前にもこのことは書いたが、いつもいちばんの注目を集めるのは削除されたブログ記事だ。今回はNBC Digital Mediaのデジタルイノベーション事業部長のSab Kanaujiaのブログ記事。2006年12月26日、Kanaujiaは自らのブログにNBCのソーシャルネットワーキングについての展望を要約した長い記事を書いた。1月9日以降、この記事はなくなっているが、キャッシュされたものはここにある(テキストのコピーは以下に引用してある)。
NBCがソーシャルネットワーク分野に乗り出そうとしていて、急いで行動に移さなければならないことは明らかだ。昨年、もう少しでTribeを買収するところまで行ったが、合意には致らなかったのは規摸に関する問題のためのようだ。
Kanuajiaの記事は驚くほど(また爽快なほどに)単刀直入だ。「出遅れていることはわかっている」とか「既存のソーシャルネットワークを買収するのではなく…プラットフォームをゼロから内部開発することに決定した」など。
Kanaujiaによると彼らの戦略的デシジョンのキーは、中央集権的な大きなシステムではなく、分散型のソーシャルネットワークを作ることだったようだ。NBCは「自社のTV番組や映画の公式コミュニティやファンサイト」を構築するつもりで、「現在の評価では[大型ソーシャルネットワークを]所有することのコスト/利益比に魅力はない。」という。
この戦略が今も変わないのかどうか(最初の記事からまだ何週間もたっていない)も、何故Kanaujiaが記事を取り下げたのかもわからない。おそらく、ソーシャルネットワーク戦略を押し進めているところを全世界から見られるのは、競争上うまくないと判断したのだろう。それとも、Kanaujiaが最後に少し書いていたように、結局どこかのソーシャルネットワークを買収することになったのか。いずれにしても、彼が削除してくれたおかげで、そのままになっていたよりもはるかに多くの人が記事を読むことになったことだけは間違いない。
ブログ記事の全文を以下に引用した。
NBC Universalのソーシャルネットワークへの取り組み
NBC Universal Digital Mediaで私のチームが大規模なソーシャルネットワークのプロジェクトを率いていることに驚く人はいないだろう。オンラインメディアの会社であれば誰でもがこの分野で何かをしているはずだ。私たちがすでに出遅れていることは承知している。それでもFoxとは違って、私たちのアプローチは異なるものだ。
既存のソーシャルネットワークを買収するのではなく(Digital Mediaでも私が参加する前の夏には何社かの候補を評価している)、自分たちでゼロからプラットフォームを作りあげることにした。スタートを急ぐために、手伝ってくれるサードパーティーのパートナーはいる。買収はしないと決めた理由は主として統合が困難なことと、ほとんどのサードパーティーのソーシャルネットワークが、私たちのような巨大なメディア会社にとって重要な、その規模に対応できなかったことがある。
ソーシャルネットワークがプラットフォームになったのはかなり前のことで(当初はサービス商品だった)、サービスがいくつか集まって総合的な機能やユーザーの使い勝手を向上させていくことができるようになった。NBCUで構築しているのはソーシャルネットワークプラットホームの核になるもので、当社のあらゆる財産の上にさまざまなツールや機能を構築することによって、ユーザーの自己表現や、同じような考えを持つ他のユーザーとの対話と共有を可能にする。私たちは、MySpaceやFacebookなどのような別個のスタンドアローンのサイトをローンチするのではない。まずNBCの最大の財産で来年初めに最初のローンチがあり、(12以上ある)残りの財産についてもフェーズに分けて第3四半期の終りまでには次々とスタートさせていく予定だ。基盤となるコミュニティ、そしてNBCUの資産のすべてをいかに活期づけ、それを維持していくかが最大の焦点だ。NBCのTV番組や映画の公式コミュニティやファンサイトを作ることもそのひとつ。NBCUに他にない体験(出演者の参加や、独占コンツンツなど)をNBC.comで提供できる優位性があれば、ユーザーがMySpaceの「The Office」コミュニティに行ったり作ったりする理由などない。最近メジャーなベンチャーキャピタルのファンドマネージャーとのランチで面白い話があった。彼が言うには、NBCUや他のメジャーなコンツンツ企業は、流通の視点から考えて、既存の財産の上にソーシャルネットワークを構築するのではなく、人気のあるスタンドアローンのソーシャルネットワーキングサイトを作ることの方が重要であるという。人気の高いソーシャルネットワークの持つ流通やプロモーションの可能性については米国内、全世界どちらについても否定しないし、NBCUでもすでにこのチャネルを活用している。ただし、現時点での評価では所有するだけのコスト/利益比の魅力はない。予想どおりこのランチパートナーはNBCUに自分たちの投資先のソーシャルネットワーク企業を買うように口説いてもきた。
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