ブロガーに労働組合は必要か?

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blognetwork.pngWall Street Journalが報じたところによると、左翼のブロガーの集団が労働組合の結成に動いているらしい。健康保険に加入したり、集団交渉権を得たり、職業倫理の基準を設けたりするのが目的という。

ブロガーがものめずらしい存在である時代は過ぎたわけだが、ではブロガーは、というより現在Web2.0で各種のコンテンツの制作に携わっている人間に労働組合は必要なのだろうか?

たとえばAbout.comやMahaloのようなユーザー生成コンテンツ・サイトを含む、 新しいメディアサイトに投稿している人間はほとんどが契約ベースで働いている。大部分のコンテンツ制作者は雇用主/雇用者の関係では働いていないし、源泉徴収もされていない。そもそも多くの場合、常勤の形態ではない。それには理由がある。圧倒的に多数のケースで、ブログ執筆をはじめとするコンテンツ制作は趣味として行なわれているからだ。ブログによる収入は本業の収入を補うものにすぎない。

とはいえ、現在、ブロガーの執筆料は驚くほど安い。Weblogs IncやGawkerのような大手サイトはライターに最低でも月に500ドル以上を払っているが、小さいサイトでは人気のあるエントリーを書いたら収入が増えるという広告収入の分配モデルを採用しているところが多い。こういう場合、サイトの運営者が収入のほとんどをキープしてしまう。

TelegraphikでDavid Krugが述べているが

一部のサイトではブロガーが時給数セントで記事を書いている一方、運営会社のCEOやスタッフはとんでもない高給を取り、ベンチャーキャピタルの資金で家をリフォームしたりしている。こういう状態は我慢ならない。最低だ。

ブログで手っ取り早く大金を稼ごうという夢についていえば、現実はほんの一握りのトップブログが成功しただけだ。各種のプロブロガー募集サイトや電子自費出版のセールストークはアムウェイのプレゼンと同様で、すぐにも大金が入ってくるような期待を持たせるものの、ほとんどのケースではそういった期待は実現しない。

私はもちろんブロガーに労働組合があってもいいと思う。自由社会ではどんな分野に労働組合を作ろうと制限はない。しかしちょっとでも現実を見るなら、給与や労働条件を最終的に決定するのはやはりマーケットだということが分かるだろう。たくさんの人々が副業にブログを始めて、自分が所有し、運営するブログに記事を書いているが、たいした収入にはなっていない。商業サイトに記事を書いても低賃金だというが、それでも自分のサイトで書くより余計に稼げている場合が多いのだ。

低賃金でも受け入れる労働者がいくらでもいる以上、どんな組合組織を作ろうと既存のジャーナリズムの世界に匹敵するような給与水準をブログの世界に導入することができるわけはない。労働市場における搾取というのは、労働者がその労働以外に生活の手段をもたないような場合に起きる。ブロガーにはブログ以外、いつでも多くの別の生活手段がある。公正な賃金を実現するというのは立派な目的だが、ブロガーの需要に比べて志望者の数が多い場合には、常に給与水準が低いままとなるのはやむを得ない。

情報開示: 筆者は以前にブログ・ネットワーク、ブロガーを雇用するビジネスに関係していたことがある。

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