ドットコムバブルで倒産した「The Industry Standard」 復活―IT業界分析に主眼、ユーザーの予測ゲームも
by Erick Schonfeld 2008 年 2 月 5 日 append.gif この記事をBuzzurlにブックマークする

industry-standard-logo.pngThe Industry Standardはもっとも華々しく輝き、それからもっとも激しく墜落したドットコムバブル時代を象徴するような雑誌だった。そのブランドが今日(米国時間1/3)、公開ベータで復活した。オリジナルの雑誌が倒産してからほぼ7年ぶりだ。こうなると、ついつい、現在のWeb 2.0ブームもまたもやバブルが弾ける時期にさしかかっているのかといった比較をしたくなる。実際、そうなのかもしれない。Standardという雑誌のブランド名はあまりにも深くバブルの記憶と結びついているので、われわれの集合的意識の中ではどうしても「シリコンバレーの過熱ぶり」のシンボルとして機能してしまう。

もし運営会社のIDGが5、6年前に破産裁判所からオリジナルのStandardの資産一切を$1M(100万ドル)で買っていなければ、このプロジェクトは別の名前になっていだろうし、バブルとの比較なども起きなかっただろう。しかしIDGはStandardの名前が呼び起こす悪い記憶と、これほどの時間がたってもまだ名前が記憶されているというブランドの力を秤にかけて、ブランドの力を選んだのだと思う。

しかし今回のThe Industry Standard は純然たるウェブ上だけのサービスで、野心はぐっと抑えたものになっている。またユーザー生成タイプのコンテンツも用意されている。このサイトが扱う分野はオリジナルとほぼ同様だ(インターネット関連ビジネス、オンラインメディア、ベンチャーキャピタル)。しかしニュース性より分析を主眼とするらしい。またユーザーが賭けられるシンプルなプールを設定し、集合知による業界や個々の企業についてのトレンド予測を行う。

industry-standrad-experts.pngニュースについては他の情報源からフィードで収集してくる一方、マーケティングのグル、Guy Kawasaki、ベンチャーキャピタリストのFred Wilson、ブロガーのMatt Marshallら業界の有名人を常連ライターにスカウトして正確な分析を提供することで評判を高めようという計画だ。このサイトでは、フリーのジャーナリストとも契約、ウェブ企業やテクノロジーのトピックについて300語から500語程度の短い記事を投稿してもらう。ただし誰か1人のライターの意見があまりにも強くならないよう、寄稿は1人あたり最高で週に3本までに制限される。ゼネラル・マネージャーのDerekButcherは「Huffington Postに似ているが、大きな違いは、われわれが実際に寄稿者に原稿料を払う点だ」と語っている。特ダネ掲載しないわけではないが、ニュースは他のソースから配信を受けるのが基本となる。

集合知による予測というのがこのサイトでいちばん目新しい機能だろう。「われわれはこのブランドを復活させるにあたって、広汎な分析を行ったが、ユーザーによる予測がページビュー確保のために有効だと判断した」とButcherは語っている。トップページには「“YahooはMicrosoftの買収提案を受け入れるか?」とか「今年の第1四半期のオンライン広告の売り上げは2007年同期からアップするか?」といった質問が掲げられている。予測は読者がどちらに賭けたか、その人数に基づいてパーセントで表示される。読者登録を行うと、1人あたり10万ドルのバーチャル・マネーが支給され、サイトに掲示される予測に賭ける資金になる。普通のアンケート違うところは、賭けた額に比例して〔的中した場合の〕評価が高くなる点だ。この予測ゲームで優秀な成績を収めると、ユーザー名がサイトに掲載される。

さまざまな形で集合知を利用した未来予測をしようというサイトはすでに多数存在する。 HubDubTrendio、それにYahooのTech Buzz Gameなどがそうだ。しかし予測を的中させることができる優秀な読者の参加を確保していくのがほとんどのサイトで難題となっている。Industry Standardは予測の賭けをサイトの中心に据えることでこの問題をクリアしようとしている。たとえばMicrosoftのYahoo買収提案に関する記事を読み終わると、読者がすぐにその結果の予測に賭けられるように構成されている。Butcherは近々、こういった予測と賭けをウィジェット化して、読者が簡単に自分のブログやFacebookに貼り付けることができるようにするというシンジケーションの計画をたてている。

新しいIndustry Standardの専門家の記事や読者予測が注目を集められるか否かは、分析や予測がどれほど的中するかにかかっている。記事の分析が優れた洞察であれば、読者予測の精度も高まるはずだ。しかしこういった予測ゲームは、実際に何か価値のあるもの―通常、金銭や名誉だが―が賭けられていないとうまく働かないものだ。架空の金と匿名のユーザー名でプレイするというのでは(それがStandardの場合だが)、単なるギミックに終わってしまうだろうというのが私の予測だ。誰か賭けるかね?

industry-standrad-screen-small.png

[原文へ]

(翻訳:Namekawa, U)

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