不思議の国のDRMの一週間

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明日登場のモバイル新サービス”Newsgator Go!"

デジタル著作権管理 (DRM)は、今日のウェブ界においてキーとなる問題である。無料で飛び交うデータの恩恵と、コンテンツ制作者の商業的関心やコンテンツ保有企業はどうバランスをとっていくのだろうか。先週は、DRMに次々と重要な進展がみられたが、中にはかなりおかしなものもあった。

僕は権利保護の重要性についてはものわかりはいいほうだ(だって、スプログ[splog: 広告目的の悪質ブログ]がこのサイトをスクレーピング[scraping:ロボットを使ってブログ記事のコピーを大量に作る]するのには本当にアタマに来 ているし)。DRMは今やほとんどのケースで展開されているが、認めたくない気持ちでいっぱいだ。単に、僕が買ったファイルは僕のデバイスならどれでプレーしてもいいはずだということを議論したいだけなのだ。どうしてタダでコピーしてはいけないのか僕にはわからない。もっとすぐに終わる議論は、コンテンツ業界は見せかけの恐怖を押しつけたりせずに、もっと説得力のあるビジネスモデルを作るべきだということと、オープン化の重要性がイノベーションや協調を育てるということ。 しかしもう一方の主張にも説得力があるので、この件が簡単に片付くと思っている人はあまりいないだろう。

これから書くのは、たった今DRMに起きているトップニュース。前例は作られてきたし、新しいテクノロジーも出てきて、主要な提携が発表されている。今が将来に目を向けてDRMのニュースをウォッチするのに面白い時代だ。

Yahoo!とDisneyが1枚のアルバム全曲をMP3プロテクト無しで販売へ。
7月にJessica SimpsonのシングルをDRM無しで発売した後、Yahoo!は、Jesse McCartneyのアルバム”Right Where You Want Me” を近日中に全曲DRMプロテクト無しで発売すると発表した。アルバムはDisney配下のHollywood Records制作。今日(米国時間9/19)のVarietyの記事によるとYahoo!は、不法コピーを現実のことだと認めていて、非常に面白い実験をするべくゆっくりと進んでいるようだ。

ZuneはDRMでおかしなことに。MicrosoftがiPod対抗に名乗り出た発表は注目を欲びているが、このポータブル・エンターテイメント・システムがMicrosoft自身のWindows Media and Audio DRMテクノロジーでラップされたファイルをプレーできないことが話題になったのは、発表翌日になってからのことだった。ユーザーはZuneマーケットプレースからファイルを買わなければいけないことになる。これ でユーザーの忍耐力が試されることになるのは間違いない。Windows Mediaの巨大なシェアを考えると、Microsoftがこうと決めたルールでプレーしようというユーザーなら受け入れられるような、効果的な標準 DRMができあがるのかもしれない。しかし、正規に買ったファイルが最新のデバイスで使えなくなるという、この会社のテクノロジーの選択は裏切り、というより単なるドロボーに思える。

Zuneはクリエイティブ・コモンズのライセンスを無効に。
(update: ZuneInsiderにたった今掲載された記事にこの話題が取り上げられて、この話が真実だと書いたことは間違いだったと書いている)。先週、クリエーターがクリエイティブ・コモンズとしてライセンスしたファイルへのZuneのDRMの影響についても議論があった。Zuneは、こうしたファイルもZune独自のDRMでラップするというもので、これは権利者の意志にも、クリエイティブ・コモンズのライセンスに明示された条件にも反している。このライセンスはマシン・リーダブルなので、たぶん、いや、たぶんだけどMicrosoftは尊重するはず。そうでなければ、こう言ってやりたい。DRMがアーティストの権利を守るなんてデタラメだ! クリエイティブ・コモンズがどんな仕組みでアーティストのために働くかの基本については、何ヶ月か前に僕がクリエイティブ・コモンズのCTO、Mike Linksvayerをインタビューした記事を見てほしい。

勝てない時は訴えろ。
これもMicrosoftの話題で、同社は先週、ファイルからMicrosoft’s Windows Media Audio DRMを外すテクノロジーを提供しているサイトに対して、是正措置命令文書を送った模様。FairUse4WMと呼ばれるこのテクノロジーを、当初Microsoftは、WMA DRMを修正してDRM外しを無効にできるから、と問題にしていなかった。 しかし、最初のそれだけのために行った対抗策がFairUse4WMチームに一歩出し抜かれてしまったために、法的手段に訴えざるをえなくなったとみられる。今のところFairUse4WMがまだネットのどこにでもあるところを見ると、効果はでていないようだ。

YouTubeはビデオの中の著作権付音楽を見つけるツールを手に入れたと言っている。 YouTubeは今週、Warner Musicとの契約を発表。 この契約によってWarnerが保有する音楽ビデオがサイトに置かれ、YouTubeのユーザーは無料でWarnerの音楽を自分のビデオで使うことができるようになる。このアナウンスでほとんど触れられなかったことのひとつが、YouTubeがビデオ中の著作権付音楽を見つけるテクノロジーを開発したと 言ったこと。どういう仕組みなのか詳細は明かされていないが、同社によると著作権付音楽が使われていることを検知して、発生するロイヤルティを記録し、著作権者が望めば使用を中止させることもできるという。これはこれまでのYouTubeの悪名高い「聞くな、言うな」方針からの大胆な転換を示すもので、 まったく新しいオンラインメディア風景のはじまりになるかもしれない。

Napster売りに出る。 プレDRM時代の音楽ダウンロード界申し子、Napsterは買収間近の模様。

先週のDRMの話題で他にチェックしておきたいのは、Michael Geist’sの DRMの30日。これは政府がカナダのDCMAを導入するのであれば推奨しておきたい例外と制限についてのブログ記事の連載。他には、Real Networksがまた新しいDRMモデルRhapsody DNAを公開した。

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