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比較記事:地図サービスを比較する

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VOIP―ディテールで興ざめ

編集部注:これは日本語版公開前2006年4月17日に掲載された記事です。

オンライン地図は昨年(2005年)長足の進歩をとげた。Google Mapsが参入し、衛星画像を付け加えたことで一躍注目を浴び、地図の分野で長年リーダー格だったカラフルで漫画的なMapquestの強力なライバルとなった。Google MapsのAPIが公開されたことで、ディベロパーは他のサービスとのマッシュアップによって新しいアプリケーションを作ることが可能となった。これによってGoogle Mapsはメインストリームのユーザーの間にブランドを確立した。 Microsoft、Yahooなども急いでこれに続いた。

Googleはなるほど人気があるにはあるが、地図サービス中、訪問ユーザー数で1位というわけではない。Yahoo Mapsと事実上同率首位 (新しいYahoo Mapsサービスについてはここにわれわれの記事)だ。Comscoreによると、3月、Google Mapsには1910万人のユニーク訪問者があり、同時期のYahooは2000万人。これに対して3月のMapquestは、なんと4640万人のユニーク訪問者があり、YahooとGoogleを合計したよりも多い。

Google Maps、Yahoo Maps、Mapquestに加えてAsk MapsMicrosoft Windows Live Localも優秀な内容を提供している。現在提供されているこの5つのサービスを取り上げ、機能と使い勝手を比較検討してみた。以下に機能別の比較を述べる。

ベストは? いろいろな理由からYahoo Mapsがベストだ。詳しくは以下に。

ビュー

すべての大手地図サービスは、Mapquestを例外として、衛星画像を含め、複数の地図表示のオプションがある。Mapquest以外のサイトは地図に衛星画像を統合している。Google、Ask、Yahooは衛星画像だけを表示できる。Windows Live Localは鳥瞰図(birds’ eye view:航空写真を斜めから見られる)という地図に3次元の奥行きを付加する面白い技術的試みを行っている。見た目は派手だが、実用性よりむしろ話題づくりに価値があるようだ。

ズームのチャンピオン

ズーム機能はほとんどの地図サービスにおいて目立つ機能として提供されている。Ask、Google、Windows Live Localの3つがズームに関しては同率首位。われわれのテストはこうだ。地図上の特定のランドマークにできる限りズームインしてから5つのサービスでどれがもっとも詳しい表示となっているか比較した。こういう問題に関しては百聞は一見にしかず。下の結果をご覧いただきたい。

ユーザーインターフェースと機能

Yahoo Mapsは基本的なドライブ案内情報(訳注:カーナビ的機能)の提供ではベストのサービスだ。Flash利用のインターフェースでは複数の目的地の設定リアルタイムの交通情報の双方がサポートされる。案内情報を携帯で読みたい場合には、ボタンをクリック、番号を入力するだけでいい。それとYahooのインタフェースはレスポンスがたいへん速い。これらの点を総合するとYahooがパーソナルユースのサービスとしてはベストだ。
Ask Mapsは複数目的地の設定ができ、Mapquestは案内情報を携帯に送信できる。しかし双方をサポートしているのはYahoo以外ない。またリアルタイムの交通情報の提供もYahooだけだ。

Ask MapsのレスポンスはYahooやGoogleに比べるとやや遅い。Ask.comは案内情報で全経路をアニメで見せるAuto-Driveという面白い機能をフィーチャーしている。残念ながら、Ask.comは今回のテスト中、案内情報に間違いがあった唯一のサービスだった。

Window Live LocalはA地点からB地点へのルートを他のサービスのように線で表示してくれない。これでは実際の経路がどれなのかいささか見にくい。逆に、このサー ビスは画鋲機能があり、ユーザーが選んだ地点に画鋲を表示することができる。これにはソーシャルな風味もつけられていて、scratch padという別の機能を利用して、画鋲を刺した地点を保管したり、他のユーザーと共有したりできる。

