YouTubeをはじめとするビデオサイトが、著作権付コンテンツのおかげでトラフィックを稼いでいることは公然の秘密。しかし、こうしたサイトが買収され、広告と融合するにつれ、あるいはただ10億ドルの訴訟を避けたいがためか、いかがわしい過去を捨て、メディアの巨人にすり寄って、コンテンツや宣伝費を引き出そうとしている。
トラブルを避けるためのテクノロジーを提供するスタートアップもたくさんある。ソリューションの多くは、デジタル探偵さながら著作権付ビデオの指紋をアップロードされたコンテンツと照合するものだ。こうした会社にはAudible Magic、Advestigo、Gracenote、MotionDSP、Philips、iPharoなどがある。YouTubeはAudible Magicを採用したが、未だに何が変わったのかわからない。MySpaceもAudible Magicを使っているが、加えて著作権を侵害するコンテンツの再アップロードを禁止する手段をとっている(“Take Down Stay Down”[削除して再掲しない]方針)。
しかし、コンピューターは決まりきった問題を恐ろしいスピードで解決するのは得意だが、ルールがあいまいになってくると必ずしもそうはいかない。歌やビデオが「公正に」使用されているかどうかを判定する必要があるが、簡単なフィルターではタイトルの文字をちょっと変えたくらいでだまされてしまう。5年の歴史を持つBayTSPは、だからこそプロセスの中に人間を導入したのだ。WSJがこの会社について詳しく書いている。
同紙によるとBayTSPは20人以上の「ビデオアナリスト」を雇い、ビデオを見せて著作権付コンテンツを見張っている。時給は$11から。この作業を支援するBayTSPのソフトウェアが使われているそうで、おそらくどのビデオから調べるかを教えてくれるものだろう。いちばん有名なクライアントはViacomで、去年のビデオ10万本分のDMCAの削除要求のためのデータを提供した。ViacomはBayTSPのサービスに毎月10万ドル支払っていると言っている。この削除要求の結果、Viacomのビデオクリップ23万本がYouTubeから削除された。BayTSPによると、ウェブビデオに関して誤認率は0.1%程度にすぎないという。
こうした努力にもかかわらず、ビデオの海賊行為はGoogle video searchでも他のソーシャルビデオサイトでもはびこる一方だ。コンテンツが削除されると、そのまま再アップロードする者もいる。MySpaceはファイルのブラックリストを作ってこれに対抗するようだが、他のビデオプロバイダーは価値あるコンテンツやユーザーを失うことを恐れているに違いない。著作権者らがフィルターの組み込みを強く要求するなか、コンテンツ提供者は依然として、手作業中心のDMCAの免責条項に頼っている状態だ。Googleは削除要求の長大なリストを受け取っている。AT&Tは同社ネットワークで直接フィルタリングすることに関心を示している。
いずれにせよ、コンピューターに口を狭ませる前に人間同志がもっと話し合うべきであることだけははっきりしている。
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