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Crunchyroll、アニメビデオで著作権法上の合法的引用の限界を試す

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BrightSpot.tv―「広告を見た人に金を払う」ビジネスモデルにひとひねり

Crunchyrollはサンフランシスコのスタートアップで、アニメその他、主としてアジアからのビデオコンテンツを対象にしたYouTubeを目指している。3人のファウンダーは現在匿名のままだが、全員HotOrNotの社員で、オフィスもサンフランシスコのHotOrNotのものを使っている。(しかしファウンダーらによると、HotOrNotはCrunchyrollに対して財政的関係はないという)。

このサイトは2006年の夏にローンチして以来、急速に成長を続けている。特に2007年3月からの成長が著しい。Comscoreの全世界を対象にした統計では、3月に48万だったユニーク訪問者が7月には130万に増加している。また7月には1億弱のページビューを記録している。

この急成長ぶりは少なくとも1社からの買収の打診を呼び起こしたらしい。情報源によると、今年早く、Viacomとの間で$10M(1千万ドル)での買収の契約がまとまる寸前までいったということだ。しかしViacomは著作権を侵害しているコンテンツを多数掲載しているCrunchyrollのようなサイトを所有することはGoogeに対する10億ドルの訴訟での立場を悪くする可能性があることに気付いて中止された。Crunchyrollはこの件に関してコメントを控えている。

ユーザーがアップロードするすべてのビデオの周囲には広告が表示される。毎月6ドルを「寄付」するプレミアム・ユーザーは広告なしで高品質のビデオを見ることができる。

Crunchyrollのビジネスモデルはユニークだ。高品質でビデオを見るのにユーザーは金を払わなければならないが、そのコンテンツには著作権を侵害するものが多数含まれている。この点、DMCA法におけるユーザーがアップロードしたコンテンツによる著作権侵害に対してサービス提供者を免責する条項の適用を受ける余地を少なくするものだ。

この免責条項の適用を受けるためには、サービス提供者が「著作権を侵害するコンテンツの掲載によって直接に経済的利益を得ていないこと」が必要となる。著作権を侵害するコンテンツの周囲に広告を表示することが「直接の経済的利益」に当たるかどうかについては議論もあるだろうが、「寄付」という名目にせよ、有料で高品質の動画を提供することがこの免責条項を適用されるかどうか、いっそう疑問となる。どちらにしてもCrunchyrollはまちがいなくDMCAの下で許容される行為の限界を試しているといえるだろう。

限界を試したサービスが大儲けしてきた

おもしろいことに、著作権法に関しては最悪の違反者が往々にして順調なビジネスを展開している。

ALLOfMP3はRIAAに$1.65T(1兆6500億ドル)の訴訟を起こされているにもかかわらず営業中だ。著作権侵害の王者、YouTubeはGoogleに$1.65B(16億5千万ドル)で売れた。Blogmusikもなんとかライセンス契約にこぎつけて、営業を継続中。波乱万丈の過去にもかかわらず、Imeemも雑草のようにたくましく成長している。こういった例は尽きない。

Crunchyrollがプレミアム・アカウントに「寄付」を募るというやり方はあまりに大胆だから、ひょっとするとうまくいくかもしれない。同社によるとDMCAに基づくものを始めとして、削除を求める通告には定期的に対応しているという。また、全般的にみて、アニメその他のコンテンツ制作者との関係はきわめて良好だという。一部の制作者は、Crunchyrollに提携を申し入れているという。

結局、Crunchrollには毎日サイトを閲覧に来る100万を超える熱心なアニメファンがついているわけで、ビジネスモデルがどうかというのは二の次の話題といっていいだろう。優れたコンテンツの所有者はなんとかしてそのユーザーベースをつかみ、収益を上げる方法を考え出すものだ。

Crunchyrollは現在まで外部の資金を調達していないが、ベンチャーキャピタリストと交渉中ということだ。

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