皆が必死にYouTubeを追いかけているが…

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イベントストリーミング: 革命の種

現在、IPTVでのホットな興味の焦点はYouTube で短いビデオクリップを見ることからJoostBabelgumVeoh TV Netflix (これにはSilverlightを利用したアプリケーションが含まれる)のようなネットTVサービスで番組を全編、完全な形で見ることに移行している。YouTubeも成長を続けているが、ユーザーは番組全編を見るにはYouTubeには期待しなくなっている。

しかしそれだからといってライバルたちが少しでも競争を止めたわけではない。

YouTubeは無数のライバルを抱えている。しかしYouTubeにははるか以前に「ネットワーク効果」が働き始めているので、著作権侵害に対する対応が手ぬるいとか品質の高い番組が少ないといった問題くらいではYouTubeのマーケットシェアを低下させることはできないと思う。しかしネットワークTV局は未だに$1.65B(16億5千万ドル)という買収価格に目をむいていて、そこから自分たちの分け前をもぎ取ろうとあの手この手を試みている。

ライバルは堂々巡り

Hitwiseが今週発表した統計によると、YouTubeはアメリカのビデオ共有マーケットの60%を占めており、他のサイトすべてを合計したよりも大きなトラフィックを集めている。ネットワークTV局が大規模な著作権侵害訴訟を起こした後でもYouTubeの成長は引き続き維持されている。

Comscoreの全世界ベースのデータもおおむね同じ傾向を示しており、YouTubeの市場占有率は66%となっている。左に両社の数字を並べた表をかかげた。

ビデオ共有マーケットは非常に巨大なので、いくつかのライバルが成功する余地は十分あるだろう。しかしYouTubeが王座から引きずり落とされるような事態は急には想定しにくい。

道化一座(Clown Co. )は依然、道化中

今年3月にはNews Corp. (MySpaceの親会社)とNBCが新しいサービスのドラマチックな発表を行なった。両社は新プロジェクトを「NBC UniversalとNews Corporationによるオンラインビデオのジョイントベンチャー」というえらく長たらしい名前で呼んでいる。Googleの幹部たちがこのプロジェクトを「道化一座(Clown Co.)」と呼んだという噂が伝わると、このあだ名はそのまま定着してしまった。NBCとNews Corp.がちゃんとした名前をつけるまでは、他に簡単に呼べる名前がないのだから仕方がない。

このプロジェクトは名前がないのをモノともせず、大胆な動きを見せている。今週はハーバードのMBAで以前Amazonの幹部だったJason Kilarがこのユニットの責任者に任命された。またベンチャーキャピタルから$100M(1億ドル)の資金調達(会社全体の評価額は10億ドルとなる)を目論んでいるという記事も出ている。YouTubeが以前に調達した資金はそれよりはるかに少ない。

配信チャンネルのアプローチはより多様であり、公平に言って「道化一座」はYouTubeの直接のライバルとはいえない。また(合法的に得られた)NBCとNews Corp.からのコンテンツを持っていることはライバルに対して大きな優位であることも間違いない。どんな形でローンチされるのか注目したい。しかし名前の問題に加えて、親会社がメディアへの電話会見の席でこのプロジェクトを「世界最大の広告プラットフォーム」と呼んだ事実など、出だしは散々な失敗だ。

News Corp.は別の手も打っている

News Corp.はMySpaceの親会社だが、今週、「道化一座 Clown Co.」とは別に、YouTubeの直接のライバルとなるMySpace TVをローンチしている。MySpaceはすでに一年以上前からユーザーのビデオクリップを収集しているし、最近の$300M(3億ドル)でのPhotobucket買収もライブラリーの拡充に大きな役割を果たすだろう。

MySpaceの巨大な資産を背景にしていることもMySpace TVの大きな強みだ―しかしこれはYouTubeの背後にGoogleの検索エンジンが控えていることで帳消しかもしれない。しかしMySpaceはサードパーティーのビデオが少しでも広告で儲けていると 容赦なくブロックする姿勢を見せているので、将来〔広告を掲載するようになると〕YouTubeはMySpaceにまったく入り込めなくなるかもしれない。

この理由でMySpace TVはYouTubeに対する直接の脅威としては最大のものだ。しかし、それでも、私の見るところではMySpace TVといえどもYouTubeから首位の座を奪うことは当面あり得ないだろう。なぜなら「ユーザー投稿ビデオや著作権〔侵害〕ビデオクリップを見にいくならYouTube」とメインストリームユーザーの頭にしっかり刻みこまれたブランドとなっているからだ。しかも背後にはGoogleがついているのだ。誰にせよYouTubeをやっつけることは当分できそうにない。

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