FCCはGoogleの意見に耳を傾けるべきだ
by Michael Arrington on 2007年7月23日

来年初めに予定されているFCCの700MHz帯オークションに、Googleが公然と参加表明したことを大変喜んでいる。すべてがうまく運べば、この新しい帯域はみんなの家やデバイスに繋がるオープンアクセスのワイアレスブロードバンドを作るために使われるはずだ。少し予定が狂うと、既存のワイアレス巨人たちが帯域を買って、今のアメリカの携帯電話網のような利用制限をかけて、また一段とヨーロッパやアジアに遅れをとることになる。

CEO Eric Schmidtは、FCC会長のKevin Marticに書簡を送り、プラットホームに関する4つの重要ルールが採用されれば、最低$4.6B(46億ドル)で入札すると約束した。このルールによって、落札者が提供できるサービスの種類と、第3者がその帯域を使うために必要な事項が決まることになる。

  1. オープンアプリケーション:消費者は、あらゆるソフトウェアやコンテンツ、サービスをダウンロードして利用することができること。
  2. オープンデバイス:消費者は、好きなワイヤレスネットワークでハンドヘルド通信機器を利用できること。
  3. オープンサービス:第三者(再販業者)は、700 MHzの無線サービスを卸価格で、適正、公平な事業条件で使用できること。
  4. オープンネットワーク:第三者(インターネットサービスプロバイダー等)が、700 MHz免許者の無線ネットワークと、技術的に可能な限りどの地点でも接続できること。

米国モバイル界の悲惨な状況を考えれば、FCCがこの消費者寄りのルールを採用することに抵抗はないものと期待している。ただし、AT&T、Verizonをはじめとする既得権者たちはオープンアクセスに反対していて、ルールが採用されれば参加しない可能性もある。Googleが公然と動くことによって、FCCは(そしてみんなも)、オープンソースワールドに喜んで参加する会社がある、ということを知ることになった。

Googleの書簡に対するAT&Tの返信の大胆不敵さには驚くばかりだ。

Martin会長の「条件の大半に合致すること」という提案が妥協的であると不満を表明するGoogleは、米国政府に対して、条件すべてを満たさない限り帯域オークションに参加しないという、1かゼロかの最後通達を突きつけた。Googleは政府が自社に都合よく動くことを要求して、競争入札相手を制限し、結果的に無線キャリアに対してGoogleが望むビジネスモデルに合わせることを強要しようとしている。何度でも言うが、Googleには行動するか黙っているかのどちらかにしていただきたい。入札して、好きなビジネスモデルでワイアレス市場に参入し、何がいちばんよいかは消費者に決めてもらうべきだ。

この問題の事情を知らない人にとって、AT&Tの返事は実にまっとうにみえるだろう。帯域に政府の規制を持ち込まず、どのサービスが良いかは消費者に決めさせるというのだから。しかし、実際のところはまるで違う。帯域への規制が少なければ少ないほど、落札者は、競合他社や消費者から多くの利益を得ることになる。だから、Googleが推すようなオープンアクセスルールが気に入らないのは当然だ。既得権者はGoogleがGoogleの土俵で戦って、自分たちに仕掛けてくることも望んでいない。これもまたGoogleの提案に反対する理由だ。

FCCには、入札による収入を引き上げる(規制を減らす)ことと、消費者を守る(ルールを増やして競争させる)という相反するゴールがある。Googleが提案するようなオープンアクセス要件を課すことによって、市場競争は激化し、この帯域にまつわる経済は成長するはずだ。さらに、モバイル事業者やブロードバンド業者に対しても、現行のブロードバンドやモバイルサービスに対する制約を減らすようビジネス面で圧力がかかるだろう。

Googleがいつも悪というわけではない。この件では、こと消費者向け製品となると非常に悪しき過去を持つ連中を相手に、みんなのために戦ってくれようとしている。そしてFCCにお願いしたい。これまでの失敗を反省して、どうかロビィストの言うことには耳を貸さず、もっとも大衆のためになることをしてほしい。

[原文へ]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/doerr-wants-to-take-down-the-telcos-and-save-the-planet/ TechCrunch Japanese アーカイブ » John Doerr、「電話会社をやっつけて世界を救おう」と呼びかける

