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ライブ動画のYouTubeになるのはどこ?

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Vuze―BitTorrentだが合法的なビデオサービス

youtubelivelogo.pngYouTubeの急成長と$1.65B(16億5千万ドル)の買収では沢山の競合サイトが取り残された。 あれ以来、ライバル各社はもっと長い動画、高品位(ビット速度)動画やプロコンテンツに力を入れたり、ユーザーにお金を払うなど、あの手この手で差別化に躍起だ。が、もうちょっとユニークな差別化のアプローチのひとつにライブ動画のネットストリーミング配信がある。ソーシャル機能を備えたライブ動画が大きな分野に育つとすれば牽引するリーダーはどこなのか? 有望なスタートアップを紹介してみよう。

    stickammini.pngこの中では最古の2006年2月ローンチ。Stickamでは自分のライブショーのストリーム配信をホストして、サイトでチャットしたり、自分のサイトに動画を埋め込んだりできる。ライブ中継の時以外はショーの写真や音声、録画をMySpace風のプロフィールページで公開。サイトのフロントページでは新着ショーとライブ視聴者数を紹介している。現ライブ視聴者数は大体3千人前後で推移。

    blogtvmini.png 5月ローンチのBlogTv でもやはり自分のライブショーとチャットが始められる。録画した動画はライブ放送後、アーカイブに保存。ユーザーは自分のアカウントから好きなショーを購読したり埋め込んだり、レート付けやおすすめができる。ライブショーはフロントページに表示されるほか、ライブラリに保存の動画フッテージ(解説)でレビューも可能。

    mogulusmini1.pngまだプライベートベータのMogulusはライブ動画制作ツールがメイン。そのツールを使えばユーザーは自分の放送を待っている視聴者が何人かを把握し、 Mugulusの自分のURLで配信予定のショーのストーリーボードが組める。ストーリーボードでは録画したビデオを自分のフィードにドロップしたり、ロゴやタイトルなどのグラフィックスの上書きも可能。ほかのプロデューサーとコラボしたり、一緒にストーリーボードを組み上げていくこともできる。

    justintvmini.pngこの中では最も異色。Justin.tvはローンチの時も大変な騒ぎだったが、その後も警察がチームのアパートを家宅捜査するなどお騒がせ続きだ。サイトで目立つのはコファウンダーJustin Kanの実況ストリーミングで、彼はヘッドカムから週7日1日24時間休まず自分の日常を垂れ流している。Justin.tvはまだ一般利用にネットワークは開放していないが、その代わり熱心な“ライフキャスター(lifecaster)”を少しずつ追加する道を選んでいる。各キャスターはライブフィード、動画アーカイブ、チャットチャンネルの利用が可能。ライブ放送中の動画をフロントページで紹介するだけでなく、Justin.tvでは見逃せない瞬間を見たらユーザーがそれを報告できる“tips(ヒント)”というサービスも開発している。

    ustreamtvmini.png 3月にローンチしたUstreamも、やはりライフキャスティングのネットワークだ。電源プラグさえ入れたら誰でもストリームが始められる辺りはStickamに似ている。テクノロジー系ユーザーに支持が厚く、Robert ScobleやCris Pirilloもオフィスや出先のコンベンション会場と繋ぎ自分のショーをストリーミングで流している。各キャスターにはプロフィールページが与えられ、 そこで動画・写真・随筆を発表する。プレイヤーはライブのチャット機能つき。フッテージをアーカイブに保存したり、自分のサイトに埋め込むのも自由。

ライブのflash動画は、みんながYouTubeで見るような録画ビデオとは全く違う生き物と考えていい。ここに紹介したサイトでは録画以上にもっと正確で狂いのない配信ネットワークが求められている。FedEx同様、彼らのパッケージは常に時間通りキッカリ到着しなくてはならないのだ。この3月 YouTubeはユニークユーザー5350万人に11億件を超える動画をストリーミングしたという。これはネットのライブ動画としては前代未聞の数字である。上記サイトとのトラフィック比較はここのAlexaが詳しいが、ひとつ気をつけなくてはならないのはストリーミング配信ではサイトの更新ボタンを押さなくてもコンテンツは中継する端から消化できてしまう点。非ストリーミング配信の動画サイトに比べページビューは取れにくい構造になっているので、注意が必要だ。

ライブ動画はまた、タイムシフト(いつでも好きな時間に好きなコンテンツが楽しめること)に向かう今の動画のトレンドには馴染まない。ライブ動画は何が飛び出すか分からないので動画に釘付けになってしまうのだが、同時に面白いコンテンツが上位に浮上しにくい側面も。この問題に対処するため動画をアーカイブし、評価レーティングを採用したサイトもあるし、もっと面白いのは各クリップに投票機能をつける試みだ。

最後に問題なのが、ライブ動画の制作がコンシューマーの手に届く範囲にきてしまうところ。カメラを持ってる人は機種に関わらず誰でもソーシャル動画サイトに自分の動画をアップロードできるのはいいのだが、ライブ動画で質の高いコンテンツを作ろうと思ったら制作サイドにはより大きな責任意識が求められる。 ウェブカムには退屈がつきもの。退屈なライブにならないためにはユーザーにもそれなりの才能が求められるし、自分独自の携帯用カメラも組み立てたりできなくてはならない。モバイル電話が進化すれば、それに応じてこうした問題も状況が変わるかもしれないが、今はまだこれが大きな限界として立ちはだかっている。

ライブ動画には一つだけ見逃せない強みがある。相手が友だちであれ信奉者であれ視聴者と直に繋がっていられる、この一体感の部分だ。なのでこの先ライブ動画キャスティングが大きな成功を収めるとすれば、それはきっと見る人の心を捉えサイトに巨大なトラフィックを呼び込めるニューメディアのスター数人を取り巻くコミュニティ構築に力を入れたサイトから生まれるのではないだろうか。

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