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Ribbitが多種多様な通信を繋ぐVoice 2.0構想発表、シリーズBで$10M調達

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Qik、携帯電話からウェブへライブ動画をストリーム

ribbit-small.pngまだ完全に飲み込めてない人がいるかもしれないが、音声はどこにでも転がっているアプリに過ぎない。要は音声をどう意外なかたちで他のデータに組み合わせるかなのだ。「シリコンバレー初の電話会社」という基本概念を掲げる新会社Ribbitが今日(米国時間12/17)正式にサービス開始となった。

ここはVoice 2.0アプリのプラットフォームカンパニーを目指している。仮にプランが成功すれば数千という新通話アプリが早晩出回り、そのほとんどがFlashアプリだらけという状態になりそうだ。つまりSkypeのようなスタンドアローンの独立したサービスではなく、Ribbitはブラウザから直接電話をかけてウェブ上の他のアプリやデータと深く繋がれるサービスなのだ(訳注:あらゆる通信を繋ぐソフトスイッチを作ったようです、詳しくは後半で)。

「今、電話会社を発明したらどんな会社になるんでしょう?」とCEOのTed Griggsは問い掛ける。ウェブを介した格安通話だろうか? それともクリック・トゥ・コールのボタンなど単一機能で生まれるワン・トリック(一つ覚え)の新会社? GriggsはVoIPソフトウェア企業Junctionを創業し、1990年代後半、Summa Fourと合併後シスコに売却した人だが、「違いますよ」という。それはきっとテクノロジーが門外漢の開発者でもプラグを繋ぐとたちまちWebベースの通話アプリが作れるような、完全にエンド・トゥ・エンドな環境になるだろう、と語る。

RibbitはこのほどシリーズBラウンドの投資$10M(1000万ドル)を調達した。投資はllegis Capitalがリードし、KPG Venturesも参加した。2006年10月にもAlsop Louie Partnersから$3M(300万ドル:額はこれまで非公開だった)の調達を行っている。

ribbit-chalk-phone.png本日はデベロッパー向けローンチであり、コンスーマ向けではない(後者は2008年第1四半期となる予定)。公開になったのはプライベートのデベロッパーベータとして出すAPIの、より堅牢なバージョンである。これはどんなプログラマーでも入手可能だ。すでに約600人のデベロッパーが一定の規制の下、Ribbit対応アプリを構築している(ウェブへのライブ公開は年明けまで控える決まり)。アプリは多種多様で、例えば自パソコンからチョークボードのインターフェイスのFlashフォンに電話がかけられるAdobe AIR iPhoneから、Salesforce.com内で動作するブラウザベースのフォンまで多岐に渡る(下図参照)。

Ribbitで作る電話はどんなモデルでも、ウェブ電話(Skype含む)、VoIPフォン、普通の地上電話、携帯に電話がかけられるという代物だ。Ribbit側でこれらの各種通話と音声関連サービス(通話ログ、留守録、音声からテキスト変換、連絡先インポート、ディレクトリ、プロビジョニング、請求、セキュリティ、認証)を処理し、APIをデベロッパーに提供する。また、デベロッパーがアドビのFlex開発ツールを使って自アプリを構築することもできる。(Griggsによると、AjaxではコンピュータのマイクにアクセスできないのでRibbitはAjaxアプリに対応していないらしいが、Silverlightはこれが可能なのでSilverlightにサポートを拡大することも検討中だ)。 Ribbitを使うと誰でも独自のコンシューマ向け電話や法人向け電話のアプリが作れる。さらに同社では消費者と企業がRibbitアプリ探し(&購入)ができるマーケットプレイスもホストする予定だ。

Ribbitでは大部分の通話は有料にする方針だ。「通話料の支払いを避けようとする企業が週1社はあるが、うちはそれはしない」、戦略シニアVPのCrick Watersはこう語る。APIをいじってRibbitの通話アプリ開発までは無料でできるが、ひとたび製作と通話が開始したらRibbitから課金となる。価格は同時通話セッションや席数(例えば通話送受信アプリにログインするコールセンター営業スタッフ数)に月額$30からで、さらに標準の通話ネットワークに電話をかけると1分ごとに通話料がかかる(ネット電話は無料)。デベロッパーは顧客に課金するか無料にするか選択できるほか、別の料金設定もできる。

コンシューマーが使える無料アプリの方は、Ribbitとデベロッパーの両方から出るが、商売にできるのは有料にできるエンタープライズ向け音声アプリの方だろう。例えばカスタム仕様のコールセンター専用アプリを25万ドルで作る代わりに、Ribbitを使えば企業家も同じものが格安でできるし、その分、カスタマーサービス専用スタッフなんかの料金も月額5ドルに抑えることができる(そのうち$1.50はRibbitの取り分となる)。

ribbit-diagram-2.png

Ribbitビジネスの核は、ソフトの中に構築した電話交換台「ソフト・スイッチ」だ。これはLucentやNortelが作った交換台そっくりに動作する。ただ、ホストされたLinuxサーバーで動くソフト、というところが違い。Ribbitの「class 5」というスイッチはテストしたルーセント研究所から、どんな電話会社の交換台にも引けを取らないほどリライアブルだというお墨付きももらったと、Griggsが保証している。

Ribbitのソフトスイッチ(ソフト切換え)なら普通の電話はもちろん、携帯、VoIP、VoIM、ウェブページへの通話もなんでも来いで取り次げる。対応する音声プロトコルも多いく(SIP、Skype、Google TalkのXMPP)。 RibbitのAPIを使えばデベロッパーは、Ribbitのスイッチが持つ全機能にアクセスできるのだ。

「昔はルーセントの作ったハードボックスからノーテルが作ったハードボックスに話しかけるようなことをしていました。今では一般の方たちが使うクライアントも種類が多いのです」とGriggs。Ribbitなら、どんな場所でも追跡できるメッセージサービスの一本化も可能なら、ブラウザで電話を鳴らしたり、IMで電話が鳴るようにもできる。ノー・ プロブレムだ。

Ribbitが面白いのは、でも、ウェブから通話発信できることではない。使い慣れたウェブアプリの開発環境で音声専用アプリが作れる手法を提供し、そこから簡単に他のウェブアプリにも繋げるようにしたことだ。音声はウェブの1機能に過ぎない。それはRibbitも承知している。Salesforce.com向けに作った試作品を見ると、例えば、営業の人たちはRibbitフォンを使ってブラウザベースのCRMアプリから直接見込み客に電話をかけているし、通話のログもばっちり取れている。

次回リリースでは、ボタンを1回クリックするだけで通話の一部を録音し、そこからテープ起こしできる機能も加わるらしい(Ribbit はSimulScribeの音声テキスト変換技術を使っている)。このテープ起こしの機能を活用して、デベロッパーがどんな通話専用アプリを作ったかと言えば、ブログやFacebookのFunWallにボイスメッセージを残すとテキストのコメントになって表示される機能だ。もしかして将来は友達に電話すると、「プライベートメッセージは1のボタン、FunWallに投稿になりたい方は2のボタンを押してください」と音声案内がでるかもしれないね。

Ribbitの野望は大きい。この半分でも実現できたらバレー初の電話会社も夢ではないだろう。
Salesforceアプリのスクリーンショットは以下に(クリックで拡大)。:

ribbit-for-salesforce2.png
CrunchBase: Ribbit

[原文へ]

(翻訳:satomi)