    [...] 「Web 2.0」カンファレンスの最後のパネル・セッションで、Kleiner Perkinsのベンチャーキャピタリスト、John Doerrが非常に熱心に、なぜ電話キャリア(VerizonとAT&T)をやっつけなくてはいけないかを説明した。彼は現在そのため、700MHzの周波数帯のオークションに関するルールづくりに強力に働きかけている。Doerrは46億ドルで入札する意向を示しているGoogleの社外取締役であり、オークション・ルールに大きな影響を与える関係会社であるFrontline Wirelessへの投資家でもある。Doerrはこの戦いの重要性を次のように説明した。なぜならこれが最後のオークションだからだ。これがわれわれの生涯で最後(少なくともアメリカでは)のチャンスになる。放っておけば、2大企業による独占が続くことになる。このオークションにかかっているものは巨大だ。次代のインターネットがどのようにコントロールされるかが決まるのだ。われわれは勝利できるだろうか? 分からない。いずれにせよ革命が起きれば勝者と敗者が生まれる。現在の市場支配者は突然の変革に直面するのか、それとも非常にゆっくりした変化を見るのだろうか?Doerrはまた会場の起業家に現状変革のために行動を起こすよう説いた。問題の広がりはとてつもないものだ。これはわれわれが現在直面している最大の問題だ。われわれは空気をひとつにしていかねばならない。数は少なくても献身的な起業家の世界を変える影響力を過小評価してはならない。私の経験ではこれこそが世界が持つ唯一のチャンスなのだ。〔文化人類学者の〕マーガレット・ミードも同感だろうと思う。[原文へ] Google [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/upcoming-podcast-with-presidential-candidate-mitt-romney-we-need-your-help/ TechCrunch Japanese アーカイブ » Mitt Romney大統領候補とのポッドキャスト予告―読者の協力を求む

    [...] テクノロジーはますますわれわれの生活で重要な地位を占めるようになりつつある。しかし2008年の大統領選の取材を任されているジャーナリストの多くはテクノロジーについて語れる素養がない。そこで往々にして候補者のデジタル情報に関する立場は説明されないままになってしまう。われわれはこれを変えていきたい。そこでTechCrunch読者にとって重要な話題についてわれわれと1対1のディスカッションに参加してくれるよう大統領候補者に呼びかけていた。共和党の大統領候補の1人 Mitt Romney知事( 政見と経歴はこちら)がまず最初にこれに応じてきた。そこで来週Romney知事とのポッドキャスティングを収録することとした。テーマの選択は全体としてTechCrunch読者の意見によりたい。現在われわれはRomney知事(将来は他の候補者)に対するハイレベルな質問の内容を最終的に調整中だ。そこで読者の皆さんに協力をお願いしたい。もしあなただったらテクノロジー関連の問題に関してどんなことを質問するだろうか? コメント欄に書き込んでほしい。たとえば以下のような話題が考えられる。 教育におけるテクノロジーの役割―政府とテクノロジー企業はどんな役割を果たすすべきか? アメリカや世界で拡大するデジタル格差 移民とビザの問題 オンライン上の個人のプライバシーの保護における政府の役割 携帯電話用周波数帯域の割当てとそのルール アメリカは中国にどう対処すべきか―テクノロジー、人権、検閲問題 自由市場の役割― アメリカのテクノロジー企業の世界における競争力 ネット中立性 知的所有権問題―著作権、特許、商標に関する政策これらの、あるいはこれ以外の話題のうちどれがもっとも重要か、読者の皆さんの考えをコメント欄に投稿していただきたい。ただし政治的立場に基づく議論は最小限にお願いする。それに関してはポッドキャストそのもののコメント欄に書いていただきたい。個人攻撃にわたるような書き込みについては管理人の権限を発動する。政治問題に関するブログはとかく荒れやすいが、私はこのポッドキャストをめぐる議論のレベルをできるだけ高いものにしようと務めるつもりだ。それから、われわれは非公式にだが、このポッドキャストをDonorsChooseキャンペーンに参加させる。教育は来るべき議論の中でも重要な位置を占めると思う。テクノロジー教育を助けるために寄付をお願いする。(われわれも読者の寄付と同額を寄付する)。最後にひとつだけ。われわれはあらゆる党の候補者にディスカッションに加わってもらうよう、超党派的立場から呼びかけている。われわれは異なる立場からの見解を聞きたいと思っている。この点に関しては、近くわれわれの大統領選挙に対する立場を正式に、さらに詳しく明らかにしていくつもりだ。[原文へ] [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/barack-obamas-google-friendly-technology-platform/ TechCrunch Japanese アーカイブ » オバマ候補のGoogleに優しいテクノロジー要綱

