TechCrunch、FuckedCompany.comを買収する

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明日われわれは “Pud”ことPhilip KaplanのFuckedCompany.comのすべての資産を株式の提供によって買収したことを発表する予定。契約の基本的内容は今夜(米国時間3/31)太平洋時間午後9時に解禁されるプレスリリースに含まれている。Pudもこの取引について個人のブログで触れている。われわれはあと1週間ほど後で発表する予定だった (CrunchNoteでほのめかしてはいた)が、すでにあまりに多くの人々が秘密を知ってしまい、ニュースがリークし始めた (WiredCNETの記事を参照l)。私はまたしても他のサイトがわれわれについてのスクープを掲載するような目にあいたくないので、週末ではあるが、公式発表を行うこととした。

われわれは数ヶ月にわたって交渉を続けてきたが、幸いにも最終的合意に達することができたので、以下のとおり発表する。

FuckedCompanyは2000年以来、ドットコムバブルが破裂した後、失敗し、あるいは困難に陥った会社について独特の辛口なスタイルで情報を提供してきた。ローンチ1年後にはFuckedCompanyは多数の読者を集めてメインストリームメディアの注目を大いに集めるようになっていた。しかし、スタートアップ企業の状況が改善した2004年にはこの注目も大部分失せてしまった。しかしこのサイトにはこの独特の偏ったニュースを愛好して、毎日毎日読みくる多数の熱心な読者がいた。ピーク時にはFCのユニーク訪問者は400万にも上っていた。

FCはスタートアップのネガティブな側面に焦点を合わせているのに対し、TechCrunchはポジティブな側面を主として取り上げる傾向があるので、この組み合わせは一見奇妙に思えるかもしれない。しかし実際、両者は理想的に相互補完的なのである。たとえば、読者層を考えてみよう。両方の読者にほとんど重複がなく、サイズもほぼ等しい。ということは合併すればただちにトラフィックを2倍にすることができるのだ。

合併の理由

マーケットには周期的な動きがある。われわれが現在のブームの終末期にいることは (最近これと違ったことを言ったかもしれないが、無視して欲しい)明らかだ。この1年半の間に数千のスタートアップがローンチし、10億ドルをはるかに超える金額が投資された。好調期でも90%のスタートアップは失敗に終わる。しかし最近の動向を検討すると、10%の成功率さえ、今後維持していくのは難しいという結論に達した。最近の注意を要するトレンドというのは、

  • 頭のいい人々が現在のブームの終わりは近いと予測している。これらの人々は、予言をめったに外したことがない。たとえば、Peter Ripの最近の記事Web 2.0 – もうすっかり終わりだがある。Peterの分析は完璧で、彼の結論に逆らうのは難しい
  • われわれが失敗したスタートアップを記録しているTechCrunch DeadPool入りする件数が指数関数的に急増している。この率で失敗率が急増していけば、失敗企業の数が新しく資金調達に成功するスタートアップ企業の数を上回るときがやってくる。スタートアップの10に9は失敗するのだから、ネガティブ情報に特化することではるかに大量のコンテンツを提供することができる。
  • なるほどたくさんスタートアップがローンチしているが、最近本当のイノベーションを全く見ない。2004年-2005年ごろのびっくりさせられるような要素は消えてしまった。将来の予兆は暗い。もう新しいものは何も発明されないだろう。
  • 最近TechCrunchのコメント欄にはネガティブな意見が以前に比べてはるかに多い。われわれの読者には不満があり、編集方針の転換を求めている。

さらに最近のブログ界では、Valleywagが典型だが、ネガティブ情報第一、取材はその後、というのがトレンドだ。このタブロイド新聞スタイルのジャーナリズムは読者の注目を引きやすく、その結果広告主から金を引き出すのにも役立つ。これではわれわれはかなわない。FCを買収することでわれわれは必要とあらば誰よりも早くネガティブ情報を配信することができるようになるのだ。

われわれ2社のコンビネーションにより、スタートアップを、単なるアイディアの段階から吹聴と資金調達、そして必然的な倒産と清算に至るまで、すべての段階を完全にカバーすることができる。

期待してもらいたい

完全な統合には時間がかかるだろう。FuckedCompanyサイトはすでに統合について告知を行っており、近々TechCrunchらしいルック&フィールを実現すべくアップグレードが行われる予定(現在の赤と黒に代わって白の背景が採用され、フォントとスタイル、そしてロゴも変更される)。しかし当面は2つのサイトは独立のまま従来どおり運営を続ける。深いレベでの統合はさらに時間をかけて実施される。

