ニュース

英国政府、著作権期間50年の延長に「ノー」

次の記事

Farady MediaがParticls SidebarとEngagdを新提供

copyrightnot.png英国政府は、英国音楽業界からの音楽録音著作権を50年から70年に延長する要求を却下した。今アーティストたちは、旧作の需要が増え、そこから生じるロイヤリティーが伸びていることから、著作権に対する関心がことさらに高い。

著作権期間が延長されると、Cliff RichardやPaul McCartneyなどのアーティストとそれぞれのレーベルのロイヤリティが存続することになる。Cliff Richardは、1958年のヒット「Move It!」が間もなく著作権切れとなり、最初に権利を失うひとりとなる。

政府が延長に反対することを決めたのは、延長すると欧州委員会にも変更を迫る必要が生じ、費用のわりにはほとんどの著作権者にとってメリットがないからだ。しかし、アーティストや業界は、政府が単にアーティストを支援するつもりがないだけだと反論するだろう。

「The Who」のRoger Daltreyは声を大に権利を主張する批評家のひとりであり、次のように語っている、「数多くのミュージシャンが年金もなく、印税収入で生活を賄っている。この人たちは英国で最も成功した業界に貢献して、英国経済に富を持たらし、みんなの生活を豊かにしてきた。誰も、めぐんでくれと言っているのではない、自分たちの創造活動に対する正当な対価を望んでいるだけだ。」

政府が主張の根拠としているのは主としてGower’s Report(PDF)で、これはFinantial Timesの元編集員Andrew Gowersがまとめた英国の知的財産権に関する研究報告だ。報告書にある勧告の焦的は知的財産権を守りつつ、実施コストを低く抑えることにあった。報告書では、さらに長い米国と並ぶ95年まで延長することに反対する勧告を出している。期間の相違のために創造性が欠けて英国が損害を被ることはないと断定する。

下のグラフは、Gowerの報告書にあるもので、期間の延長がアーティストたちを支援するうえで必ずしも最良の解ではないことを示す。50年を過ぎてロイアリティーを生み出しているレコードはわずかであり、レコーディングの契約をアーティストに有利になるように見直すことの方が効果的なやり方かもしれないこと表している。


salesdist.png

個々の著作権期間についての話を延々繰り返していると、誰の作品がもうすぐ著作権切れになるかということにばかり目が向けられ、きわめて恣意的なものになりがちである。現行の著作権期間では創造力が抑制されて収入が減る、というアーティストたちの主張は、今のルールをよくわかったうえでもアーティストが作品を生み出す意欲にかられていたことを考えるとおかしなものだ。

米国は1998年のSonny Bono法案によって、著作権期間を95年に延長した。しかしこの法案は「ミッキーマウス保護法案」と揶揄され、作者の死後はるか後になって、ミッキーマウスが著作権切れになることを防ぐために通過したと非難されている。Lawrence Lessigが言うように、著作権期間を延ばし続けたために、憲法の下で議会に与えられた、一定期間著作権を与える権限が、実質的には永久の権利となってしまった。

[原文へ]