YouTubeがプラットフォームになる
by Erick Schonfeld 2008 年 3 月 13 日 append.gif この記事をBuzzurlにブックマークする

youtiube-logo.png

グーグルはYouTubeを使ってウェブのあらゆる動画をホストしたいのだ。 まさかと思うところもあったが、今日(米国時間3/12)の公開API拡大の発表でそれが同社のゴールであることが明白になった。

また今回もグーグルは他サイト上での動画検索を簡単にするのではなく、YouTubeでの動画ホスティングを簡単にする方向で動いている。新公開のAPI群では他のサイトで動画のアップロード・視聴・検索・コメントが可能になるが、それは例外であって、ここで鍵となるのは動画自体YouTubeのサーバーでホストされるという点だ。グーグルでも最初の頃は動画をインデックスしてもらいたかったら直接グーグルにアップロードが必須だったが、これはそのGoogle Videoの当初戦略への回帰と言える。

YouTubeは徐々にGoogle Videoに交代しつつあり、世の中では動画アップロードと言えばYouTubeと相場が決まっているが、やはり社外のウェブからもなるべく多くの動画を自社サーバーに引き寄せた方が他サイトの動画をただインデックスする以上の、もっといろんなことができるのだろう。検索も改善すれば、そこに広告も出せる。

具体的に新APIでウェブ開発者ができることを並べてみよう。:

* YouTubeへの動画アップロードと動画レスポンス
* ユーザーや動画メタデータの追加/編集(タイトル、説明文、評価レーティング、コメント、お気に入り、連絡先など)
* 世界18地域にローカライズした標準フィードのフェッチ(=メインメモリから呼び出すこと)(ビュー数最多、評価レーティング最高、など)
* 世界18地域に最適化したカスタムのクエリー処理
* ソフト経由で行うプレーヤーUIのカスタマイズ、動画プレイバック操作(一時停止、再生、停止など)

YouTubeは単に動画ホスティングのインフラを他サイト、端末、デスクトップ専用アプリにホワイトレーベルする(相手先ブランドで使わせる)だけでなく、動画ホスティングを無料で提供していく。これはBrightcoveやMaven Networks(現在はヤフーの一部門)、Move Networksのような他の動画ホスティング専用プラットフォームにとっては、かなり破壊的な存在になり得る。既にこれと同じAPIを使っている提携先にはAnimoto、カシオ、Electronic Arts、Helio、KickApps、Slide、TiVoも入っている。 そうだ、TiVoでYouTubeが観れるようになたのだ。

もちろん完全無料というわけではない。YouTubeにホストしてもらう動画はYouTubeにも出るので、グーグルはそこに出す関連広告から収入を得ることに。広告収入の分配法は不明。というか、分配するかどうかも分からない。APIの中を見ても、サイトが自社広告を挿入できるようにするものは何も入ってないので、これは大きなクエスチョンマークだ(今日これからYouTube幹部に取材するので、この件は後ほど詳しく)。

Update: YouTube製品マネジャーJim Pattersonが、APIに収益分配が組み込まれていないことを確認した。ただし広告収入を共有しているYouTubeパートナー各社には、そちらのAPIも公開になっているそうだ。氏はこう語っている。:

収益化を根本から変える新手法を導入するわけではありません。当社のAPIを通してアップロードした動画はどれでも、YouTube.comで扱うのと全く同じに扱いますよ。普通は動画がYouTubeにアップロードされると、YouTube.comでその動画に広告を出す場合もあります。一般の方たちがこの動画をエンベッドする際にも、将来に渡る広告配信権は当社に帰属します。

これはホワイトレーベルのサービスではありません。当社は確かにホスティングサービスは提供しますが、この記事で名前を挙げてくれた各社と直接競合するようなオルタナティブではありません。 そこには非常に大きな違いがありますね。これはYouTubeブランドのエクスペリエンスです。無料で使えます。これを使うのに支払う対価は、使ったみなさんもYouTubeコミュニティに参加しなくてはならない、ということです。

言い換えるとYouTubeとしては、トラフィックを社外サイトに誘導し、それでみんなYouTubeの巨大なオーディエンスに加わってくれたら、それでおおむね満足なのだ。

昨日、YouTubeの今日の発表を最初に当てた人には無料でiPod Shuffleをプレゼント、という約束で読者に隠し玉予想をお願いした。 高品位動画やHuluとの提携の発表(後者は僕の予想)を期待した人はたくさんいたが、これをズバリ言い当てた人はほんの一握りだ。午前零時(PT)にYouTubeが発表を公にするまでに集まった、賞品獲得のエントリー資格のあるコメントは237件。

うちSilicon Alley InsiderのDan Frommerはホワイトレーベルの事業展開について彼自身が先週書いた記事を教えてくれたんだけど、僕の記事についたコメントの順番でいくと残念ながら、これが最初の正解ではない(ごめん、Dan。 iPodはナシだけど、リンクで勘弁して欲しい)。発表を一部言い当てた方もいる。サードパーティーからのアップロード用API、TiVoとの提携、デジカメに「YouTubeにアップロード」ボタンを実装する件(カシオ)、ビデオゲームのプラットフォームに連動する件(Spore)。―でも全部当てたわけではない…。

というわけで一番最初にズバリ正解を言い当てたiPod Shuffle獲得者はコメントNo. 57のBlake Machado(別称:Balke Macho)さんということで。Machoさんのコメントを引用しておこう。:

プラットフォームとしてのYouTube。他サイト(動画配信チャンネル)上でも動画が運用できるよう、デベロッパー用ツール群を増やして、API改善を図る。サードパーディーのサイトからアップロードして、サイト内検索を実現し、それに付随する収益化モデルのようなものも用意して。この収益化モデルについても発表になるが、リリースはまだ。

収益化の部分はもうちょっと待たないと分からないが、それ以外の予想はドンピシャである。この発表の背後にあるプラットフォーム化の野望を最初に判読したのもMachoさんだった。

[原文へ]

(翻訳:satomi)