大統領候補、Mitt Romneyにテクノロジー問題を聞く

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読者のみなさんには先週、私が予定していた2008年大統領選候補、Mitt Romney前マサチューセッツ州知事とのインタビューの質問項目について意見をくれるようお願いした。たくさんの意見やコメントをもらって感謝している。おかげさまでRomneyとのインタビューや現在調整中の他の候補者とのポッドキャストで使う質問リストにまとめることができた。

インタビュー結果は以下のとおり。ただしRomeny前知事の時間の制約のため、全部の質問をすることはできなかった。無理はせず、質問を2部に分けることにした。選挙事務所からは、続編のスケジュールを調整してくれると言われている。また、一部の質問は後に回して、よく考えてから答えさせてほしいという要望もあった。

今回の質問の範囲に含めることができたのは、米国内の技術成長政策、インターネット税、H1Bビザ、ベンチャーキャピタル税問題(Fred WilsonNYT参照)、再生可能エネルギーについて。

ネットの中立性、モバイル帯域割当問題、個人情報盗難、中国の知的財産権検閲問題については今回は聞くことができなかった。

全体を通して、短い時間の中で多くの話題に触れることができた。また、Romney氏は完全なWindows派だけれども、5人の子息のうち3人はMacだということがわかった。最近iPodで何を聞いているかも聞くことができた(もちろんRomney氏はiPodを持っている)。

Romney知事には、インタビューに応じてもらったこと、また少々危ない橋も渡ってもらったことに感謝している。候補者はだいたいにおいてブロガーに対して少々よそよそしい。われわれは、どこか予測不可能と思われているらしい(特に政治関係のブログはどうかしている)。

ポッドキャストを聞いてもらうか、下のインタビュー記録を読んでほしい。Romney氏について詳しく知りたい人はRomney氏の公式ウェブサイトや[政治ニュースポータルの]Political BaseYahoo NewsのMitt Romneyコーナーなどをみてほしい。いつもの通り、インタビューの内容はTalkCrunchにも掲載してある。

スペシャルサンクス: リッチメディアを得意とする新しいコンテンツ配信ネットワークBitGravityがわれわれのためにポッドキャストをホストしてくれた。Yahoo Newsなどいろいろなソースからリンクされるので、確実にストリームできるようにしたかった。ありがたいことにBitGravityがその通り実現してくれた。

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インタビュー

Michael Arrington: こんにちは、TechCruncのMike Arringtonです。本日は共和党大統領候補であるMitt Romneyから、テクノロジー関係について考えを伺うために数分間の機会を得ることができました。Romeny知事、今日は貴重な時間をいただきありがとうございます。

Mitt Romney前州知事: ありがとうございますMichael、よろしくお願いいたします。

MA: きのう、アイオア州とニューハンプシャー州の事前調査結果が発表されて、Romneyさんは共和党候補の中で大きなリードを保っていると伺いました。おめでとうございます。

MR: ありがとうございます。いちばん時間をかけた場所でよい結果がでてほっとしています。逆にいちばん時間をかけないところが、うまくいっているようだったら困ります。

MA: 5つか6つお聞きしたいことがありますので、早速始めさせてもらいます。最初の質問はかなり広い範囲にわたると思います。米国ハイテク業界はもちろん世界のリーダーです。また、この成長の多くは国際市場からのもので、過去10年から20年は特にそうです。この成果をさらに伸ばすために大統領として何をされますか。

MR: まず、貿易と米国製品への市場開放が最も重要であるということを、みんなに呼びかけることが大切で、これは読者とのコミュニケーションが大切なのと同じことです。アメリカが世界最強であり続けるためには、グローバルな競争力を持つほかはありません。そのために、われわれの製品に門戸を開いてもらうことが必要ですから、他の国々と交渉していくつもりです。同時に、外国との取り引きがフェアに行われていることも確認します。中国のような国がわれわれの知的財産権を尊重しないことがあれば、中国の人たちには、そんなことをやめないとアメリカ市場で困ることになるよ、と真剣に話さねばならなくなるでしょう。だから、われわれが戦わなくてはならないのは、米国製品が守られ、テクノロジーが守られ、なおかつ国際市場が閉鎖的になることなく開放されてわれわれが世界中で競争できるようにすることです。

