Entropia Universe、Second Life改良版バーチャル・ワールド?

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entropia.png誰の意見に耳を傾けるかにもよるが、バーチャル・ワールドが流行の定番になった。Second Lifeとは何かという紹介はもはや不要だ。それに、昨日(米国時間5/16)にはSonyとClub Penguinの間で$500M(5億ドル)を超す規模で買収についての話し合いが行われているといううわさがたった

今のところ、オンラインでのバーチャル・ワールドをリードしているのはこの2サービス。「World of Warcraft」は比類なき成功を収めている。「Dungeon and Dragons」スタイルのファンタジーロールプレイングゲームを800万人以上のプレイヤーに提供。対照的なのが資本主義と知的財産権についての思想を取り入れた「Second Life(セカンドライフ)」だ。

もし、両者を融合したらどうなるのか?

それがEntropia Universeだ。

SFでの未来空間という設定で、プレイヤーは、未踏の惑星「Calypso」の開拓者という役割を担い、様々な分野でのゲームプレイができるようになっている。「World of Warcraft」スタイルを好む人はクエスト(探求)を引き受け、狩猟を行ったり、モンスターたちと戦ったりするためのグループに参加できる。もし、刀剣を振り回すのが好みでないなら鉱物採掘なども用意されている。Second Lifeよりの経験と思えるものもいくつかある。プレイヤーはバーチャルショップを所有、経営でき、グッズの生産を行える、など。他にも、土地の所有が可能だし、自分の所有地にビルを建てられたりする。また、制作したグッズやサービスは交換や売買可能だ。

加えて、Entropia UniverseがSecond Lifeの直接的ライバルになるだろうという理由は「マネー」。Second Life同様、Entropia Universe内での仮想通貨はUSドルに換金できるのだ。価値の下落が続く(Second Life内での仮想通貨)Linden Dollarとは異なり、Entropia Universe内での仮想通貨PEDは、10 PEDにつき1USドルという固定のレートで換金される。

プレイヤーたちはEntropia Universe内で利用する目的でPEDを購入可能、あるいは同ワールド内で得たPEDを実世界での通貨へと換金することもできる。

しかし、Entropia Universeには、単に現金を現実の世界とバーチャル・ワールド間でキャッシュを出し入れできるという以上のものがある。MasterCardからのATMキャッシュカードがプレイヤー対象に発行され、これを使うと同仮想空間で得た通貨を直接引き落とせるというのだ。さまざまなねずみ講まがいの詐欺が横行している点などが荒っぽい西部開拓時代を思わせる規制の無いSecond Lifeと異なり、Entropia Universeではバンキング(銀行取引)は真剣に受け止められている。最近は、バンキングライセンス5件を合計40万4千(USドル)という驚くべき金額で最近販売した。

記事としては全く聞こえの良いものだが、実際にプレイしてみてどうなのか?

サインアップは無料だが、ユーザー情報入力は必須。虚偽の情報を入力することもできるだろうが、Entropia Universeが、「ユーザーが誰なのか」について知りたいと思っているのは確かだ。

もし、Entropia Universeについてインストールの手順だけで(善し悪しを)判断したら、登録ユーザー50万人を遥かに下回る登録数となっただろう。というのも、何ともひどいものだからだ。Windowsのみ対応のクライアントアプリのサイズは1GB以上。そして、たった一つのサーバーからFTP利用でのダウンロードが可能。もし、ようやく何とかサーバーに接続できたとしても(私の場合この時点までに数時間が経過)それから、恐ろしく長い間ダウンロード完了を待たなければならない。当初、私が得たベストの記録は2MBのケーブル接続でダウンロード20kbs、ちなみにダウンロード所要時間予想は17時間!だった。これについてはタイミングも原因の一部だったかもしれない。ヨーロッパ時間(同社はヨーロッパに拠点を置く)で日中にあたる時間帯にもダウンロードを試みてみたからだ。TechCrunchのライターNick Gonzalezは、ヨーロッパで夜間にあたる時間帯にアメリカからダウンロードを行うのに4時間かかったとレポートしている。

