GoogleのKnolは「やりすぎ」か?

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Knol―GoogleがWikipedia+Squidoo的なユーザー生成型知識コンテンツをテスト中

Googleは昨夜(米国時間12/13)遅く、 WikipediaとSquidooをかけ合わせたような、ありとあらゆるテーマに関するユーザー生成タイプの知識ベースのサイトを新しくオープンする予定だと発表した。

まだ細部のすべてが明らかになっているわけではない。今のところ判明しているのは、Googleがそれぞれのページについて広告収入を著作者に分配するとしていることだけだ。もし著作者が広告を掲載することを承諾するなら、Googleはその広告から生じる収入のかなりの部分を著作者に分配するらしい。現在まだ正確な数字は明らかにされていない。しかし現在すでに、このプランなら、パーセンテージで収入の分配を約束するSquidooや似たような他のサイトと異なり、中間のマージンを排除できることははっきりしている。こう考えてみるとよい。仮にGoogleが平均的なAdsenseの利用者と広告収入を折半(50%)していたとしよう。(実際の正確な数字は誰も知らない。というのも広告掲載者の規模によって条件が常に変化するからだ)。Squidooや書き手に広告収入を分配するモデルのブログではGoogleから分配された50%の中から書き手に払うことになる。ところがKnolでは、50%の何%かではなく、本来の広告収入丸ごとの50%が払われる。これはKnolが激しく有利な点だ―あまりに有利なので、そもそも不公正な競争の瀬戸際である。

私が前の記事を書いてから、コメント欄やTwitter、他のブログに「Googleはやり過ぎではないか」という懸念が繰り返し語られている。Paul Shortは前の記事のコメント欄でこう書いている。

Googleのやっていることが変化しつつあるように思えるのは私だけだろうか? 私の見るところ、Googleは他のサイトで作られたコンテンツから情報を漉しとって集約、総合するという会社だったのが、自分自身で最終的にコントロールできる(あるいはそのためのテクノロジー)コンテンツを制作する(あるいは買い取る)方向に変貌しつつある。

この意見は正しいと思う。Googleは単に世界中の情報を索引づけするだけでなく、自分自身がコンテンツの提供者になろうとしている。もちろんGoogleは「いや、自分たちは単にユーザーが作る情報に場所を提供している(たとえばBlogger)だけで、ホスティングはしているがコンテンツを制作しているわけではない」と反論するだろう。しかし、それでも既存のコンテンツ提供者と競合関係に入っていることは事実である。そのコンテンツ提供者の多くはGoogleの検索結果の順位が生命線なのだから、〔Googleがその分野に自社の製品を導入することは〕検索結果の正当性に疑問を投げかけることになりかねない。

GoogleはすでにKnolの記事は検索の結果に含まれて表示すると言っている。おそらくは最初のページの、それもトップに表示されるのではないか。「われわれの高度な検索技術により、knol記事は適切にランクづけされてGoogleの検索結果に反映されるはず」で、GoogleはKnol が「権威ある情報のページ」となることを期待している。 「knolの記事は、一般ユーザーが自分の知らないトピックについて初めてGoogleで検索したとき、最初に読むのにふさわしい記事」にするというのは、Wikipediaに対する直接の挑戦だ。TechCrunchのコメント欄には「これでWikipediaもおしまいだ」という投稿があったが、それは考えすぎというものだろう。Wikipediaはどうもなりはしない―とはいえ、Wikipediaにしてもトラフィックの相当部分をGoogle検索に頼っている。もしGoogleの検索結果のトップの何件かがWikipediaでなくKnolに取って代わられたらWikipediaのトラフィックは減少する。そうなると全体としてWikipediaへの参加活動も減少するという影響が出かねない。

私は以前から「Googleこそ主であり救い主である」理論の信奉者で、プライバシーとかそういった問題に関する懸念はとうに捨てている。しかしKnolは新しい分野であり、新たな問題を提起するものだ。Googleが携帯の分野に参入してAndroid規格を提唱し、アメリカの周波数オークションに参加するのは、競争の乏しかった市場に新たな競争を持ち込むのだから良いことだ。ラジオとテレビの広告市場に参入するのも同様である。しかしKnolの場合は、すでに激しい競争が行われている市場にGoogleがその力を背景に参入することになる。しかもこの市場の場合、Googleは世界でもっとも使われている検索エンジンとしての立場を利用して、Knolの検索結果を競争相手の結果より優遇することで相手を叩き潰すことができる。

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(翻訳:Namekawa, U)

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