    [...] 今日(米国時間11/14)はBarack Obamaがシリコンバレーのご機嫌伺いにやってきて、Googleにも顔を出す。というわけで、彼のテクノロジー要綱を公開するには最高のタイミングだ。ネットの中立性を支持する(Googleはこの政策を気に入るだろう。しかしObamaはさらに言論の自由に基づいても賛同していて、興味深い)インターネットがこれほどまでに成功した理由として重要なのは、未だかつてなくオープンなネットワークだということです。今後もこうあり続けなければなりません。Barack Obamaはネットワークの中立性を強く支持し、インターネット上の自由競争の利点を維持していきます。ユーザーが自由にコンテンツにアクセスし、アプリケーションを使い、パーソナル端末の接続を可能にする必要があります。米国市民のほとんどが、ブロードバンド業者を1社か2社からしか選べないために、業者はコンテンツやサービスの手数料を取ろうと考え、平等な扱いを求めて支払いを拒否するウェブサイトを差別しています。こうした結果はイノベーションを阻止するものです。これはまた、インターネットが米国における政治や、文化的な講演を変遷させるきっかけとなった言論の平等性を脅すものでもあります。デジタルプライバシー保護の強化(広告主や政府の調査機関は要注意)Barack Obamaは大統領として、デジタル時代のプライバシー保護を強化し、テクノロジーの力を使いこなすことによって、政府や企業による個人のプライバシー侵害を阻止します。診療情報の電子記録の促進(賢い)Barack Obamaは今後5年間にわたって年間$10B(100億ドル)を投入して、米国の診療システムに、電子診療記録をはじめとする、標準に基づく電子診療情報システムを広く導入します。クリーンエネルギーへの資金投入(John Doerrの気に入りそうな響き)Barack Obamaは今後10年間にわたって、$150B(1500億ドル)を投入して、米国のエンジニア、科学者、起業家らによる次世代バイオ燃料と燃料インフラの躍進、プラグインハイブリッド車の商品化の促進、商用レベルの再生可能エネルギー開発の推進を可能とし、新しいデジタル送電網への移行を開始します。この投資による経済変化の結果、百万人単位の新規雇用機会が生まれます。Obamaは、以下のことを実行します。o国立研究施設や国立大学、国有地付与大学の設備、人材によるクリーンエネルギープロジェクトの連邦科学研究助成金を倍増します。oセルロース系エタノールをはじめとする次世台バイオ燃料の開発に投資します。o低カーボン排出技術の商用化と開発に特化した設備や人材を増やします。oクリーンテクノロジー配布ベンチャーキャピタル基金を設立し、年間$10B(100億ドル)の投資を5年間続けて、テクノロジーが実験室を飛び出して、米国で商用化することを目標にします。oわが国経済のエネルギー効率と安定性を大幅に改善し、国のエネルギー強度を2030年までに50%改善します。oデジタルスマートエネルギー網に投資します。政府のオープン化を要求(オープンなデータ、オープンなアクセス、オープンな参加)テクノロジー主導による市民参加…、これによって政府と国民を結び、国民に民主主義を根付かせることになります。Barack Obamaは最新テクノロジーによる手段を駆使して、政府の特別利益団体やロビイストへの依存を減らし、政府の意志決定への国民の参加を推進します。Obamaは国民を事業や政府と一体化するために、以下を実行します。—パイロットプログラムを確立して、政府の意志決定をオープンにし、政府機関の業務に民間を参加させる際には、単に意見を聞くだけでなく、膨大に広がる米国民の専門技術を活用して政府の意志決定を見聞の広いものへと変えていきます。—ウェブサイトや検索エンジンなど、補助金や契約書、イヤーマーク、ロビイストの政府窓口などオンラインで誰でも簡単に追跡できるウェブツールを使って、ワシントンの秘密契約を白日に曝します。—米国民がホワイトハウスのウェブサイトで、非緊急法案を署名前5日間、閲覧およびコメントする機会を用意します。移民法の改訂(米国によるH1-Bビザの発給数の拡大をにおわしたが、はっきりとは聞けなかった。やや弱い)米国で学位を取得した移民には、米国に滞在して就職し将来は帰化できるようにします。また、海外の優れた働き手に対して発給するビザの部数を増加する可能性を検討する必要があります。。特許制度の改革(特許事務所にもっと金が入ることと、国民による査読[これが必要]を約束)特許商標局(PTO)に、特許の質を高め、国民が査読できるよう特許手続をオープンにすることによって、現在イノベーションを遅らせている不透明で無駄な訴訟を減らすためのリソースを与えます。「わが国初の最高技術責任者(CTO)を指名」したい- 新しい閣僚ポストになるかどうかは不明。研究開発の税還付の期限撤廃(スタートアップが喜ぶ)そして全国民にブロードバンドを国として、米国民全員が、貧富を問わず電話と電気を利用できることを保証してきました。Obamaは、ブロードバンドによるインターネットアクセスについても同じことをします。 これには、政府がワイヤレス帯域をどう配分するかの判断も含まれる。Obamaは、既存のワイヤレス帯域利用の再検討を要求します。政府の帯域のスマートで効率良く、想像力に富んだ使い方や、ブロードバンドのなかった地域で手ごろに利用できる商用帯域の新基準に対してインセンティブを提供します。警察や救急等公衆の安全のための帯域を十分確保することを保証します。最後の政策は、来たるべきワイヤレス帯域オークションに提案を行っているGoogleの利益とも合致するものだ。[原文へ](翻訳: Nob Takahashi) [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20080925googles-end-run-around-the-wireless-carriers/ TechCrunch Japanese アーカイブ » Googleのワイヤレスキャリア迂回戦略

