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ネットとライブを繋ぐソーシャルキャスター「DeepRockDrive」が来週公開に

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「Scobleをそっとしといてあげて!」

deeprockdrive-logo.pngアルバム販売に音楽産業の未来はないのかもしれないが、コンサート事業にはまだ望みがある。Danny SocolofとJeff Henshawの2人はコンサートも新会社「DeepRockDrive.」でオンライン化できると睨んでいる。

Socolofはミュージック分野のマーケターのベテランで、HenshawはマイクロソフトXboxチーム出身。 DeepRockDriveでは、ベガスにあるハイテクな自社サウンドステージでコンサート映像を撮影し、ネットでライブ配信していく。チケットは一律1枚6.99ドルで、収益はミュージシャンと折半だ。

このスタートアップではSocolofとHenshaw、それにDavid Goldberg(Launch Mediaファウンダー兼Yahoo Music初代GM)、Bill Curbishley(The WhoとRobert Plantのマネージャー)、Becker Family(一族のBrian BeckerはLive Nation元CEO)からのエンジェル投資で$3M(300万ドル)の資金調達を完了。既に昨年9月から水面下で45件のショーを撮影・配信してきた。

このベータ試運転期間を経て来週火曜(米国時間)には同じ週にベガスで行われるCESの開催にぶつけ、いよいよ一般公開のスタイルでコンサートの配信に踏み切る。今年2008年は100件以上のショーを撮影し、それとは別に毎週金曜には宣伝用にショーの無料配信も行う予定。

ちょっと仕組みを説明しよう。

まずバンドはサウンドステージで曲を演奏する(ライブ観客がいる場合も、いない場合もある)。その模様をソニーのHDカメラ5台で撮影し、ネット視聴者が各自見たいアングルのカメラを選ぶ。

観客はリスト出しした曲目から演奏の順番を選んで投票できるほか、曲のリクエストも可能だ。番組途中でメッセージを送ると、ステージ周辺の大型スクリーンに映し出されてバンドの目に入る。ショー放映[DeepRockDriveではこれを「ソーシャルキャスト(socialcasts)」と呼んでいる]に先駆けてバンドでは自サイトやMySpaceのページにデジタルのポスターを出して応援気分を盛り上げ、ファンはこのポスターを拾って自サイトに発行できる。

Flight of the Conchordsライブ実現を求める嘆願署名運動のページみたいに、DeepRockDriveではファンは好きなバンドのコンサート実現を求める嘆願もオーケーだ。ショー実現を望む票が十分集まればバンドの方だって、わざわざベガスまで飛んでいってショーを録画しようという決心が固め易くなるというわけ。

ライブ演奏をパソコンのスクリーンで見る体験は、実際ライブに足を運ぶ体験には逆立ちしたって敵わない。でも、DeepRockDriveはバンドが絶対来てくれないような町に分散するファン層にもショーを生で見るチャンスを与えてくれる。 例えばオーストラリアのロック歌手Shannon Nollなんかは、米国に移住したオーストラリア人ファンたちのためにDeepRockDriveでコンサートを開くという話だ(訳注:いいなあ…。シリコンバレーも松崎しげるは来るんですけどね)。

Socolofはこう宣言する。:

音楽ビジネスの未来は100万人以上のファンを抱えるアーティスト50人の話ではなく、5000人から10万人のファンを抱えるアーティストが何百人といる世界の話になるでしょう

Socolofは音楽レーベル(インディーと大手の両方)にもジョイントベンチャーの可能性を打診中らしい。レーベルは昔からコンサート興行事業のサイドにはほぼノータッチというのが伝統だが、それも変わりつつある。Socolofはこう予言する。:

昔の世界では、そうですね、コンサートはレーベルとは切り離して考えられてきました。新しい世界ではレーベルとアーティストの間の提携関係にも、これまでとは違ったアプローチが出てくるでしょう。これからはレーベルも自分たちが抱えるアーティストの成功にもっと貢献する必要があります。

たぶんね。個人的には、アーティストがレーベルとコンサート収入を折半したがり出すようには思えないのだが。Socolofはまた、ショー最大のプロモーターと分かったファンたちの努力に金で報いることにも異存はないそうだ。ファンへの報酬メカニズムはまだないが(一定額の売上げを呼び込んだ人には無料チケットを配るとか、そんなことから始めるのも悪くない。最大のファンやプロモーターに航空券を贈ってショー見学に招待できたら尚良し)。

DeepRockDiveでは小さく始める。その“ソーシャルキャスト”が同時配信をサポートできる人数は現在まだ数百人分。これが数ヶ月以内には何万人という規模まで広がる。「僕らが目指すのは最前列に100万席確保することですよ」とSocolof。 うーん、さすがミュージック・プロモーター、うまいね。

Socraticという名前のバンドの動画アーカイブを貼っておこう。始まりはスローだけど、ネット視聴者から入る生のメッセージで埋め尽くされた大型スクリーンを配した演奏空間とはどんなものか、大体の感じは掴めると思う。:

Crunchbase: DeepRockDrive

[原文へ]

(翻訳:satomi)