Buzznet
by Michael Arrington on 2009年6月5日

1年前に本誌はソーシャルネットワークの真の価値を評価するという記事を書いた。それは、日本やイギリスや合衆国のようなオンライン広告の広告料が高い国のユーザ数が多いほうが価値が高い、という考え方だ。当時Facebookはユーザ数で世界最大のソーシャルネットワークになったばかりだったが、本誌の計算方式ではMySpaceが圧倒的に最も価値のあるソーシャルネットワークだった。

今回はソーシャルネットワークの価値評価を、現在のユーザ数とFacebookの$10B(100億ドル)という最新評価額を基準にして計算した。そうすると、昨年とはまったく違う結果になった。

ソーシャル・ネットワーク・サービスの本当の市場価値は?
by Michael Arrington on 2008年6月24日

MySpaceの価値は$3B(30億ドル)なのか? それとも$20B(200億ドル)なのか? これはユーザーの価値をどう評価するかにかかっている。

われわれは世界的な巨大SNSの価値をページビューとユニーク訪問者だけで計ろうとするのをそろそろ止めるべきだと信ずる。SNSのメンバーの価値は、その居住国のユーザー1人当たりのインターネット広告費で計るのが効果的だと思う。1人当たり広告費が高ければ高いほど、SNSが広告費や商品の販売などで稼げる額も大きくなるはずだ。ということは、現在のところ、見込み収入の算定にあたって、1人当たり広告費が高い、いくつかの国が非常に重要な役割を果たすことになる。

そこでわれわれは、まず国/地域別のSNSのユーザー数とその地域でのインターネット広告費の総額のデータを収集して比較することにした。これによって、リンゴとオレンジをいきなり比較するのではなく、リンゴとリンゴを比較できるようになるはずだ。

一方で、あらゆる資産の最終的な経済的価値は、結局のところ、市場がそれに対して払おうとする価格だ。しかし、この点に関してわれわれはほとんど参考になる数字が得られない。FacebookBeboLinkedInは比較的最近、それぞれ$15B(150億ドル)$850M(8億5千万ドル)$1B (10億ドル)と評価された。(ただしBeboだけは、その価格で実際に買収されたが、FacebookとLinkedInの評価額は資金調達ラウンドの基礎となった推計に過ぎない)。MySpaceの最新の評価額は2005年にNews Corp.に買収された際の$580M(5億8千万ドル) でしかない。

これらの評価額のどれがいちばん正確なのか? 今のところ得られるデータといえば、comScoreその他のサービスから得られるページビューとユニーク訪問者の数だが、そのような統計だけを元に推測するのは非常に困難だ。たとえば、全世界ベースでのユニーク訪問者数では、Facebookは最近MySpaceを抜き、世界一となった。

世界でのユーザーの実数でいえば、最大のSNSはFacebookで、以下Myspace、Hi5、Friendster、Orkut、Beboの順となる。しかしわれわれが採用したユーザーの居住国を考慮して重みづけするモデル(下に示した)では、この順位は大きく変わってくる。このデータによるとMySpaceが群を抜いて価値のあるSNSということになる。OrkutはMySpaceの4分の1近いユーザー数だが、経済的価値20分の1しかない。

適切なSNSの順位づけ

われわれのモデルは、可能なかぎりの国/地域についてComscoreのデータを利用している。 26の有名SNSについてできるだけデータを収集し、グラフ化した。次にそれぞれの国/地域でのオンライン・ユーザー1人当たりの広告費を計算した。(元データはPriceWaterhouseCoopersの最新レポートを利用)。たとえば、アメリカでは2008年のインターネット広告費の総額は$25.2B(252億ドル)と推計されている。これをcomScoreによるアメリカの全オンライン・ユーザー数(1億9100万人)で割る。するとユーザー1人当たりの平均広告費は$132となる。統計の元数字と計算処理はこちらを参照

ちなみに、1ユーザー当たり広告費では、アメリカは世界で4位にすぎない。1位はイギリス($213)、続いてオーストラリア($148)、 デンマーク($144)の順となっている。

次に個々のSNSについて、それぞれの国/地域ごとのユニーク・ユーザー数にその国/地域の平均広告費を乗じた。つまり地域別の平均オンライン広告費によって重みづけしたSNSの価値を算出したわけである。アメリカ、日本、イギリス、オーストラリア、ドイツ、その他平均広告費が高い国に多くのユーザーがいるSNSはそれだけ高い評価額を得られることになる。

