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SocialTextが目指すwiki 2.0

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法人用wikiのベンダーSocialTextが今朝、同社製ソフトの2.0バージョンを発表した。標準wikiのインターフェイスへの大幅な見直しと、同社のwikiとのマッシュアップを可能にするREST APIのリリースなど、既存の顧客ベース以外の人たちにも重要な影響を及ぼしそうな変更も何点か加わった。

SocialTextは市場デビュー4年目。従業員30人、顧客2,000人超。 Draper Fisher Jurvetson、SAP Ventures、Omidyar Foundation、伊藤譲一氏、Reid Hoffmanなど錚々たるメンバーから投資を取り付けており、取締役にはWikipediaファウンダーJimmy Whales氏、Tim Draper氏、Joi Ito氏、SocialTextのRoss Mayfield氏らが名を連ねている。今回発表となった新バージョンのソフトウェアではこれまでSocialTextはじめ一般のwikiが一番頭を悩 ませてきた問題、つまりUIをあの最悪な状態からなんとか改善しようという工夫が施されている。つまり、今日発表となったSocialTextの新機能の 多くは「ローテクにもラクラク使えるUIの実現」を主眼に作られた。

ログインすると直ちにダッシュボードが起動し、そこで最新の変更点やウォッチリスト、ワークグループ全体の状況、共同作業スタッフが誰でも書き込めるホワイトボード(掲示板)の内容が確認できる。

サイト全体を自由自在に動けるようナビ機能とカテゴリー機能を完全装備。 タグ付けは候補タグを何点か自動的にサジェストしてくれるし、インバウンドリンクがあればこれをハイライトしてくれる。数あるUI改良点の中でも一番どう でも良さそうなのは全画面表示でページを編集できるようになった点。WYSIWYG GUIがあるおかげで初心者にもより快適にwikiが使えるようになったのはいいが、Web2.0のツールはテキストボックスを最小化して、その中で編集 を行うタイプのものが多いのでGUIのインパクトはそれほど。全画面表示で編集すると、まるでWordを使ってるような気分になるのは何故だろう。

UI改革の意味するところは何か。これからはSocialTextを使っても「wiki空間に閉じこもって作業をしている」という感覚を持たずに済む、ということだ。もっと普通の感覚でハイレベルな視点からwiki機能を使いこなすことができる。同社のscreencastでデモをご覧いただければ変更点は一目瞭然だろう。

APIについて
新規SocialTextでもう一つ注目に値するのがREST API。このリリースは。SocialTextのwikiを他の情報・サービスとマッシュアップしたい開発者にとってまさに朗報だ。このAPIを応用して オフラインのSocialTextクライアントを作った事例も既にあり、少なくともGoogle Mapsとのマッシュアップ1件が確認されている。SOAP APIもSocialTextから間もなく公開の予定。

APIはコンスーマー用wikiではもう珍しいことではないし(例えばPBWikiなんかも素晴らしい。因みにここは今週APIをリリースしたばかりだ)、 SocialTextのオープンソースのエンタープライズ用APIは同社がこれまでオンラインのコミュニティに貢献してきた数ある事例の最新のものに過ぎ ない。オープンソースのWYSIWYG対応ツールバーを世界に寄贈し(これを一から構築するには膨大なリソースが必要になる)、Mary HodderのSpeakers Wiki(テクノロジー系スピーカーと女性、カンファレンス主催者など紹介してくれるwiki)のような重要なプロジェクトに無料のホスト型wikiを提供する同社は、「もっと与え、もっともらえ」という倫理を地でいく企業と言えよう。

市場にどれだけの数のエンタープライズ用wikiがあるか、はっきりしたところは分からないが、wiki需要は来年MicrosoftとIBMの市 場参入が本格化するにつれ爆発的に増えるというのがMayfieldの見方。wikiのようなスタイルのオンラインのコラボ(共同作業)が一般に浸透すれ ばSocialTextは、wiki特化の事業展開と4年の実績、オープンソース技術、平明な価格構造でライバルに頭ひとつリードできる、そう Mayfieldは踏んでいる。これに今回はさらに使い易さが加わった。将来的にはREST APIを介してもっと多様なエコシステムが社外に形成されていくことも期待できそうだ。

他社もジッと眺めているわけではないし、wikiのUIがずっとしょうもない状態で永続するわけでもないだろう。だが、SocialTextはこの 4年ずっとオープンソースの種を撒いてきたわけだし、ライバルと言えども今からこの種を掘り返していくのは容易なことではないだろう。

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