フランス報道機関、Facebookを舞台にした悪ふざけに騙される

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これは、Facebookのこれまでの歴史の中でも最大のホラ話ではないだろうか?フランスで起こったこの事件は、現在、フランスのブロゴスフィアで最も注目を集める話題となっている。全てはほんの数週間前、シンプルなサードパーティFacebookアプリから始まった。同アプリは四半期ごとに、新しい「Facebook Worldwide president」を選出しようというもの。Arash Derambarshという名の28才のフランス人の若者がこの話を信じ込んで(あるいは、信じ込むフリをして)出馬を表明。友だちを招待し始めた上に公式プログラムまで制作した。同プログラムは異なる宗教間を互いに認めあうことの促進、非識字率に関する取り組み、そして国際社会におけるフランス文化に対する認識の向上などを掲げたものだ。

しかし、ピンチが訪れた。Arashはトップアプリとしての地位を獲得、「プレジデント」になってしまった(参考までだが、最初のセッションの間に同アプリのインストール回数は140,000以上を超え、「立候補者」は公式に9000以上の投票を集めた・・・)。彼は同情報を利用、この件に気付き始めたフランスメディアによってニュースとして取り上げられた。しかし、フランスメディア各社は、事実確認に時間を割くことも、肩書きが何を意味するのかを理解することもなく「あるフランス男性がFacebookの国際間におけるプレジデントになった」と本気で信じ込んで報道をはじめたのだ。

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そして、それから地獄の底から火を吹くような勢いでマジメなテレビ番組チャンネルや従来型のメディアまでが次々と話題を取り上げた。TF1、LePoint、L’express、FranceInter、Le Parisienなどなど。各メディアとも本件がまるで本当の話であるかのようにレポートしている。実際に確かめてみてほしい。Arashは、フランスで突然スターとなり、彼についてのウィキペディアページ(アップデート:そして、いまMahalo エントリも)まで現れ、数日の間、プレジデントとしての任期やプログラムについて語るように方々から招かれた。一般の人々は好意的に受け止めた。話し上手で、ある意味政治的な経歴を持ち、そして、実際に信用できそうに聞こえたからだ。

もちろん、Facebookはこの件とは何の関係もない。しかしそれにはおかまいなく、Arashはユネスコと関係のあるプロジェクトに携わり、Facebookからの支援を受けている、とそれとなく語っている。さらには、Facebookの極秘の機能を利用して1億近いユーザーにリーチするというフランス大統領をしのぐパワーを持っている、とまで述べた。この話を疑う者は無かった。誰もがArashの話を真に受けたのだ。といっても、事実確認はとても簡単にできただろう。Facebookのユーザー数は1億に近いものではない。それに、このストーリーの真偽のほどをFacebookの広報部門に確認するのは更に容易いことだったはずだ。Arashは「Fake(ニセ)Book」の「プレジデント」以外の何者でもなかったのだ。

しかし、Facebookユーザー達はバカではない。この顛末を非難するグループが形成された。ZDnet Franceがウソを指摘、ブロガーたちが迅速にフォローアップし真実が明るみに出た。ArretsurImagesが問い合わせたところによると、多数のジャーナリストは他社のニュースが取り上げたし、「プレジデント」が信用できそうな人物に見えたというだけで自社での報道を決めたらしい。そして「本件は全くのデマ。Arashは選挙目的を誤解していた」と事態を説明する新記事の波が押し寄せた。しかし、もちろんすでに手遅れだった。フランスの報道機関各社は、すっかり騙されてしまったのだ。

多数の人々が詳細と反応を確かめようとArashにコンタクトを試みたが、成功したものはいない。純粋に全てを計算し尽くした上での行動だったのか、それとも、ストーリー全てが彼のエゴによるものだったのか?最も重要なポイントとは:あるユーザーが単独でFacebookの歴史上最大のいたずらを成し遂げ、報道機関はすっかり乗せられてしまった。爆笑ものだし、とんでもない話だ。しかし、また信用性に大きく傷がついた(大方の)フランス報道機関については心配になるし、悲しくなるような話でもある。

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(翻訳:Nobuko Fujieda)