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VidoopはOpenIDをビジュアル化して、さらに収益化

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百聞は一見にしかず、とはちょっと違うが、パスワードを覚えるよりは、画像の方がよさそうだ。OpenIDのスタートアップVidoopは、ユーザー名とパスワードの代わりに画像のグリッドを使い、さらにその中に広告を入れることを考えている。Vidoopは、このユーザー認証方式を広めるべく今日(米国時間12/3)「Internet Identity Workshop」を開催し、myVidoopサービス経由でログインするとサイトにアフィリエートフィーを支払うシステムを、来年1月1日から開始することを発表する。

MyVidoopは、OpenIDアカウントのサイトだけでなく、あらゆるウェブサイトへのログインのパスワード用キーチェーンもサービスする。OpenID対応のサイトにmyVidoopでログインするときも、myVidoopのキーチェーンのどのパスワードを引っぱってくるときも、そこにはユーザー名やパスワードは出てこない。かわりに、あるカテゴリーに沿った画像のグリッドが使われる。最初にmyVidoopのアカウントを作るときに、3~5種類の画像のカテゴリーを選ぶ(鳥、高層ビル、花、車など)。すると、myVidoopで認証するときには、ランダムに置かれたマトリクスの中から、選んでおいたカテゴリーにあてはまる画像の文字をタイプすればいい。

このビジュアル認証方式には、従来のユーザー名/パスワード方式と比べて、いいことが2つある。第1にセキュリティ。なにしろユーザー名とパスワードは一切使わない(少なくともmyVidoopの「純粋な」OpenID機能の場合。「非OpenID」認証については、「がわ」をかぶせるだけ)。だから、認証情報を盗まれたり、ロボットにアカウントをハックされることもない。

ビジュアル認証では、人間(または、[あり得ないほど]賢いコンピューター)が、グリッドの中からカテゴリーにあてはまる画像を見分けなければならない(どこかにメモしておく可能性も低い)。さらに、myVidoopは、あらかじめ登録しておいた機器からアスセスしたときしか認証しないので、ハッカーが誰かのmyVidoopアカウントに侵入してパスワードにアクセスするためには、パソコンや携帯を盗まなくてはいけない。

第2の特長は、広告によって収入を得られることだ。ログイングリッドに使う画像にはジェネリックなものを使ってもいいが、ふつうのウェブ広告と同じく、特定のブランドや商品の宣伝に使うこともできる。Vidoopはすでにパートナー6社と、グリッドの画像を使った広告契約をしている(ConocoPhillipsや、Daimler Benz系のSmartUSAなど。上の画面イメージには「76」のガソリンスタンドが入っている)。現時点では広告はVidoopが直接広告主に売っていて、広告の種類も単純なオーバーレイだが、同社ではAPIを開発中で、広告ネットワークからグリッドにコンテンツを送り込めるようにする予定だ。また、Vidoopではインタラクティブなオーバーレイによって、ユーザの場所や好みに合わせて、商品やサービスを薦めるしくみも準備している(下の地図は近くのガソリンスタンドを探しているところ)。

Vidoopの認証システムによる広告の可能性は、Vidoop自身だけでなく、パートナーサイトにとっても価値がある。今日の発表にあった話がこれ。1月1日から、Vidoopはパートナーサイトに誰かがmyVidoop経由でログインするたびに1/100セント支払う。myVidoopでのログインが1日5000回のサイトなら、月に$15にしかならないが、100万人のユーザがmyVidoopを使うようになれば、月間$3000を稼ぐことができる。

広告料が支払われるのは、Vidoopが発行したOpenIDアカウントを持っているユーザがログインした場合に限らる。myVidoopのパスワードキーチェーン機能を使って、サイト固有のユーザー名/パスワードでログインしたものは含まれない。ユーザーが別のところでOpenIDアカウントを取得している場合も対象外だ。以上を踏まえると、myVidoopのこの収益分配システムが、大規模に採用されるだけの人気を得ることがあったとしても、果していつになるのか予想がつかない(ただし、サイトはOpenID認証しか受け付けないようにして、Vidoopにサインアップするだけで、収益を上げ始めることはできる)。

OpenID自体の利用者数がクリティカルマスに達しないことには、Vidoopとのパートナーシップによって収益を上げることは期待できない。それでも同社は、クリティカルマスはすぐそこまて来ていると確信しており、特に大物(AOLに加えて、Google、Microsoft、Yahoo)がOpenIDを提供しはじめれば、と期待している。OpenSocialをはじめとする分散型のソーシャルネットワークを普及させるためには、こうした大物たちとしてもユニバーサル認証システムに対応せざるを得ないわけで、OpenIDは当然の選択の1つだ。OpenIDの認知度が高まれば、Vidoopの登録者数は伸びることになるので、VidoopはOpenIDの普及の恩恵に預かる位置にいる。しかし、それだけではなく、OpenIDが認知されるようになれば、ユニバーサル認証システムのセキュリティへの懸念も高まり、その結果Vidoopのビジュアル認証システム(特許出願中)は、ユーザーにとってもサイトにとっても、さらに魅力的なものになるはずだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)