Sellaband、クラウドソーシング(crowdsourcing)で無料ミュージック

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ドイツのスタートアップSellaband.comは一般群集の知恵と資金を有効活用し、質の高いインデペンデントミュージックをプロデュースし無料ダウンロードできるようにしようとしているサイト。成功の可能性はあまり高くなさそうだとはいえ、これは面白い企画だ。

方式はこう。まずバンドがサンプル曲をSellaband.comにアップロードする。バンドは自分のプロファイルページで精一杯プロモーションし、ファンから一口10ドルで資金を募る。資金が5万ドル集まったら実際にレコーディングが行われる。5万ドルが集まって[レコーディングが行われる]以前なら、ファンは投資した10ドルをいつでも返金してもらえる。レコーディングが実施されたあと、楽曲はSellabandのサイト上で無料で提供される。そして、サイト上の広告収入はバンドに60%, Sellabandサイトに30%、残りは雇われたプロデューサーとマネージャーに支払われる。ファンにはレコーディングされたCD1枚が無料で提供され、そのほかにバンドが任意に提供したいと思った特典がもらえる(コンサートチケットなど)。Sellabandは楽曲に対して12ヶ月の権利を有する。Sellaband側は多くのバンドが一口10ドル出したいと思う5千人のサポーター(”Believer”と呼ばれる)を集めることがきると確信しているようだ。

スタートから1週間たった現在、登録された130のバンドのうち、ほとんどは200ドルから500ドルしか集めていない。オランダのあるゴシックロックバンドは4500ドル集めている。Sellabandによれば5万ドルという目標はメジャーレコードレーベルと同等レベルの質の高い録音機材とサービスを確保するために必要な額として設定しているという。この5万ドルはサイトへはいっさい行かない。サイトが受け取るのは広告収入の30% のみだ。このサイトの運営者はメジャーレコードレーベルで働いた経験のある人たちで占められているが、彼らの仕事には感心する。われわれのような素人よりも上手にその5万ドルで品質の高いアルバムづくりができるという彼らの主張は信用してやってもいいだろう。

ウェブサイトのデザインはとても良い。プロファイルページのURLは分かりやすく、他のソーシャルサイトと協調動作させやすい。事実、このサイトのあるコメントは「Sellabandは音楽業界からMySpace世代をターゲットにしたゲリラ戦をしかける第一歩だ」と主張している。とはいえ、何千ものティーンエージャーに「お友だちリクエストfriend request」を承認させることはできても、クレジットカード番号を入力させてネット上のバンドの権利を一口買わせるのはまったく別の話だろうと思う。しかし僕が間違ってるかもしれない。もし、一口をもっと少額で払えるオプション(例えば携帯電話のテキストメッセージサービス経由での支払い)があれば、もっと成功の可能性は高くなるだろう。

たくさんのユーザーが一致して支持したバンドの音楽を無料で提供するサイトを作るという考えはかなりおもしろい。その結果、バンドのCDがもらえるというのはたくさんの人々が10ドルを投資するモチベーションになるだろう。もちろんユーザーはいつでも返金を申し出ることができるのだが、クレジットカードで払った10ドルを覚えていてわざわざ返金手続きを始める率はそれほど高くはなさそうだ。Grant RobertsonはDigital Music Weblog に Sellabandこそ彼が長年期待していたような仕組みだと書いている。ただしSellbandの戦略については、まだ評価を差し控えている。

僕はこの音楽まわりでの新しいビジネスモデルアイディアが気に入っている。大変気に入っているといっていい。先月MikeがAmie Streetという別のサービスを紹介したが、そのサービスではユーザーは個別の曲(track)を需要に応じた価格(無料かそれに近い額からスタートする)で購入することができる。また、システム内で曲を推薦したユーザーは推薦による販売の収益をシェアしてもらえる。2年後に実際振返ってみて、このふたつが(どちらかが生き残ったとして)実現可能なシステムだったかどうかを見るのが楽しみだ。

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