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オンラインTVガイド比較研究

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数年前までオンラインTVガイドというのは、郵便で送られてきたり、新聞の日曜版についてきたりする番組ガイドのペーパーレス版だった。しかしIPテレビやビデオオンデマンドが各家庭に普及しつつある現在、この分野は進歩を続けており、紙では得られないものがユーザーに提供されるようになっている。

同時に、広告主にとって、特定のユーザー層を対象にしたTVガイドはターゲットを絞った広告として有望な媒体だと認識されてきた。これらのサイトの市場はまだそれほど大きくないが成長中だし、単にテレビ番組を探すだけでなく、オンラインで番組を視聴することも視野に入りつつあるので、指数関数的な拡大が期待できそうだ。

いまどき近所の映画館の上映時間を確かめるのに新聞を広げるユーザーはほとんどいない。みなオンラインでチェックするようになっている。同様に、テレビ番組を調べるのに古い紙バージョンはどんどん使われなくなっている。オンライン版のほうがはるかに便利だからで、以下にそのメリットを説明する。

現在すべてのガイドは無料。おそらく今後も無料のままだろう。掲載している内容によってより多くのユーザーを集めれば、ビジネスを継続するのに十分な広告やアフィリエイトによる収入(iTune式のコンテンツのダウンロードを考えてもいい)を集めることができる。

これらのオンラインTVガイドのいいところは、ただ番組表を載せているだけでなく、ユーザーの好みや習慣を番組内容とうまくマッチさせるのに成功している点だ。その点オンラインデートサービスと似ているといえば似ている。ユーザーの出会う恋人はこの場合テレビ番組ということになる。

しかし決定的成功を収めるには番組表とIPテレビとを直接リンクすることが必要だが、これには業界全体としての意識改革と法的な枠組みの見直しが必要になる。

以下に紹介するのはローカル、ケーブル、衛星を含めたオンラインテレビ番組表を提供する主要なサイトだ。MeeVeeZap2ItTitanTV はシンジケーションを行っており、他の多くのサイトからも利用できる。個別のケーブル、衛星テレビ局やサイトが専用のハード、ソフトによって提供しているサービス、たとえばSnapStreamなどは今回は紹介の対象にしていない。

TV Guide

テレビ番組ガイドの元祖ともいうべき存在だが、ウェブを始めたのは1997年に遡る。今、TVGuideは、一部はサイト独自、一部は紙版と共通のたいへん豊富な内容を提供している。編集部の記事に加えてファンによるブログも多数掲載している。個人による推薦によってユーザーの番組選びを助けるというのが基本的な方針。番組表部分には多少のカテゴリー別フィルタ(スポーツその他)が利用できるものの、番組表エンジンそのものはきわめて初歩的。これは私の偏見かもしれないが、このサイトにとって、少なくとも現状では、プリント版のTVGuideは足をひっぱるお荷物なのではないかと思えてしかたない。ブランドイメージの重要性も理解しているつもりだが、このサイトの最終目的は紙版の売り上げ増大で、ユーザーの番組選びを手助けするのはニの次とされている印象を受ける。

Meevee

MeeVeeガイドは昨年スタートした。ユーザーの番組選びを助けるという基本方針はTV guideと同じ。 TVGuideと同じく、MeeVeeも俳優、主題(サメ、とか)、キーワードなどで検索してユーザーが自分の番組表に付け加えることができる。しかしこのサイトでは他のサイトにない機能がある。MeeVeeでは、将来ユーザーの検索基準に合致する番組が現れた場合にユーザーに知らせてくれる。さらにライバルは無視しているインターネットテレビの番組も検索できる。現在さほど重要性があるように見えないかもしれないが、インターネットによってテレビ番組の概念自体(ユーザー発信型ビデオなどのように)ケーブルテレビなどとは比べ物にならないくらい拡大しつつある。TVGuideには何やら心理的な障害があってできないこと―ユーザーの関心があるインターネットテレビ番組のガイドに取り組むなら、MeeVeeはライバルを出し抜くことができるかもしれない。MeeVee はまたビデオコンテンツの提供もしている。ただライブラリーはまだ少ない。MeeVeeが戦略を強化するためにはコンテンツをさらに拡張し、このサイトの強みである番組ガイドとの一体化を図る必要があるだろう。

