YouTubeのマジックナンバー、$1.5B (15億ドル)

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NYPostのライター、Sam GustinがYouTubeに関しての記事を書いている間、私は数分間にわたって話を聞くことができた。記事はすでに仕上がっていて、ここで見ることができる。話を聞いていて最も興味深かったのは、YouTubeと買収について話しているある有名メディア企業のシニアエグゼクティブからの情報で、YouTubeは買収に応じる気はあるが金額は「少なくても15億ドル」でなくてはならない、という点だ。

ここ数ヶ月間、YouTubeの将来と見込まれるバリュエーション(企業価値)が話題になった。今日(米国時間9/20)、私がWashington DCで開催された“new new internet”conferenceのプレゼン中でも話したように、これは興味深いケーススタディ。結局のところ、YouTubeは強力なけん引力であると同時にとても微妙な立場にある。

良いニュース、莫大なサイトトラフィック

最初に、まずは良いニュースから。YouTubeは1日あたり1億以上ものビデオを提供、6万5千程度の新しいビデオが毎日アップロードされている。YouTubeを取り巻く状況はとても良いため、売却の予定はなく、IPOは「とてもエキサイティング」だろう、とファウンダーのChad Hurleyは述べたとされている。

YouTubeがビデオ閲覧数から、膨大な利益を生み出す可能性はある。一方、今のところ、同サイトでの広告はほとんどバナー広告に限られており、ビデオ内に直接広告を差し込むことは今後重要なビジネスチャンスとなるだろう。各ビデオの終わり(このスポットは明らかにユーザーの視点の在り処)に、シンプルな静止画像、またはビデオ(広告)を追加することは、簡単に確保できる収入源である。1日あたりのビデオビューが1億なら、例えば、100%販売(不可能だが、分析上便利)し1ドルCPMとした場合、1日あたり、10万ドルの収益を生むことになる。サイトが拡大するにつれ、収入のチャンスもまた増えるだろう。おそらく、YouTubeがまだビデオファイル内広告に参入していない理由があるのだろう。詳細は以下に続く。

悪いニュース、著作権侵害

1億ビデオビューというのは、子猫が眠りにつくビデオでもたらされている数ではない。YouTubeで人気のある大半のビデオは、著作権で保護されているもので、YouTubeはそもそもこういったコンテンツをはじめから公開すべきでないのだ。ミュージックビデオやSaturday Night Liveでの寸劇に限ったものではない。もし、誰かがBGMにあわせて踊っているというようなものも、やはり著作権侵害にあたる。

YouTubeは、ユーザーによって投稿されたコンテンツを単にホストしているだけなので、アメリカ国内法によってある程度の保護を受けている。 DMCA(デジタルミレニアム著作権法)に従い、著作権によって保護されているコンテンツをサイトから取り下げるよう求められた際そのリクエストに応じる限り、同社は法により保護されるということになる。だから、お気に入りとしてブックマークしておいたビデオが、次にアクセスした時には消えているということがしばしば起こるのだ。

YouTubeが現在直面している著作権に関する課題を改善するため、最近、著作権者と話しあう為に多大な努力を払い、いくつかの合意に達している。 とはいえ、Universal Music Groupは、YouTubeを“著作権侵害者”として非難しており、Mark Cubanも他と同様、アンチYouTubeの流れに断固として加わったことが明かになった。

さらに問題を面倒にするのが、DMCAによる保護は絶対ではないということ。YouTubeが著作権で保護されているコンテンツを含むページに広告掲載した際(ここを見てほしい)、DMCAによる保護を失うというリスクを侵すことになる。YouTube関連でのDMCAの影響についてはここを見てほしい。

いったいこれは何を意味するだろうか? つまり、収益面で大々的に成功しようとするなら、著作権者の合意を得ないといけないということだ。

YouTubeは売却される可能性はあるのかどうか?

もちろん、ある。

YouTubeは著作権に関するトラブルに関し、適切な契約を権利保有者と交わし、真の収益と利益をあげるまで、株式公開を考えることさえできない。それは、まだ遠い先のことになるだろう。その間、誰かがもし15億ドルを申し出たとしたら・・・。

ところで、少なくても1つの実例と比較すると、このバリュエーションが法外だということはない。最近のソニーによるGrouperの買収額が6500万ドルだったことを考えると、トラフィック面でみればYouTubeのバリュエーションは20億ドルにのぼるとも見られる。YouTubeが15億ドルを手にするのはそんなに遠い先のことではないかもしれない。だが、それにはまず、知的財産権に関する争いに関して強い意志を持った買い手を見つけること、さらに堅固な法務チームを見つけることが先決だ。

私たちのYouTubeに関するこれまでの記事はここ。

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