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ドイツWeb 2.0事情―イノベーションはコピペ止まり、それとも?

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OurFaves―シティーガイド検索とクチコミを融合

germanweb2logo.png先週、ドイツの数あるTwitterクローンのひとつ、「Frazr」を紹介した(詳しい比較をしたい人は、SloggenWamaduFaybl1youなどを見てほしい。どれもが3月か4月にローンチしたばかり)。FrazrはドイツWeb 2.0事情の徴候を示すものだが、世界の動向をもっと理解してもらうために、この記事を皮切りに、世界のWeb 2.0の地域プロフィール紹介をシリーズ化したい。では、ツアーのスタートはヨーロッパ最大のブロードバンド人口の国、ドイツをじっくり見るところから。

話題先行 vs 迷い
今週「Pewインターネット調査」がアメリカ人のWeb 2.0観に関して議論を巻き起こしたのと時を同じくして、ドイツ国内でのこの現象ついて似たような論争があった。ドイツは長い間、ブロードバンドの普及でスウェーデンやノルウェーをはじめとするヨーロッパ諸国に遅れをとってきたと考えられてきた。ところが、最新のOECDの調査の結果は全く違うもので、人口当たり普及率ではなく、世帯数でみると、ドイツの2006年12月現在の契約数は1410万世帯で、ヨーロッパ最大だ(英国が1290万、フランスが1270万でこれに続く)。つまり、人はいるのだが、さてどこに行ったらいいのか。

「Web 2.0」という名前は世界中で美しく翻訳されているが、これを使っているサイトの多くには国外ユーザーにとって言語の壁がある(例えばMySpaceのドイツ語バージョンローンチしたのはついこの3月のことだ)。

ドイツ人にとって英語は知らない言葉ではないが、それでも浸透はしにくい。普及の原動力となるネットワーク効果は言語とリーチ数に大きく左右される。その結果ドイツでは何が起きたのか。ドイツの真似っ子たちが、雨後のタケノコの如くアメリカのお手本を見て、ローカライズをはじめた。中には画像の1ドットに致るまでそっくりなものもある。

コピー & ペーストによる革新
ソーシャルブックマーキングから、写真の共有、ビデオの貼り付け、学生ソーシャルネットワークまで何でも、ドイツの賢い起業家が翻訳してくれている。中にはかなりうまくいっているところもある。

断トツでいちばんの例がStudiVZで、この名前は「Student Directory」(学生名簿)」という意味から来ている。2005年にローンチして、現在210万人のユーザーを抱える。山ほどのセキュリティ問題やトラブルがありながらも、新規ユーザーは入り続けているところをみると、どこの国でも学生ネットワークの需要は大きいということだ。今年1月にはドイツ版「ミニYouTube」劇が繰り広げられ、StudiVZはドイツのメディアグループHoltzbrinck Groupに8500万ユーロ(1億ドル)で買収された。

studivzprofile.pngこの画面イメージに見覚えがある人なら、初期のStudiVZのサイトのファイル名が、fbook.cssやpoke.phpだったと聞いても驚かないだろう(FacebookはStudiVZに話を持ちかけていたが、プラットホームの拡張性とセキュリティの問題で決裂。今は独自にやる方向。どんどんケンカしてもらおう)。

もうひとつの成功事例はXing(旧 OpenBC)、LinkedIn風のビジネス向けネットワークだ。2006年12月、Web 2.0企業初の上場を果し、現在フランクフルト株式市場で取引されている。2003年11月にローンチしたXingのドイツのビジネス業界での急成長は、この国のビジネスネットワーク文化があまり進んでいないことから、意外なことと受け止められた。現在このサービスには200万人のメンバーがいて、その13%はプレミアムメンバーとして月間5.95ユーロを払っている。2006年の収入は1000万ユーロで、株式市場でのXingはやや元気がないが、本当の勝負はXingとLinkedInの両方が元の市場規模を超えてからだろう(LinkedInは登録ユーザー900万人で、2006年の収入が$10M(1000万ドル)。最近さらに$13M(1300万ドル)を調達した

米独Web 2.0辞典
アメリカ ドイツ
Web 2.0 Web Zwei Null
YouTube Sevenload, MyVideo
MySpace  UndDu
Flickr  Sevenload, Photocase
del.icio.us Mister Wong
Yelp  Qype
Facebook  StudiVZ
Digg  WebNews, Yigg
Blogger, LiveJournal  blog.de, twoday.net
Meebo  Mabber
Etsy  Dawanda
Cafepress  Spreadshirt
Slide  imageloop
Flixster  MoviePilot
Twitter  Frazr, Wamadu, Sloggen, …

明るい話題― 次に来るのは
もちろん、創造的で革新的なスタートアップだっている(それに、ユーザー数が何百万人になることも、それ自体やっぱり快挙だ)。イメージを把むために、Plazes(現在TechCrunchのスポンサーの1つ)とSellABandについての以前の記事を見てほしい。さらに先週には、期待のオンラインマインドマッピング協業ツールMindMeisterもローンチした。他に押さえておくべきサービスに、求職とサービスの逆オークションサイトとして成長中のblauarbeit.deがあるが、これのアメリカ版で成功したものはまだみていない。

ひとことで言えばドイツは今、行ったり来たりしている状態で、スタートアップにとって最大の問題は、このあり余るそっくりさんのうちどれほどが来年まで生き残るかということ。よく聞く話が、インベスターは「アメリカで証明されていない」アイディアには投資しないということだが、この国では他の要因も働いている。ドイツは概してリスク嫌いで、官僚の腰は重くて、シリコンバレーのような起業家ネットワークは育っていない。

それでも、今ドイツのビジネスエンジェルとメディアグループ(Holtzbrinck GroupBurdaAxel Springer)は猛烈な勢いで投資したがっているが、インターネットユーザーの大半は、今あるeBayやGoogle、Wikipedia、オンラインニュースサイトなどよりいいものがやってくるとは信じていない。

一方、ドイツをはじめとするヨーロッパのスタートアップはモバイルアプリケーションにひと工夫することにかけては先を行っているので、この分野でのイノベーションには期待できる。この大陸は高度なデータ網が覆っているし、イギリスでは固定料金プランが手頃な価格で提供され始めている。IPTVも、2010年までにドイツだけで260万契約を見込んでいるので、何か新しいことが起こるかもしれない。

それまでの間はFacebookとStudiVZの殴り合いがどうなるか見守ることにしよう。 ;)

面白ネタ: Googleのドイツでの検索のシェアは92%近い。そう、ここでも「ググる」と言っている。

Greg HochmuthはHasso Plattner Ventures在籍のアナリスト&起業家。zoo-m.comと、個人ページdotgrex.comを持っている。

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