われわれはこの方法がさまざまなライバルSNSの経済的価値を適切に比較する方法だと考えている。これによればOrkutやFriendsterのように平均広告費がきわめて低い地域に何千万ものユーザーがいるSNSの価値は相対的に低くなり、逆に平均広告費が高い地域にユーザーを持つSNSの価値は高められる。

このモデルによると、MySpaceが群を抜いて高価値なSNSということになった。第2位はFacebookで、(ユーザー数ではすでにMySpaceを抜いているにもかかわらず)MySpaceの75%の価値だった。以下Bebo( MySpaceの26%)、Hi5、Amebioの順。LinkedInは第11位で、MySpaceの6%の価値だった。

評価額の幅

現在発表されている大規模SNSの現実の収入の順位はわれわれの評価モデルによる順位によく合致する。収益化の成功はユーザーの居住地域に直接の関係があることがはっきり分る。MySpaceは昨年$755M(7億5500万ドル)の収入を得ている。(今や)それより大きくなったFacebookはユーザーの多くが平均広告費の低い地域にいるため、今年の収入が$265Mと推計されている。

EMarketerの推定によると、MySpaceは2008年6月30日に終わる会計年度において$755(7億5500万ドル)の収入を得る。MySpaceはこの推定についてコメントを避けている。Googleとの広告提携による収入が約3分の1を占めるものと予想されている。今年のFacebookの収入は、広告料金による$265(2億6500万ドル)と推定される。

上で述べたように、最近のSNSの評価額として3例がある(Facebookが$15B、Beboが$850M、LinkedInが$1B)ので、われわれのモデルにこの評価額を当てはめてみよう。Facebookの評価額$15B(15億ドル)をわれわれのモデルによる重み付け評価点(valuepoint)、すなわち10.2M(1020万)で割ると、評価点あたり評価額は$1,467となる。同様に計算すると、LinkedInも似たような額で、$1,325となる。これに対してBeboは広告費の高い英国マーケットに多くのユーザーいるため、相当に割安に評価されており、$241となる。

公にされた3つの評価例を元に、他のトップ25のSNSの価値を評価してみた。ここには非常に大きなバラツキがあることが見てとれる。(たとえば、MySpaceは、どの評価例を採用するかによって、$3.3B(33億ドル)から$20B(200億ドル)までの幅がある)。しかし得られたデータはたいへん興味深い。たとえば、もしFacebookとLinkedInがBeboなみに評価されたとすると、それぞれ$2.5B(25億ドル)、$182M(1億8200万ドル)となり、最近投資家が株を取得したときのベースとなった評価額にくらべてはるかに低いことがわかる。

面白いことに、最近のポーランドのSNS、Nasza-klasaが$92M(9200万ドル)で買収されたのは、実はBeboベースの評価モデルにきわめて近い。Beboの評価をベースにわれわれのモデルで評価額を計算すると、$91M(9100万ドル)となり、実質的に同額といってよいほど近い。

ただしわれわれの分析とモデルにも、現状では、まだ大きな欠陥がある。第1に、LinkedInの場合、ユーザーは全てビジネス・プロフェッショナルなので、他のSNSとはまったく異なるジャンルと考えるべきだろう(Facebook名物の「poke」などでふざけて遊ぶユーザーはいない)。その結果、ユーザーがどの国の居住者であるにせよ、ライバルのSNSにくらべてはるかに大きな購買力が想定される。しかし、そういった問題点に留意はするものの、われわれはやはりLinkedInの評価額もデータポイントの一つとして採用することにした。

このモデルにはもっとデータが必要である。ユーザー数は4月のComscoreの発表に基づいている。われわれは近くこれを5月のデータにアップデートするつもりだ。しかしおそらく絶対的な順位には変更が出ないだろう。さらに重要な点はいくつかの大きなマーケットの情報が含まれていないことだ。たとえば、中国の2008年のインターネット広告費は、$2B(20億ドル)と推定されているが、これはわれわれのモデルに含まれていない。(主な理由は中国における各SNSユーザーの数が判明しなかったからだが)。またフィリピンも信頼できるデータが不足していたためモデルに算入されていない。(ただし、フィリピンのネット広告費の総額はわずか$3M(300万ドル)なので、いくらFriendsterが当地で強いといっても実質的な順位に影響はないはず)。最後にロシアだが、現在は「その他のヨーロッパ」に一括されている。これも別途にカウントされる必要があろう。最近、オンライン広告マーケットもユーザー数も急増しているので、ロシアのデータをアップデートすると、中位のSNSの順位に変動が出る可能性はある。

