もちろんAmazonは小規模な書店を意図して潰しにかかったわけではない。単にAmazonは大勢のユーザーに便利なサービスを提供しただけだ。現在Amazonはあれこれの「小さな機能」をサービスに追加しつつある。こうしたサービスは全体としてみると著作者にとっての伝統的な出版社の役割を次第に小さくする方向に働くように思える。
こうした事態に一番ショックを受けているのは他ならぬ私自身だ。なるほど私はニュース記事やビデオに関しては、はっきりニューメディアに転向した。しかし私は電子書籍による自費出版は多くの著者―少なくとも大量の読者を獲得しようという野心のある著者には受け入れられないだろうと信じている。
第一、それでは満足感が得られない。本を書くということは、他の分野に比べて少額の報酬しか得られないにもかかわらず、人生の何年分かを賭ける事業である。苦労した分だけ後に残るものが欲しい。私は自分の本をコーヒーテーブルの上に置いて眺めたい。ニューヨークタイムズの書評欄で取り上げてもらいたい。本屋に入っていって自分の本が積み上げられているのを見たい。ほとんどの場合、こうしたことは伝統的な出版社を通さなければ不可能だった。