ノーベル文学賞受賞者がインターネットをくさす―やれやれ

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nobel.jpg今回ノーベル文学賞を受賞したDoris Lessingが受賞スピーチで「インターネットは人類を愚かにした」と非難した。

Lessingは老齢と健康状態がすぐれないため、スピーチは自分で行わず、誰かに代読させた。そのスピーチによると、「空虚なインターネットが最近の世代を蝕んだため、われわれの文化は断片化され、誰も本を読まず、世界についてまったく無知になってしまった」のだそうだ。

どうやらコンピュータを学ぶと文化がわからなくなるということらしい。

われわれは断片化の時代に生きている。ほんの数十年前に確実な知識であったものが今やあやふやになってしまった。若い男女は長年教育を受けるが、世界について何一つ学ばず、何一つ読まず、専門知識を身につけるだけだ―たとえば、コンピュータなど。

Lessingの発言はその背景を考えてみる必要がある。伝統的な文化的エリートが(多くの場合、生まれながらに)享受していた社会における特権的地位が次第に腐食していくにつれて、無知な老婦人のうろたえた主張や、Andrew Keen流の反インターネット論などが声高に語られるようになっている。Andrew KeenやDoris Lessingのような人々はインターネットがなければまったく知識にアクセスできなかった人々にインターネットがどれほど知識をもたらし、恩恵となっているか考えようとしない。何億人というSNSのメンバーやブロガーの教養の低さを笑うことは簡単だが、それにもかかわらず21世紀は、コミュニケーションが真に民主化された時代、権力が少数者の独占から多数に分散された時代として記憶されることになるだろう。文化エリート主義者には言わせておくしかない。しかし彼らがなんと言おうとインターネットによって世界は良い方向に向かって動いており、エリート主義者がどうあがいてもそれを止めることはできない。

Lessingによればインターネットの人間は何も価値のあるものを読まず愚かになっているというのだが、それならWikipediaはどうなのか? 明らかにここではいろいろ価値のあることが読める。しかし紙の上に印刷してあるわけではないから、そういうものはLessingたちには無価値なのだろう。 :-)

The GuardianにLessingのスピーチの全文が掲載されている。インターネットに関する的はずれなコメントを除けば、大いに啓発される部分のある文章だと思う。

(写真: Marknad

[原文へ]

(翻訳:Namekawa, U)