誰も語らない真実―Bill GatesのCESのキーノートはくそおもしろくなかった

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今年もCESのキーノートがTechmemeのトップ記事になる季節がやってきた。Bill Gates以下Microsoftの連中が舞台でしゃべるのをCrunchGearがブログでライブ中継したが、状況を考えれば、いい仕事だったと思う。しかしまだ誰もあのキーノートについて真実を語っていないようだ。

Microsoftのキーノートはくそおもしろくなかった。

子供ではあるまいし、私は普段「くそおもしろくない」などという言葉を記事で大おおはしゃぎで使ったりはしない。しかしコンピュータの前に座って、Silverlightをインストールしなければ見られないMicrosoftのサイトで一部始終のライブ・ストリーミングを見せられた後、私の反応といえばアクビが出ただけだった。それにCrunchGearのチャットルームやTwitterなどを見るかぎり、一般の反応も似たりよったりだったと思う。

Bill Gatesが悪かったのか? いや、現存する中で世界で2番目の大富豪をライブでステージ上で見るのはいつでもインパクトがある。なんといってもGatesは文字通り世界のデジタル化の歴史を作った男なのだ。しかしいかに優秀なプレゼンターといえども、タネなしに帽子からウサギを取り出すことはできない。

いくつか興味ある発表はあった。SilverlightはNBCのオリンピック中継に採用されたことで大きく前進しそうだし、プレゼンの終わりごろ紹介された画像認識はクールで、特にWindows Live 3D地図(現在利用できるオンライン地図としてはベストだ)に組み込まれた場合、たいへん面白そうな技術だった。デモに使われたハードウェウアはレーダー・ガンと「戦争と平和」の1巻本のかけあわせみたいに不細工ではあったが。Bill GatesとHillary ClintonとBarack Obamaをデジタルでミックスしたビデオは今回のキーノートでいちばん面白かった部分だろう。しかし結局多少なりとおもしろかったのはそこだけだった。

ces2.jpgわれわれは「Windows Live Events」のデモを見せられたが、これも去年リリースされたサービスだ。「全てが同期する!」といわれても、驚いてみせる気にはなれない。Microsoftのライバルのサービスもすべてそのぐらいはする。続いてBillGatesは 「Surface」タッチスクリーンのデモを始めた。これはたしかに Microsoftの製品の中でもクールな方だ。しかしBillは手でスノーボードのデザインができるところなんかを見せて終わり。この時点でTwitterやCrunchGearのライブ・チャットには「…なんだ、こりゃ?」というブーイングの嵐が渦巻く。

次にMicrosoft Sink―いや、もとへ、「Sync」をフォードの自動車に組み込んだところがデモされる。誰も買わないようなMP3プレイヤーが、買ったユーザーは買ったことを後悔する車(これは私の経験から言っている)に組み込まれていても…やれやれだ。

XBox 360の売上高はWiiを上回ったそうだ。しかしWiiの方がまるで単価が安いことには触れずじまい。

もうこのぐらいで勘弁していただきたい。死んだ魚も同様に生気のないプレゼンで、退屈さではPodtechのビデオブログといい勝負だった。

そこで大きな疑問はこうだ。現在、2008年になって、どうしてMicrosoftはかくもイノベーションのかけらもない状態になり果ててしまったのだろうか? Microsoftのキーノートといえば、以前は年間を通してもっとも重要視される情報が発表される場だったのだが。優秀な人材が払底しているからではない。Microsoftにはいくらでも優秀な人材がそろっているし、素晴らしい仕事をしている。いくつか素晴らしいテクノロジー(SilverlightとWindows Live地図はその例だ)さえ生まれている。Microsoftの皆さんに申し上げておきたいが、これは決して個人攻撃ではない。しかし何か興味深い発表ができないのだったら、聴衆にアクビしかもたらさないようなプレゼンテーションなどしないほうがよい。そもそもステージに上がるべきではあるまい。来週私はサンフランシスコに飛んでMacworldでSteve Jobsのキーノートを聞く予定だが、 これほど退屈な経験にはならないですむのではないかと思っている。

Microsotのキーノートを聞いた読者は、それぞれどういう感想をもたれただろうか?

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(翻訳:Namekawa, U)