Diggの話が受け入れられる9つの理由

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このゲスト記事は、ソーシャル・メディア・コンサルタントで、複数のソーシャルニュースサイトで一流のコミュニティメンバーとなっているMuhammad Saleemが書いたものである。

ほとんどの人がDiggの話を知っている。最初は理想を持ったまとまりのないサイトだったが、見る間にオンラインニュースの発見と収集を永遠に変えてしまった。Diggは初めてのソーシャルブックマーキング(現在のソーシャルニュース)サイトでも、初めてそのコンセプトを世に広めたサイトでもなかった。しかし、Diggは人が初めて接する話が掲載されているサイトで、それによりサイト全ての競争が拡大し、業界(そして、主要なメディアにおいてさえも)の寵児となった。


では、なぜDiggの話はそれほどまでに受け入れられるのだろうか。これから、人々が受け入れ、自身のネットワークで広める良い話を作る9つの要素と、Diggがいかにその法則を肝に銘じてきたかということを見ていこう:

1.素晴らしい話は真実味がある

Diggは、選ばれた少数の人間がメディアをコントロールしている世界の話をする。その話は、それが主流メディアであろうとオンラインの非主流メディアであろうと、少数の人が何が重要かを決め、その後視聴者にそれを提供する階級制度を説明するものだ。ここでいう真実とは、事実上の真実でなければならないわけではない(Diggの話はそうだが)。ダビデとゴリアテ(旧約聖書の話)の話は素晴らしいものだが、必ずしも真実ではないという人もいる。ここでいう真実とは、信憑性があり筋が通っている話であり、話を作った人とそれを広める人が信じている話なのだ。

2.素晴らしい話は約束する

ニュース収集の既存モデルの限界を説明した後で、Diggは約束する。その約束とは、サイトが読者の手に力を与えるというものだ。読者がどのコンテンツがサイトに投稿されるのかを決め、共同でどの投稿がサイトのフロントページに載せるだけの重要性を持っているかを決定する。すべての人が平等に発言権を持っているため、選ばれるコンテンツはサイトの大部分の人(または、少なくとも最もアクティブなユーザー)にアピールするものだ。サイトはコミュニティに対し、いかなる階級制度も認めず、また、コンテンツを過度に保護しないことも約束している。

それは大胆な約束だ。社会通念に反している上に、サイトは弱者として全ての不利な戦いに挑むと約束しているのだ。


3.素晴らしい話は信用される

Slashdotやその一部のモデレーター、あるいは明らかにより集団化されているDel.icio.usとは違い、Diggの話は信じられやすい。人々の力を信じているという理由で数人の理想主義者によって始められたDiggは、スタート当初は明らかな弱者で、また、どのメディアに接するかを人々がよりコントロールすることを目指していた。

人は概して権威や作られたコンテンツを信用せず、それゆえにDiggに傾倒しやすいのだ。

4.素晴らしい話は巧妙

Diggは非常に理想主義的で、大きな約束をするサイトとしてスタートした。しかし、結局、サイトはコミュニティが達成したいことしか達成できないし、しないといった。Diggは読者に力を与えるプラットフォームで、そのプラットフォームを通して完成されるものは読者次第なのだ。

Diggは、読者にその理想を強制しないという点で巧妙だ。理想を押し付けるよりもむしろ、サイトに読者を引き込むのだ。

5.素晴らしい話は素早く起こる

Diggは早く有名になったわけではなかった(かといって時間がかかったわけでもなかった)が、ユーザーエンゲージメントが早かった。Diggの初期のデザインはとても必要最低限のもので、実際、それは今までで最良のデザインだと私は考えている。派手な図や長々とした説明は必要なかった。ユーザーはサイトに行って数分で使い方を知ることができ、そして変わり始めるのだ。Diggについて聞いた話からすると、サイトに夢中になるのにものの数分しかかからないという。

6.素晴らしい話は人の願望にアピールする

先に書いたように、Diggは弱者で、サイトがしていることの全てが直感でわかるものではなく、さらに、社会通念に反するものだった(ちょうど大衆の見識全体のコンセプトのように、人は物事の決定を他人に委ねるよりも「専門家に従う」のが好きなのだ)。しかし、人々にアピールしたからDiggはうまくいったのだし、人々の中の未熟な部分にDiggはアピールしたのだった。皆が当事者に苦情をいい、主要なメディアに反対し、自分や自分の仲間がどの情報を取り込むかを共同で決定するのだ。

Diggの話は、ほとんどの人にとっては論理的ではなかった。しかし、人気が出るのに十分な数の人の願望にアピールしたのだった。

7.素晴らしい話は支持者をインスパイアする

Diggは全ての人向きではない。今日でさえ、私の両親は決してDiggを読まないし、参加もしないだろう(両親はむしろ日刊新聞を読むだろう)。しかし、全ての人をターゲットにすることはない。必要なのは少数の情熱的な支持者で、その現象は自然のソーシャルネットワークを通じて雪だるま式に大きくなっていく(Appleを考えてみるといい)。

8.素晴らしい話はその話自体と矛盾しない

サイトが大きくなると、その話は信じられないほどにつじつまが合ってくる。例外なくひとりのユーザーが一票を持ち、全ての人と全てのサイトは平等の機会を持って参加することができた。成長し、より多くの人がそのサイトをコントロールしようとするにしたがい、Diggは理想とするような一貫したものではなくなってきている。HD-DVDの失敗にこれを見ることができる。ユーザーは信じられないほどに矛盾を探し出すのが上手で、矛盾が見付かった場合、ユーザーはそれほど寛大ではない。

9.素晴らしい話は人の世界観に一致する

ソーシャルニュースの狂気じみた人気が今日可能になったのは、特に一般の人々が(最近良くなったというわけではない)主流メディアに対して持つ不信感のせいだ。Matt Masonの本『The Pirate’s Dilemma』から例をとると、「2005年6月、米国の主要ネットワークとケーブルテレビ局は、6,248のセグメントをMichael Jacksonの児童虐待裁判にあてた…(中略)…[一方、]合計で126のセグメントがスーダンについて言及した」。Diggのようなソーシャルニュースサイトは極端なニュースしかカバーしない、としばしば人は文句をいう。しかし、主要メディアがカバーしないニュースをこれらのサイトがカバーしており、そうする中で、そうでなければ持つことがない声を人々に与えているのだ、ということを人々は理解していない。

この素晴らしい話の9つの要素の出典は、Seth Godinの『All Marketers Are Liars』である。

注:年を追うごとにDiggがわずかに失速し、今日のDiggを作り上げたこの法則のいくつかに背くことさえあったということに関しては、議論の余地がある。

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(翻訳:Megumi H.)