Peerflixはベンチャー資金をゆっくり消費しながら、長い、ゆるやかな下り坂を忘れられた存在へと下りつつあった。

さあ、今度はマネーを使おう

良 い会社は悪い前兆を見てとると、戦略的方向を変えるものだ。Peerflixはちょうどそれをした。今度はサイト内で通用する仮想マネーを設定して、DVDに値づけを始めた。ユーザーが誰かにDVDを1枚引き取ってもらうと、Peerflixのシステムが一定のアルゴリズムに基づいてある金額をユーザーに支払う。ユーザーがDVDを受け取る場合、逆にユーザーはそのDVDについて決められた金額を支払う。1取り引きごとにPeerflixは99セン トを取る。ユーザーはDVDを得るためには、自分が要らないDVDを送るか、クレジットカードから自分のアカウントに金を預けておくかしなければならない。私は試しに20ドルをシステムに預けてみたが、私の欲しいDVDは1枚も見つけられなかった。このシステムが動きはじめるにはもう少し時間が必要なのだろう。ユーザーはいつでも預けた金を返却してもらえる。

一つの問題を別の問題とスワップしているだけ

市場経済は機能する(eBayのように)が、Peerflixは市場システムを採用していない。物々交換システムは捨てたが、代わりに採用したのは 指揮統制経済だった。Peerflixは独自のアルゴリズムでDVDの価値を決める。これはうまく行かない。eBay〔のオークション〕はいつも需要と供 給を効率的にすばやくバランスさせることができる。eBayならそれをユーザー同士で勝手にやってくれるのに、Peerflixでは値付けのアルゴリズム をいつもいじくって修正を続けなければならない。

こう批判するのはもちろん簡単だが、実際にはPeerflixは市場経済による値づけ方式を採用できない。そうしてしまえばeBayと変わりがなくなってしまうから、ユーザーを引きとめておくことができない。そこで彼らが取った解決法は、より効率の悪い方法を採用して、必要な特色を出す、というものになっている。しかし、長期的に見ると、このモデルもベンチャー資金を消費しつづけるだけに終わるだろうと私は思う。

スワップサービスといえば、Swaptreeについて最近何か聞いた読者はいるだろうか? 6月にプライベートなベータテストを始めると発表して以来、さっぱり何も聞こえてこないのだが。

[原文へ]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20080905liveuniverse-buys-another-loser-peerflix/ TechCrunch Japanese アーカイブ » LiveUniverse、Peerflix買収―またもダメ会社をつかむ

    [...] Peerflix、一つの問題を別の問題にスワップ中 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20090124qxl-founder-tim-jackson-to-launch-dvd-swapping-site-lendaround/ QXLのファウンダーTim Jackson、DVDのソーシャル貸し借りサービス、LendAroundをローンチ

    [...] Tim Jacksonの経歴は多彩だ。ジャーナリストでもあり(Financial Times、Independent、Economist、Red Herring)、$700M(7億ドル)の資金を運用するCarlyle Internet Partners Europe Fundのマネージング・ディレクターでもある。Jacksonはまた1997年にイギリスを本拠にしたeBay風のオークション・サイト、QXLを創立した。QXLは1999年に株価時価総額$400M(4億ドル)で株式公開に成功している。しかもこの間に3冊の本を書いている。なんとも忙しい男だ。そのJacksonが新たなチャンレンジに挑んでいる。アメリカ市場向けのDVD貸し借り仲介サービス、LendAroundをローンチして成長を図っているところだ。ユーザーのDVDの交換を仲介するサービスのアイディアは以前からある。Peerflixがこれに真剣に取り組んだが、結局諦めた。われわれが紹介したスタートアップでは他にSwaptreeがある。これは現在も運営中で、最近新たにベンチャー資金を調達している。LendAroundはこれらの先行サービスといくらか異なったアプローチを取っている。第一に、このサイトは売り切り、買い切りではなく貸し借りを中心にサービスを組立てている。このサービスの最終的なゴールは、メンバーのDVDのデータベースを作って共有し、欲しいDVDがあれば互いに貸し借りするのを仲介し、その経過を記録することだ。これによってLendAroundが個人の貸し借りの場合にありがちな返し忘れを防ぐ役割を果たす。Jacksonはまた、売り買いや交換方式に比べてLendAroundの貸し借り方式の方が、供給される映画の質が高くなると考えている。通常、ユーザーはDVDを売ったり交換したりしようと考えるとき、手持ちの映画の中で最悪の10%をまず選ぶものだとJacksonは言う。これがPeerflixのサービスに誰も欲しがらないようなタイトルが溢れ、人気タイトルが欠乏する理由だ。友達に貸し出すということなら、いずれ返してもらえるのだから、メンバーは手持ちのDVDコレクションの全てを含めるはず、という。Jacksonによるとアメリカの家庭には全部で20億枚のDVDがあるが、そのうち80%は年に2回しか再生されない。しかし、隣人、同僚、教会の会衆、スポーツのチームなどお互いに気心が知れていて信頼できる人々の間では郵送などという手間をかけず、直接手渡しで数多くのDVDが交換されているはずという。Jacksonはこの貸し借りシステムをやがてはDVDばかりでなく他のアイテムにも広げていきたい考えだ。LendAroundは現在プライベート・ベータテスト中だが、トップページから登録可能。ユーザーには50人分の招待枠が付与されるので、明日、われわれの分をinviteshareサービスで希望者に提供する。サービスを試してみたが、まだあちこち荒削りながら、DVDのタイトルの検索や登録(バーコードが利用できる)は支障なくできた。私は今Jackson本人の234枚のDVDコレクションを眺めているところだ。(「ファイト・クラブ」を借りたいと申し込んである)。サービスの利用は無料。将来はDVDの販売と有料サービスで収益を上げたいとしている。アップデート:Inviteshareを待たずとも、すぐにLendAroundに登録できるようになった。LendaroundではTechCrunch読者を先着で数百人、直接招待する。techcrunch@lendaround.comにメールすれば、直ちに招待リンクが送り返されてくる。CrunchBase InformationLendAroundTim JacksonInformation provided by CrunchBase[原文へ](翻訳:Namekawa, U) ShowListings(“arc3″); ShowListings(“arc2″); AddClipsUrl = ‘http://jp.techcrunch.com/archives/20090124qxl-founder-tim-jackson-to-launch-dvd-swapping-site-lendaround/’; AddClipsTitle = ‘QXLのファウンダーTim Jackson、DVDのソーシャル貸し借りサービス、LendAroundをローンチ’; AddClipsId = ‘2CBE02C952CFE’; AddClipsBcolor=’#78BE44′; AddClipsNcolor=’#D1E9C0′; AddClipsTcolor=’#666666′; AddClipsType=’1′; AddClipsVerticalAlign=’middle’; 前の投稿へ トラックバック [...]