われわれが用いた広告費ベースのモデルは、やはり一つのモデルであり、ベースとなる広告費のデータも単一の情報源にたよっている。もし広告費の推計が非常に正確であれば、ユーザー数のデータはモデルにそれほど大きな影響を与えないとして安心できる。しかし逆に国別広告費のデータが誤っているようだとこのモデルは崩壊してしまう。さらに正確な国/地域別の平均広告費のデータが得られ次第モデルをアップデートするつもりだ。しかし当面、PriceWaterhouseCoopersのデータは十分役立つのではないかと考えている。

最後に、このモデルは個別の企業努力を計算に入れていない。他の面でほとんどそっくりな2つのSNSが、広告戦略の違い、あるいはもっと単純に営業マンの熱意の差で、売り上げがまったく違う結果になることは十分あり得る。もちろんこのモデルではそういった点はまったく考慮に入っていない。

最後に、先週発表されたAndrew Chenの分析についても触れておきたい。この分析ではComscoreデータの代わりにGoogle Trendsのデータが用いられているが、分析の手法はわれわれのものに似ている。しかしGoogleのデータはSNSの相対的価値を決定するのに使うには肌理がが荒すぎると思われる。またChenはインターネット広告費に関する詳細な情報が利用できなかったようだ。それでも彼の方法論には基本的に賛成だ。

私がこの記事の最後で書いたように、今やSNSの相対的価値を判断するには現在のユーザーの相対的な財政価値を考慮に入れる必要がある。単にユーザー数だけを比較しても無意味だという点に注意すべきだろう。

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(翻訳:Namekawa, U)

米国内SNSランキング(2007年9月期)
by Erick Schonfeld on 2007年10月25日

アメリカで成長スピード最速を誇るソーシャルサイトはどこか知ってるだろうか? 答えはImeem。月間ユニークビジターが前年同月比1590%アップを記録した。

ではDiggに345%対323%の僅差で成長率が勝っているサイトは? 答えはAIM Pages。

どちらもcomScoreによればの話だけどね。前に米国内のSNSランキングの作成をお願いしたcomScoreに、今回は成長率別ランキングを頼んでみた。さっそく結果をはっておこう。:

social-sites-by-growth.png

個人的に目についた点を並べておこう。まず、MySpaceはこれだけ大所帯になったにも関わらず依然として成長率は23%という健全な数値を維持している。無論、Facebookも追撃中で、あちらは成長率129%だ。Beboも83%と健闘。逆にパッとしないのがHi5(3%)。Xangaに至ってはマイナス55%で縮小中だ。

ブログ専用プラットフォームはどうか? BloggerはSix Apartにビジター絶対数(3200万人 vs. 1300万人)と成長率(55% vs. 44%)の両面で勝っている。無風帯ではWindows Live Spaces(-1%)とYahoo Groups(-4%)。 「そろそろ閉鎖も真剣に検討した方がいいのでは?」部門ではLycos Tripod(-23%)、MSN Groups(-36%)、Yahoo 360(同意見に押され閉鎖を決めた)。

もっと分かり易いビジター総数別ソーシャルサイトランキングも以下に紹介しておこう。こちらには、2006年9月期のデータ不足のためcomScoreが成長率を算出できなかったサイトも含まれている。去年ゼロだったのに、いきなりランキング入りを果たしたサイトではWordpress.com(月間ビジター数1190万人)、Freewebs(同660万人)、 BuzzNet(同440万人)、Kaboodle(同250万人)。

