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ソーシャルメディアのトップユーザに報酬を。勢力は変わるのか?

オンラインショッピングではショッピングそのものではなく、何を買うか決めるためのリサーチに80%の時間が使われている。このソーシャルショッピングサービスの分野でいくつかのスタートアップが収益を上げようと努力している。

この分野のキングはCNET reviews。編集部による製品レビュー、たくさんの写真、構造化されたデータに加えてユーザーレビューも提供される。CNET Reviewsを直接のライバルとして5月にはYahooがYahoo Techをスタートさせた。私が製品をリサーチするときには、ほとんどこの2つのサイトで間に合わせてしまう。(しかし、どんな新製品が出ているのか情報を集めるために、ガジェト関連のブログを長い時間読み漁る)。もちろんCNETとYahoo Techはテクノロジー関係製品の専門サイト。

他のサービスもこの分野に参入している。「買いたい商品リスト」、「お勧め商品リスト」にしぼったサービスで、 ブログやウェブサイトの「買いたいもの」、「お勧め商品」を転載するためのツールのウェジェットをユーザーに配布している。KaboodleStylehiveYahoo ShoposphereMyPickListについてのわれわれの記事参照。まだ記事で取り上げていないが、Wistsもこの分野のサービスのひとつ。これらのサービスはテクノロジー分野以外の一般商品の分野にもレビューの対象を広げている。

これらのサイトの収入は(eコマースサイト経由の)アフィリエイト料、あるいは(それに加えて)Googleなどのオーガニック広告(コンテキスト広告)の掲載料。

さらに今度ロサンジェルスに拠点を置く ThisNextが始まった。ニューヨークタイムズ紙が紹介記事を、Jason Calacanisが推薦記事を書いている。(Jasonは以前ThsiNextのCEOの下で働いていたことがあるから、もしかするとそのせいで記事を書いたのかも)。

このサイトは今まで見た中でいちばん出来が良い。アイテムの分類、整理は明快だし、コメント、タグづけ、コメントへの評価などを通じてユーザーが意 見を投稿するのも、「欲しいものリスト」を追加するのもたいへん簡単にできる。商品を購入したい場合、ショップへのリンクもわかりやすい。 ユーザーは特にお気に入りのアイテムがある場合、ウェブサイトで紹介するウィジェットを作れる。細かいところまでよく出来たサイト。

ところが私はThisNextにも上で紹介したサイトにもあまり興奮しない。CNetやYahooといったビッグネームが編集部のレビューその他の記事とユーザーレビューを総合したサイトづくりですでにいい仕事をしているのに、新規参入組がそこから客を奪えるとは思えない。

ニューヨークタイムズ紙もJasonもテクノロジー関連ではCNETがすでにこの分野の大手だという事実に触れていない。NYTともあろうものが…Bob Tedeschi記者ははっきりThisNextに好意的な評価 (CEOがサーフボードを抱えて歩いている写真入りで)を下しながら、このサービスがなぜそんなに素晴らしいのかきちん説明していないように思える。

Jasonはさすがにその点を論じて、ThisNextは消費者の好むアイテムの最新トレンドを伝える役割を果たすことで成功するだろうと言っている。

ThisNextは“一種のティッピングポイント(Tipping Point)”のコンセプトを利用して現実のサービスを作り出している。たとえば、ThisNextがコミュニティーとして成長してくると、新しい人気商品 を最初に推薦したユーザーが分る。しばらくすると誰が新しい商品を見つけるのがうまいか、新しいトレンドを作り出しているか分かってくる

CNETは別にそんなことはしていない。単に商品をレビューし、サイトに掲載するだけだ。CNETは「この商品がこれから間違いなく人気が出る」などと言わないし、「このユーザーが人気商品を探し出すのがうまい」とも言わない。

ThisNextのようなサービスにもニッチがあるのかもしれない。しかし、特定分野に関して最新の、あるいは最良のアイテムを紹介するブログに 取って代わることはないだろう。同様に、既知の製品分野でどの商品を選んだらいいか調べたいときには消費者はCNETのようなメジャーなレビューサイトをやはり使うだろう。もしかするとどの商品がホットでどの商品はそうでないか決めるグループに属したいユーザーにはThisNextのようなサイトはアピールするのかもしれない。

このサイトに興奮したか? ノーだ。しかし朝の午前3.30だというのにこんな記事を書こうと思う程度には興味を引かれた。いや、もしかすると午前3:30分だから興奮できないのかも…よくわからん。いずれにせよ、このサイトがどうなっていくかに注目である。

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