MA: わかりました、それはすばらしい。ではインターネット税について。今日もニュースがあったようです。1998年の「インターネット税禁止法」で、国や地方自治体がインターネットアクセスに課税したり、インターネットだけの差別的な税を徴収することが禁止されました。ビット税、帯域税、メール税などです。もちろん、Eコマースなどの売上税を州が課税することを禁止したものではありません。連邦議会で2度にわたって延長されて、この木曜日に失効するわけですが、先週上院でこの禁止法延長の投票があって、今日、下院でも402対0で7年間延長の法案が可決されました。インターネット税についてのご意見をお願いします。

MR: 議会の投票結果がほとんどのアメリカ人の視点を示していると思います。おっしゃるようなインターネットだけの税は、望んでいないということです。私は、この問題についてはある立場をとっていますが、言われるようなインターネット税やアクセス料、メール料などは望んでいません。この国にはすでにいろいろな税があるので、これ以上増やしたくはありません。イノベーションの拡大ではなく、減少に対して課税する方がいいと思っています。

MA: 一般施政方針では共和党は永久禁止を望んでいて、民主党は7年前より緩いものを望んでいるようです。禁止を永久にするかどうかについて特に考えはありますか。

MR: ええ、私は永久に禁止するべきだと考えています。民主党は、7年毎にすれば7年毎に関連企業から献金を受けて選挙できる、ということに気が付いたのでしょう。こうやって何度も選挙に持ち込んで献金を募るのは古くからある政治的策略です。

MA: それは考えたことがありませでした、面白いですね。次にビザの話、たぶんいちばん政治的で、少なくともシリコンバレーではいちばん微妙な問題です。H1Bビザですが、これによって米国の雇用者は特殊技能をもつ外国人を一定期間呼ぶことができます。そのために米国の大学卒相当の資格が必要です。90年代の終り頃は、年間10~15万人に対して発行していて、需要は少なくとも年間20万はありました。ここ数年は、米国の割当ては6万5000人まで落ちてきていて、これが去年と今年のことです。特にシリコンバレーのスタートアップや大企業の多くは、このことが雇用に与えた打撃は大きいと言っています。この政策を支持する人たちは、米国企業の競争力を保ち、アウトソーシングをなくすのに役立つと言っています。世界の選り抜きの人たちを米国に連れてくることでもあるのですが。シリコンバレーで大成功した起業家のかなりの割合がH1Bビザ保有者によって始められています。反対派は、米国市民の職を奪って、給与を下げているといいます。Romneyさんのお考えをお聞かせください。

MR: 私はH1Bビザはいいと思っています。世界の精鋭がここに集まるという発想もいいですね。行ったり来たりするよりも、ずっと居続けてもらう方がいいと思いますが、現在のビザのプログラムは米国の労動要員のギャップを埋めるために考えられてたものたと思います。この国に足りないスキルを持つ人がそこにいるなら、来てもらってわれわれの経済発展に協力してもらいたい。われわれは最終的には世界を相手にした厳しい戦いの中にいるのです。世界最強の国でいなければならない戦いの中に。そして、私たちの国が先頭を切り続けるための唯一の方法はテクノロジーとイノベーションです。この国に貢献できるスキルを持った人がもっと必要なら、何をおいてもその人たちを気持ちよく迎えればいいし、ここの若者たちに競争力のない分野があれば、戦えるために必要なことを知るのを手伝ってあげたい。

MA: 割り当ては増やすべきだと思いますか。あるいは廃止すべきですか。資格のある人なら誰でも来られるようにすべきてしょうか。

MR: H1Bビザを取得してわれわれに足りないスキルと経験を提供してくれる人の数は増やしたいと考えています。正確な数字を出すためには、いくつか調べなくてはなりません。第1に、全体の景気がどうなっているのか。われわれの労働力の規模はどうなのか。第2に、求められている職の中で、われわれだけで賄えるのはどれだけか。第3に米国の雇
者側の需用はどうか。あと何人必要なのか。これには定期的なアセスメントが必要ですが、私の概観でいえばH1Bは増やすことはあっても、減らすことはないでしょう。

