DRMの死は不可避だ
by Michael Arrington on 2007年1月10日

今日(米国時間1/10)、Appleから20億曲(すべてDRM付き)をiTunesで販売したという発表があったが、マーケットの動向としては、ほとんどの兆候がDRMは最終的に廃止される方向を示している。消費者は特定のタイプのファイルが特定の機器でしか再生できないいという不便さに今までにも増していらだちを募らせている。唯一の疑問はこうだ。DRMの廃止はいつになるのか? DRMがなくなっても、それよりもずっと悪質なシステムが取って代わったりしないか

兆候―

  • 1年前、Yahoo Musicのゼネラル・マネージャーDavid GoldbergがDRMを廃止するようレコードレーベルに訴えた
  • CDの売り上げは低下を続け、2000年から比べて少なくも15%減少している。現在のオンラインセールスはこの収入の低下を補っていない。
  • eMusicはMP3の曲だけを提供しているが、オンライン音楽販売では、iTunesに続いて2位をキープしている。
  • AmazonはMP3だけのミュージックストアを開くと噂されている。
  • Sonyの幹部は「時が経つにつれてDRMの重要性は薄れていくだろう」と述べた
  • その他

それから、このAppleという要素がある。オンライン音楽販売のマーケットは、ビッグレーベルの立場から見て、買い手独占の様相を呈し始めている。Appleだけが事実上唯一の(2位のeMusicの20倍の売り上げ)小売り業者となっている。ユーザーに楽曲と再生機器を同時に買わせるだけの臨界量を得たり、iTunesの牙城に多少なりとも食い込んだりすることは、もはや誰にもできそうにない。Apple以外の誰かがiPodで再生できる楽曲を販売しようとしたら「DRM無し」でいくほかない。レコードレーベルではこれを〔自殺的な〕ポイズンビルだと思うだろうが、Apple は絶好調であり、リードは時とともに広がっている。

私はYahoo Musicのゼネラルマネージャー、David Goldbergと製品開発担当VP、Ian RogersにDRMの将来について、Goldbergの1年前の発言(上を参照)をぶつけて、考えを聞いた。この様子は40分のポッドキャストとしてTalkCrunchに掲載されている。彼らはDRMの廃止は不可避だという意見には同意しなかったが、近い将来どんなことが起こりそうかという点については音楽業界のインサイダーとして貴重な意見を提供してくれた。Goldbergの面白い予測のひとつは、今後「DRM付き」と「DRMなし」の楽曲が同時に販売されるようになる―DRM付きはディスカウント価格で提供される、というものだ。私は違法コピー曲、あるいはグレーゾーンの曲が広く簡単に手に入る以上、そういったマーケットが成長できるとは思えないのだが、今後に注目したい。また彼らは定額制音楽購入サービスの人気が高まるだろうと予測した。

写真はLaughing SquidのすばらしいScott Bealeによるもの。

[原文へ]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/apple-openly-supports-death-of-drm/ TechCrunch Japanese アーカイブ » Apple、DRMの終焉を公然と支持

    [...] Steve Jobsは自らDRMとの戦いのマウンドに立って音楽業界にオープンレターを送った。いずれDRMが終焉を迎えるだろうという話を私たちが先月書いたばかり。Bill GatesもDRMについての考えを12月に書いている。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/former-yahoo-music-gm-dave-goldberg-joins-benchmark-capital/ TechCrunch Japanese アーカイブ » Yahoo Music元GMのDave GoldbergがBenchMark Capitalの客員起業家に

    [...] Yahoo Music元ゼネラルマネージャー(GM)Dave Goldbergと言えば2006年はじめ、音楽ファンが自分が持ってる端末の種類に関わりなく自由に音楽が聴ける柔軟な環境を整備しようと大手音楽レーベルにDRM撤廃を訴え、ひと波乱起こした人物。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/even-free-cant-compete-with-music-piracy/ TechCrunch Japanese アーカイブ » 音楽違法コピーには、タダでも勝てない

    [...] 音楽業界の将来を憂う声は多く、話題はもはや「DRM付楽曲が売れるか」から「そもそも楽曲は売れるのか」にシフトしはじめた。Radioheadは先週、これまでで最大規模といえるテストを行った。彼らの最新アルバム「In Rainbows」を合法的に無料配布し、値段をユーザーにつけさせているのだ。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/ding-dong-sony-bmg-to-drop-drm/ TechCrunch Japanese アーカイブ » DRMの魔女よ、さらば。ソニーBMGがDRM撤廃へ

    [...] 今から12ヶ月近く前、マイケルはここでDRMは避けようのない死に直面するだろう、と書いたが、その彼が正しかったことが今日(米国時間1/4)証明された。次なるターゲットは映画スタジオだ。音楽分野は制覇した。あとは好きな場所で好きな時間に合法的に購入した動画を再生できるような環境の実現が当然、次なるゴールである。革命万歳。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/amazon-and-pepsi-to-offer-free-music/ TechCrunch Japanese アーカイブ » アマゾンとペプシが楽曲を無料でプレゼント

    [...] この手のクロスプロモーションは新しい話ではないが、この動きを見るとアマゾンがどれだけ真剣にDRMフリー楽曲を幅広い層にPRしたがってるか分かる(ペプシは前にもiTunesの無料ダウンロードをプレゼントしている)。DRMの死が避けられないと書いたのはたった12ヶ月前だが、あれから1年が経って今や2008年市場はDRMフリー楽曲のプロバイダーがトップに躍り出て注目を集めている。われわれが思った通りの成り行きだ。今後数ヶ月で競争激化から価格にも下落圧力が出ることに期待したい。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20080402yahoo-loses-their-musical-soul/ TechCrunch Japanese アーカイブ » Yahoo、音楽の魂を失う

    [...] これはYahooにとって打撃だ。Rogersは音楽の将来がどうあるべきかについて、明快なビジョンを持つ数少ない音楽業界インサイダーの1人だ。2007年、同氏は前Yahoo Music GMのDave Goldbergとともに、音楽業界に対してDRMを捨てるべきだと訴えかけた。1年後にそれが現実になった。昨年Rogersは業界幹部らに次のような話をして、またもや業界を驚かせた。 私はYahoo!にこれ以上消費者を不便にするための投資はさせません。Yahoo!には、私に渡すつもりだった金を、Yahoo! MailやAnswersなどその価値のあるサービスがすごいメディアアプリケーションを作るのに使うよう言います。私自身にはもう時間がないし、消費者の価値を高めるより管理しようという哀れなことにこれ以上金を使うのは見るに耐えません。人生は短かいのです。私は消費者を喜ばせたいのであって、がっかりさせたくはないのです。 [...]