音楽ファンは録音された音楽に金を払うのを嫌がるにしても、ライブイベントには大群をなして押しかけている。少なくともeMarketerが最近発表した統計によればそうだ。コンサート・チケットのセールスは今年全世界で $9B(90億ドル)と2006年にくらべて10%近く上昇した。
新しくローンチしたSongkickはユーザーのお気に入りのアーティストのコンサートを簡単に見つけ出し、しかもいちばん安くチケットを購入する手助けをすることで、このマーケットでビジネスをしようというスタートアップだ。なるほどTicketmasterやLiveNationにも情報は掲載されているし、チケットの売買ならStubHubもあるが、行ってみたいコンサートをすべて載せたリストを提供するサイトが一つもない、というファウンダーの不満がこのサイトを立ち上げる原動力になったという。Songkickは14のチケットサイトと数十のブログのコンサート情報をモニタして網羅的なデータベースを構築している。現在同社では英国とアメリカのコンサート情報のみカバーしている。
ユーザーはデータベースを検索してお気に入りのイベント情報やブログ記事をモニタすることもできるし、モニタ作業を自動的にこなしてくれる「SongKicker」をダウンロードして利用してもよい。SongKickerは、ユーザーがiTunes、Windows Media Player、Winampで聞いているアーティストの情報を自動的に収集するプラグインだ。新しいアーティストをモニタ対象に加えて情報収集を完了するにはおよそ3分ほどかかる。もちろん好みに合わないことが分かったアーティストはリストからいつでも削除できるので心配はいらない。
このサイトは新しいアーティストのレコメンデーションも行なうことがことができる。しかしSongKickのレコメンデーションのためのエンジンは他のサイトの場合とは仕組みが異なる。Last.fmの場合のようにユーザーベースから生成されるわけではなく、 Pandoraのように高度な分析処理から生成されるわけでもない。その代わりにSongkickはWikipediaや音楽関係のブログを巡回クロールして、そのバンドやアーティスト間の関係に対しての否定的あるは肯定的なコメントを収集して関連あるアーティストを選定する。
しかしなんといってもこのサイトがいちばん光るのはチケットを購入する場合だろう。Sidestepのチケット版というか、Songkick は所望のコンサートの一番安いチケット購入先を探してくれる。Songkickの検索エンジンはチケットの1次販売元だけでなく、再販売サイトも含めてチケット市場から広く情報を収集する。残念ながらSongkickの検索エンジンはは検索結果中に直接チケットの価格を表示してくれない。ユーザーはリンクをクリックしてそれぞれのサイトにジャンブして自分で比較するしかない。Songkickはチケット1枚が売れるごとに$0.50から$5程度のコミッションを得る。
最後に、Songkickではこのチケット検索エンジンをパッケージにして、各種音楽ブログにシンプルなアフィリエイト方式のチケット販売ツールとして提供している。つまり小さなプラグインをインストールするだけで、ブロガーは自分が書いている記事に関連するアーティストのチケットを、ページ下部に表示されるリンクから自動的に販売することができる。Songkickのシステムは、本家ウェブサイトで使っているのと同じ「肯定的・否定的」関係を分析する検索エンジンでブログ記事をスキャンし、内容に合った適切なアーティストを選択する。つまりあるバンドについて肯定的な記事であれば、そのコンサートのチケットが購入できるリンクが表示されるが、たとえばブリトニー・スピアーズをバッシングしている記事だったらブリトニーのコンサートのチケットを売ろうとはしない。
SongkickはY Combinatorが投資しているスタートアップの一つで、会社はLondonとNew Yorkにまたがって運営されている。
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