
1年前に本誌はソーシャルネットワークの真の価値を評価するという記事を書いた。それは、日本やイギリスや合衆国のようなオンライン広告の広告料が高い国のユーザ数が多いほうが価値が高い、という考え方だ。当時Facebookはユーザ数で世界最大のソーシャルネットワークになったばかりだったが、本誌の計算方式ではMySpaceが圧倒的に最も価値のあるソーシャルネットワークだった。
今回はソーシャルネットワークの価値評価を、現在のユーザ数とFacebookの$10B(100億ドル)という最新評価額を基準にして計算した。そうすると、昨年とはまったく違う結果になった。
オンラインのバーチャルコミュニティーに氾濫している漫画的なアバターは別にたいした役割を果たしているわけではないように見えるが、最近のClub PenguinがDisney に$350M(3億5千万ドル)で買収された(今後の業績に応じてさらに最大$350Mが支払われる)件をみても、こうしたカジュアルなバーチャルワールド、あるいはバーチャル・ハングアウトは子供の遊びとバカにできない。
バーチャル・ハングアウトというのは、ユーザーが仮想のキャラクターを利用して相互に交流が図れるような仮想環境のことだ。アジアとヨーロッパではすでにかなり以前から定着していたが、最近、アメリカでも人気が出てきたようだ。この種のサービスは来るべきWeb 3.0時代の重要な部分となるだろうという予測も出ている。
新しくリリースされたオンライン3Dワールド構築のためのMultiVerseプラットフォームは、間違いなく、こういった現在ニッチなバーチャルコミュニティーがメインストリームになっていくことを予期して、それに必要なツールを提供しようとするものだ。
現在、バーチャル・ハングアウトはターゲットとするユーザー層とバーチャルリアリティーのレベルによってそれぞれ特色を出そうと試みている。
Club PenguinやBarbie Girlsのようなサイトは主に12歳以下の子供を対象に、シンプルなユーザーインタフェースと簡単なゲーム、漫画的なグラフィックスを提供している。他のバーチャルワールド、Second LifeとかHabbo Hotelはもっと幅広いユーザー層をターゲットにしており、高度なチャット機能、リアルなシミュレーション、環境やオブジェクトを制作するツールなどを提供している。またRed Light Center (NSFW)のようなサイトは、ハードコアなアダルト向けコンテンツを提供している。
子供向けのサイトの場合、安全性が最大の問題として考慮されている。たとえばWebkinzの場合、チャットはあらかじめ用意されたいくつかのフレーズを選択する以外にできないようになっている。つまり誰も不適切な内容や、個人情報を含んだメッセージを送信することができないようにデザインされている。一般向けのサービスの場合こういった制限はかけられないので、理屈では誰でも利用できるとされているものの、事実としては、子供向けにはまったく不適当な内容が提供されることになる。たとえば、SecondLifeは特にアダルト向けの内容を特色として宣伝しているわけではないが、そういう内容で悪名高い。人間の好色な本性にさらに直接的に依存したRed Light Centerのようなサービスは完全にアダルト向けのサービスであることを標榜しており、内容もそのとおりである。
バーチャル・ハングアウトは、ターゲットするユーザーが異なるばかりでなく、バーチャルリアリティーの度合いでも大きく異なる。Second LifeやActiveWorldsでは一人称視点の3Dで描写されたバーチャル・リアリティーを目指した環境が提供されるが、 Gaia (ティーン向けのバーチャル・ハングアウト中で最高の成長率を記録している)やBarbie Girlsでは、事前に描写された2次元の鳥瞰図の背景の上でスクリプトを利用してアバターが動きまわる。CyworldやNeopetなどの場合はさらにシンプルで、単にHTML画像とFlashアニメーションを使っているだけだ。
