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Earthmine 、現実世界を3Dパノラマ写真で検索可能に

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「Google Transit」、「Google Lab」を卒業

Google Mapの「Street View」機能を試してみた読者は多いと思う。サンフランシスコ、ラスベガス、デンバー、ヒューストン、ニューヨークなど都市について、路上から見た光景が3Dパノラマで提供されている。Earthmineはバーチャル化をいっそう高度にし、撮影した光景の中の小さな対象までインデックス化することにより現実世界を映像に写し取ろうとする新しい試みだ。

ちょっと想像してみてほしいのだが、町で見かけたなにか面白いもの、重要なものを友だちに伝えたい場合に、携帯電話を取り出し、自分のいる場所のパノラマ写真を検索して、対象をタグづけし(店舗、駐車スペース、名所旧跡など)、メモを書き加えると、自動的にその情報が友達と共有されるとしたらどうだろう。読者がレストランのオーナーだったとしよう。店の外の光景の3Dパノラマにメニューやクーポンなど店に関する情報を加えてお客にアピールできるとしたらどうだろう。今のところまだこれらは実現していないが、Earthmineはこういった応用を可能にするテクノロジーだ。

Googleと同様、Earthmineも特殊なカメラを装備した自動車で街を走り回ってデータを収集する。Earthmineの共同ファウンダー、John Ristevskiによると、同社のカスタム・カメラは非常にワイドなレンズを使用しており、水平360度から天頂まで半球形にすべての範囲をステレオ撮影することができるという。Webwareに屋根にこのカメラを載せたパスファインダーの良い写真がある。(下にエンベッドしたビデオの冒頭にもこの車両はちょっと出てくる)。

Ristevskiによると、Googleとは異なり、Earthmineはカメラからの入力データを補正して、すべての詳細データを保持する特殊なプロセスを開発しており、これを利用してカメラから得られたデータをピクセル単位で3次元配列に格納して高度な利用に備えているという。その結果Earthmineのパノラマは見た目がいいだけでなく、はるかに利用範囲が広くなっている。詳細なデータが利用できるということは、さらに多様なインデックスづけができるということだ。Earthmineという社名には、単にGoogle Street Viewより見栄えのいいものを作るだけでなく、地球のデータをマイニングする(=有益なものを取り出す)という意味が込められている。

Earthmineシステムでは、現実世界に存在するオブジェクトのデータを保持して、それぞれに関する詳細な属性を記録していく(アセット・マッピングというプロセス)ことができる。緯度、経度、高度、その他の地図データを、ゴミ箱、電柱、マンホール、街路樹のひとつひとつに書き込むことができ、それを擬似3Dビューワで再現、観察することができる。蓄積された情報はEarthmine付属のソフトウェアでも、GIS(地理情報システム Geographic Information System)やCADなどの外部システムにエクスポートして利用することができる。逆に、既存のGIS情報をEarthmineにインポートすることも可能だ。

ゴミ箱その他路上にあるすべての物件をタグづけして識別できるようにすることにどんな意味があるか? いや、Earthmineはかならずしも一般のエンドユーザーばかりを対象にしているわけではない。同社では政府や大企業などもっと大きな顧客をターゲットとしている。(ビッグ・ブラザーによる監視社会を心配するむきにはちょっと怖い話になってくるが)。

そういう懸念はあるものの、Earthmineではマッピング技術の効率化、低価格化のための努力を続けている。Ristevskiによれば、サンフランシスコぐらいの大きさの都市の地図を作るのに30日ですむという。Earthmineでは、都市のマッピングを済ませた後、3Dでのアイテム目録と共に、市役所や州・連邦政府などの公共機関、電気・ガス会社、大手保険会社、あるいはRedFinZillowなど他のテクノロジー企業にライセンス販売することを考えている。

Earthmineでは安価で、かつ、さして高度な技術的知識のないユーザーでも簡単に扱えるようなソフトウェアの提供を目指している。RistevskiはSketchupが3Dモデリングで果たしたような役割をリアル世界のマッピングとモデリングにおいてEarthmineが果たすことを望んでいる。

Earthmineはこの秋のDEMOでプレゼンを行なったが、製品の公式リリースはまだだ。同社はカリフォルニア州Berkeleyに本拠を置き、現在までに$1M(100万ドル)のシード資金を調達している。

われわれの3D技術関連の企業紹介もチェックされたい。Photosynth、EveryscapeFotowooshなどは2D写真から擬似3Dモデルを作成する新しい技術だ。MicrosoftはLive Search Mapサービスに3Dモデリング機能を付け加えた。またPhotosynth技術の 利用も行なっている。VisualSizeは2D写真から対象のサイズを正確に計測しようという試み。

以下はEarthmineのデモビデオ。

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