イベントストリーミング: 革命の種

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eventstreaming.jpg昨日のiPhone発売で面白かったのは、自己PR技にかけてはRobert Scobleがもはや熟練の極みにある(もちろんいい意味で)ということと、あと一つ。iPhoneの行列に参加できなかった何千人という人たち*、―そこには単に興味がなくて並ばなかった人、僕のように地理的条件が厳しくて並べない人もいる―もライブストリーミングという身代わりを通してiPhone発売の上へ下への大狂乱を体験できたことだ。

当日はもちろん問題もなかったわけではない。Kristopher TateのZooomr/ Ustream feedでも技術的問題は何度か起こったが、全体として振り返れば路上インタビューあり、アップルストアに入る人たちの絶叫あり、Tateのクレジットカードが初めて拒否された場面が「America’s Funniest Live Video Streams 2020」に第1号の殿堂入りを果たすなど、他では得がたいスペシャルな視聴体験となった。

iPhone発売日がほかと違ったのは、ブログとか、数時間経って主要メディアが事実として伝える報道を待つのでなく、みんながみんな現場にいる一人称の目で事実を見守ることができたこと。ユーザー生成型ライブメディアの未来がここにある。革命の種は撒かれた。

(自分の生活を24時間放送する)ライフストリーミング(Lifestreaming)のことはTechCrunchでも以前ご紹介したが、僕は実言うとまだJustin.tv(サービスではなく中の人)のようなライフストリーミングがニッチを目指すサービス以上のものであるとは納得していない。だけど、iPhone発売日に見たものは違う。: あれはイベントストリーミング(Eventstreaming)だ。

イベントストリーミングこそが、Web 2.0のネットワークTV挑戦の試みの“ミッシングリンク”なのである。

ユーザー生成型ビデオが主な情報源としてニュースのフッテージを飾った2005年ロンドン爆破テロ事件のことは誰も忘れはしまい。あれから2年。テクノロジーは改良を続け、イベント(発生モノ、生で進行する事件)の録画フッテージから今はネットでライブのストリーミング配信ができるまでなった。一歩前進だ。

iPhone発売もそうだが、イベントというのは録画する本人のコントロール外にあり、台本通りにはいかないものだ。Chris Pirilloのライブ番組のフィードは僕も時たま見ているが、Pirilloは夜は大体テクノロジーのライブ番組司会者を務めていて、何百人という視聴者が集まることもある。台本は予め決まっているが、それでも生収録であることに変わりはない。こうした場合、生のイベントにはライフキャストより断然見る人を惹きつける引力がある。貴重な時間を割いてまでJustin.tvのJustinの運転シーンを眺めるほど暇じゃない、という人は大勢いる。でも予め台本が決まったものなら見る時間も都合がつけられるだろうし、つけるだろう。iPhone発売のような台本の無い大型イベントのストリーミング配信でもそれと同じことが言える。

無論、だからと言って明日から何千人という人々がイベントストリーミングをやり出すなどと馬鹿を言うつもりはない。ただ、荒野を駆ける原動力になる要素は既にある。それが(マスコミへの)“露出”だ。 あのRobert Scobleも自分のブランド(Scobleの場合はScoble自身がブランドだが)を宣伝する最善の方法はとにかく現場に行って大勢の人に見てもらうことだと言っている。ZooomrとMahaloを比べて違いをみるといい。たまたま僕はMahaloのチームが行列に並んでいる話を、iPhoneの行列を伝える主要メディアのニュースで拾ったが、これによってJason CalacanisがiPhone5台プレゼントするという以外に何かMahaloに直接のメリットがあったかというと、全然ないのだ。新聞が1紙か2紙、取り上げただけである。

一方、ZooomrのロゴとブランドはUstreamでイベントストリームを見た何千人という人たちの目に晒された(もっとかもしれない)。 その多くはZoomrなんて名前は聞いたこともなければ使ったこともない人たち。この露出はお金で買うこともできるが、世の中そんなお金は到底出せない人がほとんどだ。マーケティング的に見れば、これは非常に素晴しいアプローチで嫌でも人の目に触れる。イベントストリーミングの第1の波を牽引する会社は、良いものは一目で見分けがつくが、こういった露出に関してはどんな方策も賄えない、そんな賢いスタートアップ企業から出るだろう。現場にただ行くことと見られることの違い、それがイベントストリーミングだ。

(* 僕が把握しているUstreamのフィード数は、 Kris TateがUstreamの誰かと話した内容から察するにこうだ。ストリーム自体、複数のストリーム上で配信されているので、僕から見えるライブストリー ム上のカウンターは全視聴者の数を反映しているのではなく、ある特定のストリームの視聴者数を表している。ケータイ発売開始時刻には僕から見えるフィード 数が視聴者千人の大台を超えた。Ustreamの別の統計によると動画視聴者数は4万人は下らないそうだ)

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