一晩ぐっすり眠った後、やっと(ダウンロード終了し)アプリを入手した。

ログインはシンプルだが設定には注意が必要。私の場合、実際のインターネット接続スピード接続よりもずっとスローな接続スピードに設定するまで、接続が切れてしまうという問題が継続的に起きた。

途方に暮れるほど豊富な一連のオプションを利用して、ユーザー/プレイヤーはアバターを設定しなければならない。Entropia Universeは、このようなビジネスとして、ベストのアバターを提供しているというが、それは正当な言い分だ。アバターのルックスはSecond Lifeのアバターに比べて、かなりナイス。カスタム化のオプションもユーザーが利用したいと思う以上のものを備えている。

仮想空間内はよく作り込まれている。すばらしいとは言わないまでもSecond Lifeよりしゃれたルック&フィールに仕上がっている。あちこち移動するのも簡単だし、いったんショートカットキーとマウスオプションを覚えたらインターフェースはラクラク利用可能できる。

「Calypso Island」をツアーして回り、多数のロケーションにもテレポートしてみた。 ユーザー生成ではないエリアはプロフェッショナルなルックスだが、ある意味、Second Lifeに比べて少々退屈なようにも感じた。Second Lifeではその99%が不細工だが、ユーザー制作によるものには情熱があり、その情熱が魅力だと言えよう。

Entropia Universeに搭載されたグラフィックエンジンは素晴らしい仕上がり。比較的低めの設定にしていても、シームレスなエクスペリエンスを体験できる。入り口近くのエリアには多数のユーザーが集中していたが、ラグの問題もゼロだ。一方Second Lifeでは、これは常に問題になっている。

Entropia Universeの提供機能の全容については、同ワールド内でもう少し時間を費やしてみないと分からない。Second Lifeとは異なり、Entropia Universe内ではあちこち飛び回ったり思うままにテレポートできないので、多少、時間が多めにかかってしまう。そして、Second Lifeの既存ユーザーでない限り、「飛行する」という機能はバーチャル・ワールドに当然備わっているものと予期されているものではまだない。

Entropia UniverseはSecond Lifeが改良されたようなものだろうか?

それは好みによるだろう。Second LifeのUSユーザー定着率16%という数字から見て、世間で騒がれているにもかかわらず、大多数の人がSecond Lifeの提供するサービス内容を楽しんでいないというのは明白だ。Second Lifeについてよく耳にする批判として「(何をしたらいいのかという)目的がはっきりしない」、ということがある。ゲームではないから、本当のところ、バーチャル・セックスを楽しむかTringoをプレイするか、といったこと以外にこれといってすることが無い。Second Lifeがクリエイティブでソーシャルな空間である点に私は魅力を見い出す。しかし、オンラインでバーチャル・ストリップ・クラブを開きたい、あるいは、インタビューにこたえている最中に、空飛ぶ男性性器の出現で(インタビューを)中断されたいなどと誰もが思うわけではないだろう。

Entropia Universeは、Second LifeとWorld of Warcraftスタイルのバーチャル・ワールドそれぞれの最善の部分を組み合わせて提供している。Second Lifeの創造性と資本主義的な要素はしっかりしたゲームプレイとそれなりのグラフィックスで経験できる。もし、(Entropia Universeサイドが)クライアントアプリのダウンロードに関する課題が解決(ヒント:bittorrent)され、そして1GBのファイルのダウンロードを気にしないという人にはとっては、チェックしてみるだけの価値はある。メンバー数を獲得できるなら、ソーシャルな要素の強化につながるだろう。すでにより幅広い層にアピールするであろうEntropia Universeであるが、そうなると「よりよいSecond Life」として誕生する日がくるだろう。

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