.Mac ウェブメールはなぜ重要なのか

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Google Reader、新バージョンでパワーアップ

今週初め、AppleはMacユーザーのための新しいWEBメールが近くリリースされると発表した。ブロゴスフィアではこれについて多少の反響があったが、多くは「ダメサービスの.macに今更ペンキを塗りなおしたところでどうということはない」というものだった。長年.macについていろいろ文句を言ってきたOm Malikでさえ、大喜びするかと思いきや、このバージョンアップには「これを機に改善が進むことを期待する」という冷たい態度だった。

たしかに.macはAppleでいちばん使い方の難しいサービスだし、改善の余地は大いにある。しかしながら、今回の改善はある観点からすると大いに意味があると思う。ユーザーが複数のメールアカウントにアクセスできるAjaxベースのウェブメールサービスは現在ほとんどない。.Macは初のそのようなサービスになりうる。

ウェブメールサービスこそAjaxの威力を十分に発揮できるアプリケーション分野だと思う。その理由は、われわれは毎日信じられないほど長い時間を メール処理に費やしている―私の場合は1日3-4時間―からだ。これほど長い時間がかかっている場合、ほんのわずかの生産性の向上でも大きな改善となりうる。

何年も前にOddpostで見たとおり、Ajaxはウェブメールに大きな違いをもたらしうる。Oddpostはデスクトップメールアプリケーション の機能をウェブ上にコピーするためにjavascriptを利用する点でパイニオアだった。また初のAjaxアプリケーションのひとつでもあった。ユー ザーはメールをドラッグ&ドロップでフォルダに振り分けることができたり、ページ全体を更新せずにメールを開いたりできた。こういう機能はたいへんな時間の節約になる。このサービスに限界はあった(WindowsマシンのInternet Explorerのみサポート)が、Yahooは2004年にこれを買収して、新しいYahoo mail ベータ版 (ここで試せる)の基礎とした。

現在他にもAjaxを利用したメールサービスはある(GmailにはいくつかAjaxを利用した機能があるが、ドラグ&ドロップ機能はない。Live.comメールはよくできているが、たいていの場合遅い)。しかしYahoo以外どれも他のメールアカウントにアクセスすることはできない (その点、Goowyは複数のメールアカウント にアクセスできる優秀なFlashベースのメールサービスだ)。Gmail.comを使うとGmailしか読めない。Live.comも同様だ。 GmailやLive.comメールアドレスから他のアカウントへメールの転送はできるが、複数のメールアカウント、エイリアスの管理を行うことはできな い。これがデスクトップのOutlookやMac Mailの機能に比べた場合、ウェブメールの大きな欠点となっている。

ユーザーが求めているのは、、メールに関するリッチ・インターネット・インタフェースだ。4つのメールアカウントがあれば4つの異なったインタフェースを操らねばならないのでは困る。YahooとAppleにあってGoogleとMicrosoftにないもの、それはユーザーを囲い込もうと思うなら、ユーザーに自分のサービスだけでなくライバルのサービスへもアクセスを許すことだという観点だ。Gmailは、純粋に機能としてみれば、無料のインターネットメールサービス中でベストだ。しかしインタフェースはベストではない。ベストはYahooだ。そして今や AppleがYahooのメールに関するオープンなアプローチに加えて、デスクトップクライアントとの同期機能を実現しようとしている。多くのユーザーが これには引き付けられるに違いない。

.Macウェブメールは複数メールアカウントへのアクセスとリッチなAjax機能を併せもつことになる。現在これを実現しているのはYahooだけだ。しかも.Macの場合はデスクトップクライアントと同期する (Yahooの場合もちろんそういう機能はない)のだから、これは完全にエンド・ツー・エンドのソリューション。今まではそれに近い機能を得ようとするならOutlookにエクスチェンジ・サーバを用意するしかなかった。

これはAppleにとってWindowsマシンや、Gmail、Yahooメールなど既存のウェブメールに対する優位なプラットフォームづくりへ向けた重要な一歩だ。このリリースに大いに期待している。

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