    [...] この特許は、できるだけ多くのデバイスでできるだけ多くの人をオンラインに、というGoogleの大局的な政策の一環だ。だからこそ、gPhoneを発表しFCCに圧力をかけ、Larry Pageは空き帯域開放のサポートに躍起になっているのだ。 特に空き帯域の開放によって、モバイル機器の接続ポイントが増え、無線キャリアの魅力的な代用になる可能性がある。そして、Android搭載の電話機が、最初にこのフレキシブルな接続システムの恩恵を受けることになるのかもしれない。 CrunchBase Information Google Information provided by CrunchBase [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20090731fcc-takes-on-apple-and-att-over-google-voice-rejection/ FCCがGoogle Voice拒絶の件でAppleとAT&Tを調査–まず質問状を送付

    [...] Dow Jonesの速報記事は、これが、携帯電話のようなワイヤレス製品とキャリアとのあいだの特殊な利用契約全般を調べる調査の一環だと述べている〔ワイヤレスにおいても完全にフリーなインターネットアクセスを目指す…ブッシュ政権はキャリア企業擁護の立場から反対〕。GoogleのCEO Eric SchmidtがFCCに、ユーザが、自分のワイヤレスデバイスがたまたまどのキャリアに結びついていようとも、自由にどんなアプリケーションでも使えるようになるための、オープンスタンダードが必要だという書簡を送ったのが、今からちょうど2年前だ。当時その提案は理想主義的すぎると思われたが、今明らかになりつつあるのは、そのような自由の絶対的な必要性だ。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20090801why-the-fcc-wants-to-smash-open-the-iphone/ 米FCC、iPhoneのGoogle Voice締め出し問題で調査開始―Appleはなんと説明する?

    [...] AppleとAT&TがFCCの調査に泣きを見ているのと逆に、Googleは密かに大喜びしていることだろう。ほんの2年前、700MHz帯域を売り出すオークションが実施された際、Googleは FCCに対して、デバイスはもちろん、アプリケーションについてもオープン・アクセスを保証することを約束した。その後、政権の交代もあったし、前後の事情も違ってはいるが、2年後の今日、FCCが追及しているのもやはりこのワイヤレス・ネットワークのオープン化という目標だ。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20100815wireless-not-different-half-open/ インターネットのオープン性や中立性をワイヤレスに対し免除する理由はない–誰もが守れるルールだ

    [...] Googleはかつて、ワイヤレスのインターネットもオープンであるべきと主張したのだから、差別に反対するのが当然ではないか? でも、今のGoogleは当時ほど理想主義的ではないし、徐々にご都合主義的になりつつある。しかし本当の問題は、Google、Verizon、AT&Tといった特定企業の考え方ではない。今度のような提案をAppleやMicrosoftやNews Corpがしたとしても、同じく間違いは間違いだ。企業間の契約があろうとなかろうと、なにしろワイヤレスの上で特定のコンテンツやアプリケーションだけが優遇されるのはごめんだ。 [...]