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動画広告スタートアップ各社のソリューション徹底比較

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こう書くと変に思われるかもしれないが、僕は長年、自分のバイラル動画に広告が入る日を今か今かと待ちわびてきた。eMarketerの予想では、オンラインの動画広告は2008年2倍近くまで拡大し$1.3B(13億ドル)の巨大産業に成長するらしいが、動画分野ではスケーラブルな広告プラットフォームの決定打を打ち出した企業はまだない。ただしGoogleは自社独自のシステムを密かにテスト中だし、他のスタートアップ企業も大勢この問題に取り組んでいる。

広告収入を最大限に生み出そうと努力する上で、どこの企業もぶつかるキーとなる問題は2つ。広告をどこに置いたらいいのか(プリロール/ポストロール/放送に挿入するインタスティシャル、どれか?)、これは未だにハッキリしない。広告のタイプや長さも議論は分かれる。最近の調査では広告は長めの方がブランディングに効果があることが分かっているが、普通に常識で考えると、番組の谷間に長めの広告が挿入されてもユーザーがずっと座って最後まで見ていられるかというと、これも疑問だ。

広告のフォーマットが決まると、今度は関連広告を生成する動画コンテンツを選ぶ作業があるのだが、これがまた難しい。扇動的なコンテンツに関わるリスクを好まない大手ブランドにとっても動画コンテンツ選びはとても重大な問題。そして最後に広告プラットフォームにはパブリッシャー、広告主、トレードインできる市場が必要だ。

ここでは動画広告各社の取り組みを見てみよう。:

    youtubelogomini.pngYouTubeはもちろん目が離せないチーム。動画下にテキスト広告を流してユーザーがクリックすると動画広告が通しで見れる実験を行うなど、動きは慎重。このシステムは YouTubeのトップコンテンツのプロデューサーを対象にさらに実験を行うという。巷の噂によると契約内容はなかなか上等らしい。

    revverlogomini.png Revverではパブリッシャーと広告収入を50/50で山分けしている。広告はバイラル動画の最後に流す。つまり、メインのコンテンツを見終わった後も人はまだ画面をかなり注目している、ということだが、YouTubeのように自社ネットワーク上の他の動画にトラフィックを誘導する代わりに広告を流すことで、この大切な財産を犠牲にしている、という見方もできる。Revverではコンテンツをフィルタリングし、ピッタリの広告と組み合わせる部分は自分たちの手作業で行っている。

    videoegglogomini.pngRevver同様、VideoEggもパブリッシャーが動画の在庫を配信し儲けるサポートをしている。実地参加型のアプローチなので、コンテンツの質と内容を厳しく管理する大手ブランド向き。1日2千万本を超える動画を自社のEggNetwork上で配信し、広告は他の動画の紹介と一緒に流している。

    scanscoutlogo.pngScanScoutのテクノロジーでは各動画をスキャンしてコンテンツを見て、各シーンごとに内容にマッチする広告を選んで配信している。音声分析とユーザー行動から動画の内容を判断し、それに基づくテキスト広告を動画の下に流す。

    adaptvlogomini.png 動画版アドセンス。Adap.tvでは動画のコンテンツをベースに、そのコンテキストに連動するテキスト広告を選んで組み合わせている。一見、YouTubeが目指しているところに近いような気もする。動画再生中に関連性の高いAmazonの商品とLooksmartの広告を掘り起こし、肝心な瞬間に動画の下の広告バーが埋まるようにする。タグや、その他のメタデータ、音声からテキストを起こす機能を駆使して、それが何についての動画か判断している。

    adbritelogomini.png AdBriteはInVideo platformでいち早く広告を動画にオーバーレイした企業のひとつ。AdbriteではYouTubeのような埋め込み可能な動画プレーヤーを自社で作った。仮にTechCrunchが動画を流 すとすると、埋め込み可能なこのプレーヤーを使って、Adbriteの広告や自分たちのロゴを透かしで入れるかどうかオプションで選べる。それを見て自分 のサイトに埋め込んだ人たちにはみんな同じ動画に同じ広告と透かしが入って流れ、その出先の動画に入ったクリックまで全てオリジナルのサイトに返ってくる仕組み。

    broadramplogomini.png広告の進め方はここが一番面白い。BroadRampは、自分たちが動画で見るもの全てが営業拠点になると 考えている。好みのTシャツが見えた?動画をクリックして今すぐ買おう、という調子。タグ付けや、動画からプログラムで商品リンクを生成することにはスケール的に限界があるかもしれないし、難しすぎる可能性もあるが。同社のコアビジネスはしかし今も動画コンテンツ配信システムだ。

    everyzinglogo.png旧称Podzinger。Everyzingでは音声・動画の検索を行っている。コンテンツ所有者ではないので広告を動画コンテンツに挿入することはできないが、音声からテキストで台詞を起こす機能を備えているので、動画の主題が何かを探す問題解消のサポートにはなりそう。

    blinkxlogomini.pngEveryzing と同じ動画検索エンジン。Blinkxでは動画の音声とメタデータを分析して、動画のコンテキスト(意味内容)を紐解いてくれる。同社によると視覚認識も採用している、という話だ。Blinkxでは自社テクノロジーをテコに、動画のコンテンツベースでコンテキスト連動型広告を出すadHocをローンチした。

    casttvlogomini.pngここも動画検索エンジン。現在プライベートベータのCast.TVでは動画のメタデータと周囲のリンクを分析し、もっと動画の周辺まで含めたコンテキストを把握してくれる。これがどんなにうまく機能するかは、われわれ自身感動だったが、広告を組み込む計画についてまだ具体的な話し合いはない模様。

ソーシャルビデオの分野でパブリッシャーと広告主、視聴者のニーズを満たす素晴しくスケーラブルな広告プラットフォームのソリューションを打ち出す、そんなのは考えるだけで頭が痛くなる問題だ。

最も効果的な形式を模索し、それが何かを消費者が教えてくれるまでテストにテストを重ね、その一方ではプラットフォームとして利益を生み出す動画コ ンテンツの確保も必要だし、ターゲットのコンテンツがはっきり定義された動画物件なら実績のある動画広告ネットワークでスポンサーとやっていけるし。そう考えると、こうしたプラットフォームにとって理想の市場というのは、やはりソーシャルネットワークやYouTubeでごった煮になっている素人のバイラル動画から効果的に利益を生み出すこと、ということになる。それなのにネット動画のシェアで現在王座のYouTubeは、じっくり時間をかけ社内でソリューション開発を進めているのだ。

つまりデスティネーションになるか、提携を結ぶか、合併か。それ以外の出口は残されていない。

BlinkxやEveryzingのような動画検索サイトは現在、自社の検索ページから利益を得ているけども、リンク先コンテンツに広告を埋め込んで自分たちのプラットフォームの利点を最大限活用できないでいる。こうしたサイトは動画検索こそ他よりディープでも、Google、Yahoo、AOLのような大手ウェブ相手にデスティネーションサイトとして存在するのも厳しい道程だろう。AdBriteはちょっと我が道で、InVideoプレーヤーでパブリッシャーに直接働きかけているし、Adap.tvはMetaCafeで自社プラットフォームを試験利用し提携の可能性を見極めようとしている。

広告主とパブリッシャーも大体の広告プラットフォームを試して効果的なものを使うだろうし、結局はここで挙げた2つのポイントで最も結果を出したスタートアップが勝ち残るだろう。

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