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Adobe、BlazeDSをリリース―「LiveCycle Data Services」をアップグレードしてオープン化

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インターネット・アプリケーションに高度な機能を持たせようとするとき、開発者を悩ませるのはHTMLの静的な特質だ。つまり(何かスクリプト言語を利用しないかぎり)ページ中の一部の情報を更新して表示したいだけでも、ページ全体を再読み込みしなければならないのだ。AjaxとFlashのような技術が開発されて、ページ全体を読み込まずに、部分的に新しいデータだけを読み込んで表示することができるようになり、HTMLのこの問題は少なくとも部分的には解決された。多くのWeb 2.0サイトが、これらの技術を利用して、よりシームレスに作動するデスクトップ・アプリケーションに近い使い勝手のウェブ・アプリケーションを開発できた。しかし、AjaxやFlashテクノロジーには改善を要する点が多々残っている。

たとえばAjaxの場合、ユーザー(ブラウザ)側からサーバに対して「情報を寄こせ」という要求を送らない限り、新しい情報がページにロードされない。(つまり、サーバーが情報を送ってくるためには、ユーザーが最初になんらかの〔マウスを動かす、クリックする、など〕適切なアクションを起こす必要がある)。ユーザー側の要求の有無にかかわりなくサーバが新しい情報を送り出すことが必要なアプリケーション(たとえば、リアルタイムで株価を表示するなど)をAjaxで開発しようとすれば、〔スクリプト言語を利用して〕複雑なコードを書かねばならず、しかも多くの場合あまり効率的でないものになってしまう。

Adobeは今夜(米国時間12/12)、いくつかの発表を行った。その中でもっとも重要なのは、デベロッパーが高機能なウェブ・アプリケーションを容易に開発できるよう、ウェブ・サーバとユーザー側のブラウザの間でのデータのやり取りをエレガントに行えるようにする手段の提供だ。Adobeは現在Flashベースのアプリケーションを作るためのFlexテクノロジーに「LiveCycle Data Services(以前はFlex Data Servicesという名称だった)」という機能を提供している。これはFlashアプレットにサーバ側のバックエンド・システムと通信する(言い換えれば、そのページを最初にロードしてきたサーバと引き続きコミュニケーションをとる)能力を与える機能だ。

今夜Adobeがリリースしたのは、BlazeDSと呼ばれる製品で、これは上に述べたLiveCycle Data Servicesのオープンソースのベータ版だ。BlazeDSが自由に利用できるオープンソースだということはデベロッパーにとっては当然歓迎すべきことだが、オープン化に加えてAdobeは「HTTPストリーミング」と呼ばれる新しい機能を実装している。これはクライアント(エンドユーザー側のブラウザ)がサーバに対して継続的なコネクションを要求できる能力だ。ひとたびこの継続コネクションが確立されると、サーバはクライアントからの個別の要求を待たずに、必要に応じて(たとえば株価が更新されるつど)クライアントに対して新たなデータを送り込むことができるようになる。この技術によってデータがより効率的に双方向に(クライアントからサーバへ、サーバからクライアントへ)流れるアプリケーションを開発することが可能になるはずで、エンドユーザーには処理速度の大幅な改善と、おそらくはより高い機能が提供されることが期待されている。

AdobeはまたLiveCycle Data Servicesについて、「Community Edition」を新たに提供する予定。基本的な内容はBlazeDSそのものだが、オープンソフトウェアではなく、Adobeによる品質管理(認証)とサポートが行われる。これはエンタープライズ向けのテクノロジーで、AdobeではRedHat〔LINUX〕のエンタープライズ版と似たような性格と説明している。 Community Editionがリリースされるのは2008年初頭の予定で、価格などの詳細はまだ明らかにされていない。

BlazeDSとその「Community Edition」の発表に加えて、Adobeは今夜、FlexとAIRのそれぞれのベータ3版をリリースした。なお、オープンソース版でない有料のBlazeDS(こちらは以前からの「LiveCycle Data Services」の名称を利用する)も 引き続きサポートされる。 Adobeでは有料版にはオープンソ-ス版にはない追加機能を提供していくとしている。

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(翻訳:Namekawa, U)