MA: シリコンバレーでは、ベンチャーキャピタルの課税のされ方についてよく議論になります。ベンチャーキャピタルは、まちがいなくシリコンバレーの活力源で、彼らのおかげでスタートアップは設立資金の心配をせずに伸びていくことができます。この資金がなかったら、今の米国の公開ハイテク企業のほとんどはが存在していなかったか、大きくちがったものになっていたでしょう。ベンチャーキャピタルの利点のひとつが、資金を元に利益を得る方法にあります。自己資金でなくパートナーの資金を投資しているのに、キャピタルゲイン税を払うのは利息を伴うものについてだけです。ベンチャーキャピタリストとして成功すれば、キャピタルゲイン税率が適用されるので、これは大きなインセンティブになります。キャピタルゲイン税率は、通常の所得税よりもずっと低いですからね。今春終りの議会でこの問題について修正が必要かどうかが議論になりました。Fred Wilsonをはじめとする、著名なベンチャーキャピタリストの中には、今の税率は低すぎるから、実質的な収入については、通常の所得税を払うべきだと言っている人もいます。質問が2つあります。1つはキャピタルゲイン税率全般についてどう考えているかです。

MR: キャピタルゲイン税率を上げるべきだとは思いません。私の考えはむしろ、収入20万ドル以下の人にはキャピタルゲイン税も、配当税も、利息にかかる税もすべてなくすべきだというものです。アメリカ人にはお金貯めてしてほしいので、そこに税はかけたくありません。それから、ベンチャーキャピタル関連のキャリードインタレスト[利益配分]や、不動産、未公開株式についても増税は考えていません。これはキャピタルゲインなのです。なぜなら、この人たちは投資をしているわけですから。小さな投資であっても、自分の資産を投資しているのですから、通常の所得のカテゴリーにはめこむのではなくキャピタルゲインはキャピタルゲインとし扱います。

MA: もうひとつ質問します、そのあとに実は楽しい質問があります。再生可能エネルギーについて、正確には現代の科学に関することで、インターネットとか私の得意分野以外も含めての話なのですが、これは大きな分野であり、重要な分野でもありす。伺いたいのは、米国のイノベーションを再生可能、持続可能なエネルギー源に向かわせるためにどうするかということです。

MR: まず、つい先ほども言いましたが、われわれのような国が常に他の国の先を行くためのに必要なのは、優秀なテクノロジーとイノベーション、そしてエネルギー関連で実現が確実な分野を持つことです。政府は、エネルギー効率、エネルギー生成、エネルギー供給に関する基礎科学、基礎研究への投資額を大幅に増やすべきで、私はこの分野への財政支援を大幅に増やすつもりです。また、公的な事業パートナーシップを推進して、石炭の液化や、原子力発電所の導入も考えていて、可能ならもう一度政府がテコ入れして、この国の原発を稼動させたり、作ることもできます。私はこうした追加エネルギー源の開発の提携を進める必要があると同時に、個人や企業がエネルギーを節約するためのインセンティブも用意したいと考えています。たとえば、私の知事時代には、ハイブリッドでも何でも燃費の良いクルマを買う人には、売上税と自動車取得税を免除すると言ってきました。燃費のいいクルマを買う人のはもっとインセンティブを与えるべきです。

MA: 少し微妙な政治的質問になります。現代の科学はまだ発展段階にあると思いますが、それを踏まえて二酸化炭素の放出に課税すべきと考えますか。

MR: 私は炭素排出税は考えていません。増税ではなく、新しいテクノロジーを開発して効率化を推進する道を探していますが、現時点ではまだ決まった方針ではありません。

MA: それではいちばん重要な質問に入りたいと思います。ロムニー知事は、どちらでしょう。MacですかPCですか。

MR: 私はPCを使っています。息子たちはMacを持っていて信頼しきっていますが、私はPCを何台かもっています。

MA: 息子さんひとりだけがMacですか、それとももっとたくさんですか。

MR: 息子5人のうち、たしか3人がMacで、みんな大いに気に入ってます。が、私は習慣から抜けられない人間ですから、PCなんです。

MA: 正直なところちょっとがっかりしましたし、シリコンバレーでは痛手になると思います(笑)が、少なくともDellのいるテキサスでは有利に働くでしょう。iPodはお持ちですか。

MR: 持っています。

MA: やっぱり持ってますよねPod! 何が入ってますか。たった今聞いているのは? どんなアルバムをダウンロードしたり聞いたりしましたか。

MR: よくダウンロードするのはカントリーミュージックや60年代の曲です。私はベビーブーム世代ですから、ビートルズやストーンズなど60年代の古いグループが好きで、よく聞きます、カントリーも聞きます。インスピレーショナル音楽も持ってるかもしれませんが、ハイライトはそんなところです。

MA: ロムニー知事、貴重なお時間ありがとうございました。

MR: お会いできてよかったです。ありがとうマイケル。

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(翻訳:Nob Takahashi)