ソーシャルメディアは人をダメにするか

次の記事

モバイルビデオのVantrixが、シリーズBで$12M調達

internetdumb.gif「主流メディア」は、「ニューメディア」とはどこか対立する関係にある。ジャーナリストたちは再三ブログに対する不満をもらし「ジャーナリズムにはジャーナリストが必要だ」とだけ言ってきた。そしてまた、ジャーナリストたちは、ソーシャルニュースサイトの成功と社会の破綻を結び付ける調査結果をつきつけて、われわれを賞賛してくれた。

この調査はProject for Excellence in Journalism (PEJ)という団体が行ったもので、主流メディアと、数多のユーザーニュースサイトの見出しを一週間にわたって比較している。具体的にはこうだ。

「PEJでは2007年6月24日から29日までの、ユーザー発のニュース一覧を提供するサイト、Digg、Del.cio.us、Reddit3ヵ所のニュース記事を集めた。さらに、編集済みニュースページや、ユーザーランク付けニュースの、オススメ、ビュー、メールによる紹介それぞれのベスト10を提供しているサイトであるYahoo Newsを調べた。次に、以上のサイトを、PEJ報道インデクスに含まれている主要ニュースサイト48社のニュース一覧と比較した。」

比較したのは、同社のニュースインデクスで上位の記事(パーセントによる)と、ソーシャルサイトの上位の見出し。

調査の結果、主流メディアでは移民問題(10%)、イラク問題(6%)などの重要な話題が取り上げられているのに対して、ソーシャルニュースサイトで注目されていたのはiPhoneだけだったという。これは当然の結果。こうしたユーザー生成ニュースが補助的な役割を果しているために、必ずしもニュースの重要性を反映していない、という点については調査報告も認めている。しかし、膨大な量のトップページに載らなかったニュースには触れていない。主流メディアでは、その日のニュースを取り上げるためのスタッフも資源も限られているが、Digg軍団には、爆笑ネコ写真へのリンクを貼る場所がいくらでもある。たとえば、プーチンのロシア内閣解散のニュースは今日のDiggのトップ10に入っている。iPhoneのロック解除もだが。

さらに言うと、ソーシャルサイトの調査では、ユーザーが実際に何を読んでいるのかがわかるが、主流メディアのニュース統計でわかるのは、記者が何を書いたかということだけ。あの「説得力ある」ジャーナリズムのうちのどれほどが、数字が示すような読者を得ているのかはわからない。PEJはこれをニュースの清流だと言っているが、私には「echo chamber」(*)にみえる。
(*) 反響室(効果): 似たような意見が、反対意見に触れることなく反響して強めあうこと

音楽業界がネットに進出した時と同じように、もはやユーザーは一まとめで買う必要はない。興味のある記事(曲)だけを選べばよく、欲しくないものを抱き合わせにされることはなくなった。

写真提供 ChrisL_AK

[原文へ]