Update: グーグルのSNS「Orkut」がリストに入ってないのに気づいた方もいるだろうか? Orkutの2007年9月時点のビジター数は世界全体では2460万人だが、米国内は50万3000人どまりだった)

social-sites-sept07.png

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Buzznet、地方巡業中
by Duncan Riley on 2007年7月9日

buzznet.jpgBuzznetは21歳のブロガーAudrey Kitchingと契約、Audryはファションのトレンドセッター、モデルで、ブログの女王、などといった存在。Audryは9週間にわたって45都市を訪問する「Vans Warped Tour 2007」を始めている。

Kitchingはコンサートの取材やバンドのインタビューを含むビデオと記事を送ってくることになっている。またファンとのライブでのやりとりも予定されている。Audreyはカスタマイズされた「Buzznet PTクルーザー(写真参照)」で旅をしている。これによって多数の音楽ファンや、ハイウェイで行き交う車のドライバーにBuzznetを印象付けようという作戦だ。もっとも私の見たところでは、この車、行き交う車のドライバーの目をつぶすようなデザインだが。

SNSは一山いくらというほど溢れているこの時代、なかなか巧妙なアイディアだと思う。ただそこに存在するだけでは認めてもらいにくい。「見られること」がスタートアップが認められるためのキーファクターだ。聞くところによると、Audreyは音楽などのイベントについて自由に見たままをレポートしてよいことになっている。それならWal-martのインチキ草の根(*ブログ事件のような事態にはなるまい。このBuzznetのプロモーションはかならずしも万人向けではないだろうが、PRキャンペーンとしてなかなか優れているのは認めざるを得ない。

Audrey Kitching’sのBuzznetでの旅行はここに。われわれのBuzznetの過去記事はここ(日本語版) (英語版)

訳注(* 原文astroturfing Asstroturfは人工芝の商品名。「草の根 grassroots」を装ったヤラセを指す。Wal-martが雇ったPR会社がヤラセブログを公開して大きなスキャンダルになったことがある。

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Buzznet、$6M調達
by Duncan Riley on 2007年5月25日

buzznet.pngソーシャルメディアネットワークサービスのBuzznetは$6M(600万ドル)の投資ラウンドを完了したと本日(米国時間5/24)発表。同ラウンドはRedpoint VenturesそれにAnthem Venture Partnersがリードした。(編集部補足:Transcosmos Investmentsもラウンドに参加)

Buzznetはおそらく多くの人がまだ聞いたことのないソーシャルネットワークの中で、最大規模のものだろう。Sunset Boulevardに拠点を置く同社は2003年に設立。TechCrunchで最も最近記事に取り上げたのは2005年6月

Google Newsの検索結果が1.5ページ表示されることを考えると、同サービスは驚異的なプレゼンスを維持している。AlexaによればBuzznetはオンライン中の「Top 1000 」サイトにランク入りしているし、Competeのデータによれば「Top 500」ランキングに名を連ねている。同社はユーザー数600万人を誇り、Hitwiseのデータでは、最も急速に成長を遂げているソーシャルネットワーキングサイトとなっている。

これらの観点を以下グラフにしてみた(Buzznetは青線):
buzz1.png

同サイトは、当初ミュージック重視のサイトとしてローンチしたが、その後、FlickrをMySpaceと組み合わせたようなサービスへと展開。BuzzNetは主に写真共有コミュニティだが、類似サービスに比べはるかに強い影響をポップカルチャーから受けている。ユーザーたちはニュースを共有、コミュニティグループに参加、意見投票を行い、日記を書いたりなどしながらも、MySpaceのようなサイトとは異なるサイトとなっている。言葉ではなかなか説明しにくいものだ。

Buzznetでのポップカルチャー/ミュージック重視という方向性はうまく機能している。Fall Out Boy、AFI、Cartelなどのこれからが期待されるインディー・アーティストたち、それにJeffree Starなどの「インターネット・セレブ」たちがBuzznetを拠点としている。

ある意味無名であることもBuzznetにとってプラスに作用しているようだ。それに、トラフィックとランキングに関するデータは利用者数の多さを物語っている。Hitwiseは3月時点のTop 20でBuzznetをNo. 17にランキング。BuzznetはWindows Live Spacesと同様のマーケットシェアを持つ。また、FriendsterやGoogleのOrkutに比べても、それ程大差がついているわけではない。$6M(600万ドル)を調達した今、上昇気運にのったサービスとなるだけでなく、無名のサービスに逆戻りするようなことが無いのも確かなようだ。

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