ドル安の勝者と敗者
by Duncan Riley on 2007年10月16日 append.gif この記事をBuzzurlにブックマークする

アメリカ国内の居住者の多くは気付いていないかもしれないが、外の世界では誰もが知っていることがある。米ドルの深刻な下落だ。アメリカ人は長いこと北の隣人をからかってきたが、今日カナダドルの価格は1.02USドルまで上昇、ついに「グリーンバック〔米ドル〕」を上回った。それほど遠くない昔、米ドルはユーロとほぼ同価値だった(2002年12月)が、今や0.7ユーロの価値しかない。オーストラリア・ドルは2002年12月にわずか0.55USドルだったのが、現在は0.9USドルと同価値に近いところまで上げている。

しかしこれが悪いニュースとばかりもいえない。ドルの下落による敗者もいれば勝者もいる。

勝者

Google
(ある程度までYahooとMicrosoftも)

米ドルの下落で最大の勝者はGoogleだ。第2四半期の財務データによると、Googleの収入の48%は海外から来ている(第3四半期のデータは今週中に発表される予定)。Googleは米ドル・ベースで経営されているので、この48%の収入は(もし成長がゼロだとしても)、第2四半期終了時点より現在の方が価値が上がっている。もちろん第3四半期にGoogleの海外ビジネスが成長していなかったら驚きだ。第3四半期ではGoogleは海外からの収入が50%を超えるとみてもよいだろう。

もちろんこれは裏を返せば、米ドルの下落が実際アメリカ経済の諸問題を反映している以上、仮にアメリカ経済の失速が広い範囲で生じるようなら、Googleは現在、あるいは近い将来における広告収入の減少というリスクに直面していることになる。しかし、海外市場における収入増が、国内市場のどんな低落も補って余りあるはずだ。市場もこのことを予期しているに違いない。これがGoogleの株価が$600を記録した理由のひとつだろう。

YahooとMicrosoftも海外からの収入を得ている点では同じだが、どちらもオンラインでの市場シェアはGoogleには及ばない。

米国以外のスタートアップ

米国進出のコストが下がり続けている。海外のスタートアップがシリコンバレーのライバルと競争する上で大きな障害だった運営コストの障壁が次第に低くなっている。旅費や支社の運営費用の低下から借り手優位の資金市場に至るまで、海外スタートアップにとっては条件が有利になっている。

また米国外の市場へのアフィリエイト・システムにも大きなチャンスが訪れている。Google Adsenseに似た方式で、ただし決済はユーロで行なわれる健全なプログラムは、従来よりはるかに大きな魅力を備えるようになった。

敗者

米国のスタートアップ

大半のアメリカのスタートアップは国内市場だけを念頭に置いているが、競争の激しい北米市場以外にも目を向ければ大いに成長の機会が得られると気付いた頭の切れるスタートアップもある。ところがドル安で海外でのオペレーションのコストはどんどん高くなってしまった。さらにアウトソーシング(多くのスタートアップがインドを頼っている)のような基本的な経費さえ高騰しつつある。

米ドルで収入を受け取る全員

アフィリエイトプログラムの参加者、ブロガー、プログラマーなど米ドルで収入を受け取っている全員がドル安の被害を受けている。多くの(大半の)コンテンツやプログラミングの市場は米ドルをベースにしているため、Adsenseに頼っているブロガーからブログネットワークその他への執筆者も影響を受けている。

Paul Montgomery がこの問題に注意を促してくれたことに感謝したい。

[原文へ]

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