オンライン写真共有・プリントサービスのShutterfly は今日(米国時間9/29) $87M(8700万ドル)を株式公開によって調達した。引け値は3.7%アップの1株$15.55。VentureBeat の記事によると、株価はこの日一時 $16.73 まで上がった。
Shutterflyは1999年に誕生した。ドットコムバブルの破裂をついに生き延びた会社のひとつである。今回の上場は企業買収以外で会社を現金化する方法として興味がある。またスタートアップの株式公開が成功した場合、マーケットに何がもたらされるかを観察する機会でもある。これに対して、FlickrはウワサではYahoo!に$30M(3000万ドル)から$35M(3500万ドル)で買収されたということだ。
J.P. Morgan、Piper JaffrayそしてJefferiesがShutterflyの2360万株のうち580万株を売却したことで、終り値での同社の株式時価総額は$350M(3億5000万ドル)以上となった。昨年は、従業員200人の会社として$84M (8400万ドル)の収入に対して売上純利益率34%を記録している。同社は現在までに$67M (6700万ドル)をベンチャーキャピタルから調達している。今日、NetScapeの共同ファウンダーで Shutterfly会長のJim Clark が公開された株式の約30%を買った。
現在、Web 2.0 のスタープアップ業界では会社の現金化の手段として株式新規公開はほとんど行われていない。写真共有サービス企業が買収される道を避けて、独立したまま株式公開に踏み切ったのは、ここで取り上げてきた他のスタートアップと比較して興味深いケースである。
Shutterflyはかなりのオーバーヘッドを抱えており、 この分野に参入を図るスタートアップにはこと欠かないため、激しい価格競争に直面している。売り上げのかなりの部分が送料からの収入で占められ、オペレーションに十分なスケーラビリティーがあるのかという問題もある。この点についてはMrWaveTheoryで興味ある分析がされている。
Shutterflyは150以上のプリントとDVDサービスを提供しているが、写真のプリントサービスのスタートアップ、たとえばOneTrueMedia、Tabblo、Scrapblogなどはもっと洗練されたデザインだし、もっとバイラルなオンライン配信を行っている。また一部のサイトは有力なメディア企業と提携している。多くのオンライン写真共有サービスはユーザーのアルバムをプリントしたりDVDに焼いたりするサービスを提供している。Shutterflyのようにビジネスモデル全体を完全に写真のプリントだけに置いているサービスはない。
Shutterflyがユーザーに提供する機能は? メインストリームのユーザーにアピールしそうなサービスのラインアップではある。
- 保存容量は無制限
- WindowsとMac用の優秀な一括アップロード機能(ただしIntel Macはサポートせず)
- アルバムは公開、非公開選択可能
- 共有アルバムで共同作業が可能
- わかりやすいURL、写真のコメント、基本的なクロップ、縁取り、赤目修正、色調整などの機能
- 販売業者のためにビジネスパッケージを提供
主なライバルはHPのSnapFishで、こちらもほぼ同様の機能を備えている他、モバイル機器からメールを利用したアップロードが可能。
Shutterflyの機能はナビゲーション以外はすべて満足できる。ユーザーの立場で私が唯一不満なのはタグをサポートしていないこと。 写真をアルバムで分類するので写真はひとつのグループにしか入れられない。最近タグづけ方式が人気を得ているのは理由がある。タギングはたいへん便利で、タグによるとたくさんのページをグループ分けするのがずっと楽になるからだ。
株式上場によってこの会社は成功するだろうか? もちろん予言は難しい。[成長に伴なって]オーバーヘッドが増えていく懸念もあるし、価格競争も激しい。マーケットもより細分化していく。が、Shutterflyが立ち止まっているとは誰にも非難できないだろう。この大量のキャッシュの注入、現在提供中の豊富な機能、大きなユーザーベースなどを考えると先行きは明るいように見える。

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