未だに新しいスタートアップの記事を楽しんでいる読者も多いので、われわれはそういった記事を止めるつもりはない。しかしわれわれはスタートアップの記事を次第に二の次にして、新しいブログへと変身していくだろう。TechCrunchとFuckedCompanyの内容はやがてお互いを映す鏡となり、適切な時期が来れば2つのブランドは統合される。

読者のフィードバックを求む

将来にわたって読者を惹きつける魅力ある内容を提供していくためには、状況に応じて常にビジネスモデルを修正していくことが重要である。このことが今回の決定の主な理由だ。われわれは一時代の終わりを目撃しているのであるから、これに対応をしなければならないのである。

この理由づけにすべての読者が納得するわけではないだろうと承知している―なにしろ大きな方針変更が出し抜けに行われたことは認めざるを得ない。私はこの買収合併が上品かつ適切に行われるよう、読者のフィードバックを期待する。コメント欄を利用するか、あるいは私個人宛にメールを送られたい。(私のアドレスはAbout ページにある)。私は読者の考えをぜひ聞いてみたいと思っている。

2005年6月にTechCrunchがローンチしたときは新しいスタートアップを専門にウォッチするブログは存在しなかった。ほぼ2年経った今、スタートアップをフォローする数十のサイトが存在し、メインストリームメディアの注目も著しい。新しいアイディアをもった起業家は自らの潜在的ユーザーや顧客に訴える新しい方法を考え付くものである。しかし彼らはもはやTechCrunchだけを当てにしてはならないだろう。

アップデート (3/31/07 2:52 PM 太平洋時間): プレスリリースの全文を早く読みたいというリクエストが多数よせられているので、公式なプレス発表は明朝となるが、下に掲載することにした。まだ草稿であることに留意されたい。

TECHCRUNCH、FUCKEDCOMPANYを買収

月間読者数は倍増、さらなる事業拡張のチャンスも

カリフォルニア州、ATHERTON 2007年4月1日 ― TechCrunchは今日、ドットコム企業の失敗を報道するウェブサイト、FuckedCompanyの資産を買収することで合意に達したことを発表した。この取引では、fuckedcompany.comのドメイン名、サイトのコンテンツ他、あらゆる関連する業務の資産が買収対象に含まれる。

両サイトの統合が完了した暁には、現在のTechCrunch.comと比較して月間ユニーク訪問者数はおおむね倍増するものと予測されている。

FuckedCompanyのファウンダーであり当初の編集者であるPhilip Kaplanは、「TechCrunchチームに加わることができて興奮している。TechCrunchが新しいテクノロージーとスタートアップの世界を紹介し、Fucked Companyはそれらが失敗した場合を紹介している。われわれが連合するのは自然の成り行きだし、こうして両者が力を合わせれば、今後の経済の予測がどうであろうと、注目を集め、成長を続けることが可能だ」と語った。

TechCrunchのファウンダー、Michael Arringtonは「FuckedCompanyと共に仕事ができることをうれしく思っている。FuckedCompanyはWeb1.0時代の浪費を報道し、起業家とベンチャーキャピタリストに市場のサイクルを常に思い起こさせるのに役立ってきたサイトだ。Web 2.0のブームが下り坂に向かっている現在、われわれは買収や上場によって現金化できる見込みがないスタートアップの紹介に力を集中していく”」と述べた。

契約はすぐにも調印される見込み。詳細な続報はwww.techcrunch.comとwww.fuckedcompany.comに掲載される。

TechCrunchについて

TechCrunchは2005年に創立された。新しいテクノロジー系スタートアップに関するニュースと分析を提供するブログを始めとするウェブネットワークである。TechCrunchネットワークには月間150のユニーク訪問者と400万超のページビューがあるTechCrunchネットワークには、新しいウェブスタートアップに焦点を絞ったTechcrunch.com、ハイテクガジェットを専門に扱うCrunchGear.com、モバイルc技術を専門にカバーするMobileCrunch、TechCrunch.comの日本語版とフランス語版、求人掲示板のCrunchboardなどが属する。

FuckedCompanyについて

Fuckedcompanyは2000年4月に創立されたメジャーなニュースサイトで、ドットコムバブルの破裂を専門に報じる最初のウェブサイトとなった。ピーク時には月間400万のユニーク訪問者を数え、YahooとRolling Stone2000年の「今年を代表するサイト」に選ばれた。さらにTIME誌の「2000年のベスト」の6位にもランクインしている。

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