子供向けのハングアウトとは大人向けにくらべると一般的にバーチャルワールドのリアリティーではシンプルなものが多い。これは単純に子供たちがあまり複雑なシミュレーションを使いこなせないということからきた制限にすぎないのだろう。しかし、一方で、子供たちはバーチャルハングアウトで大人とは全く異なる経験をしているともいえる。大人はこういった世界を現実からの逃避として利用する傾向があるのに対して、子供たちは漫画やオモチャが対話的な機能を備えたものとして体験している。そうしたわけで、同じバーチャルリアリティーの世界でも、利用するユーザーの年齢層によって、魅力はだいぶ異なるものとなるようだ。没入的リアリティーのレベルの差は、おそらくこういったユーザー層のバラエティーを反映しているのだろう。
このエントリーに掲載された図は、現在利用可能なバーチャル・ハングアウトの基本的機能を比較したもの。ただし、ここではバーチャル・ハングアウトに対して、World of WarcraftやEntropia Universeのような3Dオンライン・ゲームは別のカテゴリーとして除外している。
表には以下のサービスが含まれる。
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韓国のSNSサイワールド(CyWorld)米国版がいよいよ正式に公開となった。これでアメリカに住む我々もやっと自分専用のminihompiesが持てるというわけだ。
親サイトではユーザー専用のアバター (MiniMe)を入れるヘンなちっちゃい箱のことをMinihompiesと呼ぶが、あれが米国版ではMiniHomesという名前になっている。アニメのチャームは見るからに大分お金がかかっているようなのが揃っている。値段はCyWorld専用通貨acorn(どんぐり)で大体5 acorns前後(50セントぐらい?)が相場。米国版は8月になるまでacornの追加購入はムリなので、自分のhompieをきれいにする際はacornの用途をよくよく考えて決めよう。
Katie Fehrenbacherの記事によれば、サイワールドの親会社SK Communicationsは従業員30人の現地法人をサンフランシスコに開設した。米国版の立ち上げには約1000万ドルを投じており、新規マーケットで成功するまでは幾らでも投資を厭わない覚悟だと公言している。サイワールドを突破口に、これからはモバイルのプレイと音楽販売の波が押し寄せてくるだろう。因みに米国版は日・中・台湾に続くもの。それ以外の地域の現地版については現在開設を進めている段階だ。
韓国の20歳未満の90%はサイワールドを使っているという報道もあり、その市場シェアはアメリカのMySpaceもうらやむほど。ソーシャルネットワーキング業界ではローカリゼーションが一つの大きな課題だが、サイワールドの海外事業展開はその成否を占うテストケースとなることが予想される。
まあ、これは敢えてリスクを承知で言うんだけども、minihompiesやacorns、ヘンなアニメのアバターを使うサイワールド、これは米国のマジョリティーのユーザーにはウケないんじゃないかと思う。それよりはMySpaceの誰でも入れるオープンな空間の方がアメリカ人好みだろう。まあ、MySpaceも「僕じゃない、あれは僕のMiniMeがやったことだ!」とか言い訳できたら、MySpaceで従業員の素行を見張る会社の目もかわすことができるんだが。
金持ちのヤングアダルトが集う場所、そう呼んでもらえるようにMySpaceとFacebookもがんばっているが、そこまでには至っていないのが現状だ。サイワールドにとってはもっと難しい試みになると思うのだが? 海外では小さな子どもでもオンラインでちょこまか頻繁に買い物するもんかもしれない(フィンランドのHabboホテルを見て欲しい。- 20セントの支払いが積もり積もって3000万ドルになっている)が、アメリカもそうかと言うと私には疑問だ。 きっとキティが好きで堪らない大人をターゲットにしているか、それとも私の飛んだ見込み違いでドンデン返しが控えているのか。
尚、このシステムでは米国版のユーザーが他の海外版のユーザーたちと親睦を図ることはできない。ある国のサイワールドから他の国のサイワールドにデータはポートできない。これはシステムの限界として特記しておかなくてはならない。まあ、それもこれもacornの成り行き次第ということで。
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