Zap2it

Zap2itはTribune社が所有している。このサイトでは番組表だけでなく記事にも力を入れている。ここでは単なる映画のリストだけでなく、Moviesセクション、DVDセクションに多くの記事が掲載されている。「これがオススメの見もの」という情報を提供するのがこのサイトの基本方針。Tribune傘下だけあって、プロが書く記事の質は高い。コミュニティー欄もあり、それなりのトラフィックを集めている。番組表の部分はしかし、紙版をウェブ上に移し変えただけという印象。色別に番組をジャンル分けしているのは見やすいが、イノベイティブというほどのアイディアでもない。 優等生的にまとまったサービスだが、これひとつという突出した特長はない。

Yahoo TV

Yahoo TV は番組表と記事のバランスがよい。Yahooは (Yahoo Financeにも見られるように)、データと記事を総合する技術に関して長い経験があるから、これは当然かも。番組表はYahooの検索技術を利用しており、分野、出演者その他によって検索できる。しかしユーザーの設定した条件に基づいて常時検索を続けて新しい番組がヒットしたら通知してくれるというMeeVeeの番組表の水準までは達していない。 記事内容は配信記事と独自記事のミックス。Yahooには新しいオンラインショー“The 9”がある。現在のウェブビデオとしてはトップクラスで内容はウェブオリジナル。どの番組見るか計画を立てるという面で優秀な点を含め、全体的なサービスではYahooが確実に他を押さえている。

TV.com

TV.com はCNETの事業部門。視聴者コミュニティー的な内容については群を抜いている。 TV.comのメンバーはレビュー、ランキング、フォーラムに参加することができる。コミュニティーへの比重が大きいことは、基本方針がよそのサイトと多少違うことを思わせる。TV.comでは、番組選びそのものより、自分が選んだ番組を見た他のユーザーとのコミュニケーションを図ることに重点が置かれている。このサイトは人気番組の放映の後でにぎわう。もちろん番組表もあるにはあるが、それがこのサイトの強みではない。強みはやはりコミュニティーだ。

TitanTV

TitanTVはデータやソフトウェアを放送業界に提供しているDecision Mark社が所有している。TitanTVは今のところ番組ガイドだけしか提供していない。ガイドのデザインはあまり見栄えがしないがたくさんの色を使って番組をジャンル分けしているのは一目見て分かりやすくて役に立つ。検索エンジンはMeeveeやYahooのレベルにまでは達していないとはいえ、ライバルの一部よりは詳しい番組検索が可能。 番組ガイドとしては可もなく不可もなしというところ。今のところはそれ以上付け加えるものがない。

要約

それぞれのサイトの機能を要約した表を下に作ってみたが、オンラインガイドの特徴は簡単に言えばこうだ。テレビ番組を見ようと思ったとき、ほとんどのガイドで予告篇や紹介のビデオクリップが見られる。番組内容の批評を読みたい場合、オンラインガイドもそれなりに優秀だが、伝統的な媒体の方が量的にまさっている。自分が関心のある分野の番組を探すのにはMeeVeeが一番。コミュニティー的な要素を求めているならTV.comが強い。番組表と番組批評のトータルな統合という点ではどれが特に図抜けて優秀ということはないが、Yahoo TVはユーザーインタフェースが使いやすく番組表と記事のバランスがよい。.

全体としてみると、これらのサイトは番組を探したり何を見るか予定を立てたりするのには紙版より便利なことはたしかだが、オンラインであることの可能性を十分に出し切れていない。この新しいメディアにはもっと完全な満足感、達成感が欲しい。もう一歩踏み出して、番組を見つけた後、それをもっと簡単に見ることができるようにしないとユーザーはサイトに長くとどまらないだろう。Yahooだけはサイト内からテレビを楽しむことについてある程度の満足感を与えてくれる。MeeVeeはいくつかのインターネット・チャンネルとリンクさせる試みをしているが、もっと直接にオンデマンド視聴や、オンライン放送(mlb.tv、mobiTvなど)、さらにユーザー発信ビデオなどを取り入れていくことが本当に役立つサービスとなるために必要だろう。

各サービスの比較は下記の表を参照。

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【日本版のひとこと】
Yahoo TV の”The 9″は番組紹介のビデオブログだが人気アンカーAmanda CongdonがいたころのRocketBoomみたいなノリ。テレビ番組だけでなくYouTubeの人気クリップだのウェブサイトだのも紹介する。今日の1位はなんとカワイイ子犬コンテストのウェブページ http://dailypuppy.com/ (nm)

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