HotorNotは単なるFacebook対応アプリになるべきか?
Erick Schonfeld
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完全利用無料の実験を先月降りたルックス評価のHotorNot。デスティネーションサイト「HotorNot.com」のトラフィックも予想通り頭打ちとなる中、意外と健闘してるのがHotorNotのFacebook対応アプリで、今では毎日のログイン数の大体3分の1、全ユニークビジターの40%がFacebookアプリからのトラフィック(現段階ではまだサイトとは別のサービスだ)。
Facebookのアプリ群でも、HotorNotは上位50にランクインしている。(こないだ確かめた時には第45位。超人気ではないが手堅い) そのSNS内ユーザー数は、200万人近い全登録ユーザーのうち1日13万461人に上る。 対するHotorNot.comサイト本体への月間ビジター数は数百万人(サイトでは投票がまだ無料。有料デートサービス利用のため月間50万人がログイン)。「Facebook対応アプリのポテンシャルは、当社のドットコム・サービスと同等と見てよいでしょう」とHotorNotファウンダーJames Hongは語る。
ソーシャル・アプリケーションになるべくデザインされたサイトがあるとしたら、それはHotorNotだ。ここは人のルックス評価に投票を導入した投票アプリである。 HotorNot人気の秘密はシンプルなところと、興味本位な中毒性にあり、その暇つぶし効果は絶大だ。ユーザー同士のデート成就率も無視できない。(出会い機能はHotorNot.comでも有料で、Facebook向けアプリではまだ開発が完全には終わっていない)。以上のことを踏まえた上で、何故ディスティネーションサイト存続なのか?という部分を先日Hongに尋ねてみた。返ってきた答えはこうだ。:
HotorNotがデスティネーションサイトという考えは捨て、もうどこでもいいから自分たちのサービスをどれだけの人が使っているか、そっちを心配するようになった。デスティネーションという概念は、とても1999年的。これから大きなシフト転換を迎えようとしている。人はどこでも行きたいところに行ってしまう。世界は進化しているのだ。HotorNotのようなサイトはデスティネーションとしての性格が薄れ、サービスと自らを捉えるようになるだろう
これと同じことは文字通り、どのデスティネーションサイトにも言えるのでは? 中央のWebデスティネーションにトラフィックを呼び込むという概念は大手以外のサイトでは全滅かもしれない。 今サイトはウェブ上どこでも生き永らえるような能力を備える必要に迫られている。(それはFacebookのみにとどまらない)
もっともFacebookはウェブの各種サービスを大量に引き寄せる超デスティネーションになりつつあるわけで、このFacebookに限っては特殊なケースとして残るの可能性もある。HongがFacebookをショッピングモールに喩える理由もそこにある。もしみんながFacebookモールに来るなら、Hongはわざわざ独立したサイトを構えてそこに人を呼び込む苦労を背負うより、モール内にHotorNotを構える方が順調にいくだろう。Facebookがレンタルを課金し出したところでレンタル料さえ手ごろならHongにとっては問題ではない。(モールの地主は誰でもそうだが、Facebookも儲けなくてはならない入居ストアの事情ぐらい熟知しているはずだ)。 同じことはMySpaceにも言える。Hongは、MySpaceがプラットフォームを開放し次第、MySpace対応のHotorNotアプリを開発したいと張り切っている。
無論モールの喩えでは説明のつかないことも。例えばSNSでは、地主がある時点でHotorNotアプリを自分たちで作って会員にPRしてしまう可能性もあるのだ。つまり、モールの地主が自分のアパレル専門店を構えて自分のレントだけは市場より安くし、入り口でお客にチラシをばら撒いてGapに対抗するようなもので、これはFacebook(まもなくMySpaceも加わる)向けにアプリを書くディベロッパーみんなが抱えているリスクだ。無論、こうなると当然の成り行きで同じ通りに新しいモールが開店すると人足はたちどころに流出する、そんな傾向も生まれる。
それにしてもSNS対応アプリとして生き残った方がパワフルなら、何故HotorNotはディスティネーションサイトを一掃してしまわないのだろう? (Facebookでは例えば友だち全員がどれだけ魅力的か、そのまた友だちがどう魅力的かを基準に投票する方が、全く見ず知らずの他人に紹介されるより簡単にいく) 遠くない将来、Facebook、MySpaceなどソーシャルネットワーク経由でHotorNotにアクセスする人の数が、HotorNotのサイト本体のアクセスを抜く日が来るだろう。HotorNotは単なるウィジェット会社になるか、Slideのような会社に身売りするかだと思うが…? 結局、ウィジェットやFacebook対応アプリに広告を出向する部分では、人気のアプリやウィジェットを多く抱えるSlide (HongはたまたまSlideの投資主)の方が有利なポジションにつけているのだ。
良いことずくめのようだが問題もある。まず第1にHotorNotは広告ではなくサブスクリプション事業から収入を得ている、という点。Hongは広告を入れてデートサービスを無料で提供しようとしたが、スパムが許容範囲を超えてしまった。 第2に、FacebookやMySpaceがどんな地主になるか、その辺がはっきりしない(上記参照)。 第3に、ソーシャルネットワーキング対応アプリは特定のソーシャルネットワークのコンテクストの中で使った方が活用度が上がるのか、それとも各種サイトから多様な人たちを寄せ集めて繋げるパワーが備わっているのかどうか?
単一アプリがたくさんのサイトに広がれば、たくさんのアプリがひとつのソーシャルネットワーキングのサイロに各々閉じ篭っているより、大きなネットワーク効果が生まれる。今のところHotorNotのFacebook対応アプリは、メインのサイトではなく別のシステム上に構築されている。それがアプリを立ち上げて走らせる一番手っ取り早い方法だったからだが、毎度こうとは限らない。ソーシャルなサークル内のみんなを一巡したら、それから先、どうするのか?
アプリを開発中のスタートアップはみな、こうした問題に取り組んでいかなくてはならない。似たようなアプリをどこからでも探し出し、そこからデータを取り込む一方で、各種ソーシャルネットワークにも食い込んでユーザーとその友だちのためにカスタマイズしたサービスを展開する。結局この両方ができる企業が、最も成功したソーシャルネットワーキング対応アプリの中から生まれていくだろう。
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