API

APIの公開はマーケティング戦略上、不可欠の要素になっている。公開されたAPIに基づいて製作されたマッシュアップはネット上の無料の宣伝となるし、ウェブ2.0サービスとして口コミにも乗れる。Mashupsを別にして、一般の商業目的のサイトに利用されても同じ効果が得られる。

Googleがもっとも人気があり、NingCommunityWalk他多数のサービスに利用されている。GoogleのAPIはベストとは言えないが、マッシュアップに使われている数としては圧倒的に最大だ。ただしこれも時とともに多少変わりつつある。YahooはマップAPI開発における選択肢がいちばん広い。(FlashとAjaxの双方をサポート)。また最近ファジー数学を利用したZestimates(訳注:不動産評価サービス)のZillowがWindows Live LocalのVirtural Earth APIを通じて比較的新しい鳥瞰図提供の試みを始めた

Mapquestも最近オープンAPIを始めた。さらにこのAPIを利用した製品のコンテストを開催するなどディベロパーに採用を働きかけている。AmazonのA9 Map BetaはMapquestを利用した注目すべきサービスだ。これは詳細なレベルの街路図の上に実際の町並みの写真を表示するというユニークな地図表示のエクスペリアンスを提供している。

Yahooはソフトをダウンロードせずにウェブ表示可能なモバイル機器で利用できる唯一のサービスだ。Google LocalのMobile Betaは無料でダウンロードできるソフトだが、全ての機器、電話会社で作動するわけではない。 Mapquest Mobileは有料サービスで月3.99ドルから。しかしこのサービスも作動しない機器や電話会社がある。

要約

Mapquestはもっとも訪問者の多い地図サービスだが、機能と使い勝手で劣る。Googleはもっとも目立つ存在で、あらゆるところでそのAPIが利用されているのを目にする。Windows Live Localは3次元ビューのクリエーティブさが光っているが、ライバルと比べて機能的には今一歩。Mapquestはさまざまな機能を提供しているが、依然衛星画像がない。この重要な点でライバルに遅れをとったままだ。Ask Mapsも重要な存在だが、このグループの中でエラーの率がもっとも高かった。

テストしたサービス中では、全体としてYahoo Mapsが断然すぐれたアプリーションだった。 Flashによるインタフェースは高速で、複数箇所の検索、リアルタイムの交通情報、簡単に携帯へ転送できる機能など、誰が見ても地図サービスのチャンピオンといえる。またYahooのAPIはもっともエラー率が少なかった。

【日本語版コメント】
日本国内で展開されるサービスを列記してみました。

Ask.jp 地図検索 :昭文社と提携。地域情報を検索する 「ジモナビ」β版や携帯用サイト検索サービス「Ask M タウン」もあり
リクルート スゴイ地図 :新感覚の地図。ガイドブックを見るようにして閲覧できるFlashとアニメーションを駆使したインターフェース
Googleマップ : フリースクロール地図の元祖。衛星写真あり。ゼンリンと提携
マピオン : 国内地図としてはユーザー数最大。標準でフリースクロール
livedoor地図情報 : フリースクロール版あり。道路ルート検索・タクシー料金計算(taxisite http://www.taxisite.com/と提携)あり。その他機能充実
MapFan Web : インクリメントP社の運営 有料版を含め関連サービス多数
ヤフー地図 : フリースクロールはベータ版で提供、鉄道路線乗り換え案内あり。アルプス社と提携
Goo地図 : ゼンリンと提携
ちず丸 : 昭文社マップルと提携
MSN マップ : MapFanWebと提携
Nifty地図 : ゼンリンと提携

評価:Googleマップ日本版はいかにもまだベータ版。地図/衛星写真を表示する以外の機能は使いやすいとはいえない。マピオンの地図は表示が見やすく、フリースクロールも速い。派手な機能はないが手堅い。ライブドア地図は意欲的。機能豊富でインタフェースもよく考えられている。道路ルート 検索、タクシー料金計算は出色。

アップデート: 9月26日Googleマップ日本版に新機能が追加された。左クリックで拡大、右クリックで縮小でき、また「地図」(以前の呼称は「マップ」)と「航空写真」(以前の呼称は「サテライト」)を同時に表示できるようになった。

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