マイクロソフトとヤフー合併で残るもの、消えるもの

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News Corp.、ヤフー買収に緊急発進

microsoft.jpgヤフーがマイクロソフトの$44.6B(446億ドル)の乗っ取り提案を呑むかどうかテクノロジー界が固唾をのんで回答を待つ中、ヤフー社員は「乗っ取りが通れば次に来るのは大量解雇」という予感にまんじりともしない夜を過ごしている。

ヤフーとマイクロソフトのネット部門にはダブりも多い。合併後は企業の至るところで異花受粉が起こり、各所でサービス閉鎖・縮小が起こるだろう。

ここでは今後起こりうる衝突と、どちら側のサービスが将来存続するかの予想をまとめてみよう。

MSN vs Yahoo (フロントページ)
yahoomsn.jpg「Yahoo」のブランドとフロントページ。これは引退の確率ゼロである。ゼロ。 となると注目はMSNである。 マイクロソフトがMSNを始めたのは1995年。MSNブランドにはそれなりの歴史があるが、マイクロソフトは「Windows Live」と「Live.com」のブランド浸透に傾き、その分、MSNのブランド価値は弱まった。

それにしても驚きなのは、comScore統計(右上のグラフ)ではMSNと米版Yahooのトラフィックがほぼ横並びなことだ。これまでの報道で、マイクロソフトはNBCとの独占配信契約の規定上、MSNBCの所有株を今後手放さなくてはならないことが分かっている。つまり同様にMSNも売り出される可能性がある。政府レベルで見ても(MSNは手放した方が)公正取引違反の懸念がクリアできるだろう。

著名ブランドのことだから何が起こっても不思議はないが、マイクロソフト的にはWindowsと緊密にタイアップしたLiveは残すと見る方が妥当。こうしてロジカルに推論を詰めると、消えるブランドはMSNということに。
結論: MSNは売却されるか、ヤフー&(Windows)Live優先で縮小になる

MSNインターナショナル vs Yahooインターナショナル
米国外はもっと興味深い。ヤフーとマイクロソフトは国際市場の多くで共同所有契約で合意している。例えばオーストラリアはYahoo7とNinemsnという具合に。(YとMの)既存の提携会社の多くは当該市場で商業的に競合関係にあるので、マイクロソフト-ヤフー合併後は提携関係の維持に問題が出るだろう。公正取引上、問題を孕む市場もありそうだ。
結論: ヤフー買収のため海外の既存の提携関係は解消・閉鎖に

アカウント管理: Yahoo ID vs Live ID
別々のIDシステムを一本に統合する。これは見ものだが不可能ではない。マイクロソフトとヤフーは既に国別IDを提供している。サービス別にIDを出しているものも多い。両社ともOpenID対応に向け動いている。
結論: 2社合併後は傘下の全サイト共通で使える新IDシステムができる。既存のIDとOpenIDも使えるような。

パーソナライズしたホームページ: My Yahoo vs Live
ヤフーは残る。しかし、もっと重要な問題はマイクロソフトがLiveを具体的にどうするかだ。ブランドは消えないにしても違う使い方になるかも。「Yahoo Live」とか、そんなようなものになる。パーソナライズしたLiveサービスは残ったとしても命拾いで、消えるのは時間の問題だろうか。
結論: My Yahooは残る。LiveはYahooが運営する可能性もある

検索: Yahoo Search vs Live Search
これも難しい部門だが、きっと2社が最終的に一つになれるのは間違いない。ヤフーの検索サービスはこれまで一度も特に強いアセットだった試しがない。マイクロソフトもLiveには大変なマネーを注ぎ込んできた。統合後は両社からベストな人材をキープできるだろうし、それでやっとGoogleキラーに近づける。
結論: Live SearchがヤフーのYahoo Searchに取って代わる

検索広告: Yahoo Search Marketing vs Microsoft AdCenter
マイクロソフトはアグレッシブにFacebookやDiggのようなサイトに分け入り広告を配信している。一方、ヤフーはPanama計画で自らのチャンスを浪費した。どちらのプラットフォームも完全ではない。が、バランス的に見て2社合併後のプラットフォームはマイクロソフトのAdCenterになるのでは? そこにYPN(ヤフーパブリッシャーネットワーク)が統合される。
結論: Microsoft adCenterの勝ち

ダッシュでまとめた予測:
ゲーム (Yahoo vs MSN): ヤフーゲームにはどこよりも長い歴史があるので、これはヤフーのポータル内で存続に。
IM: 両方サポートする統合クライアントか、あるいは新規IM専用プラットフォームに。ブランド展開はどっちに転んでもおかしくないので、かなり興味深いことになりそうだ。…それとも両方ともキープだろうか。

マッピング: Microsoft. Live Mapsはヤフーのポータルで提供か。技術では市場(特に3D分野)をリードする実力派なのに、一般のユーザーに十分な認知がないLive Mapsにとっては大きなプラス。

メール: マイクロソフトはOutlook/ WindowsとWindowsのルックを維持したい気持ちが強いので、それを加味すると互角の勝負。これは興味深いことになる。たぶん本筋ではヤフーに行くべきなのだろうが、メールのように大きなものは両社統合で採用するプラットフォームを考えてもマイクロソフトが優勢のような。 各種メルアドは(hotmailなど)は今まで通り使えるだろう。

Q&A: Yahoo Answersの勝ち。マイクロソフトにQ&Aのようなサービスが存在すること自体知らない人がほとんどだろうけど、実はあるのだ。

写真共有: 当然Flickrだが、写真共有は対グーグル戦の鍵を握る戦線。マイクロソフトがLiveブランドのダウンロードをどうするか次第だが、たぶんグーグルのPicasaのコピーのようなWindows対応のFlickr Liveフォト管理用ツールで対抗するのでは。

ウィジェット: マイクロソフト。MSのウィジェットがVistaに予め搭載されてくるなら、の話だが。ヤフーのウィジェットは売却だろうか(ただ潰すのはもったいない)。

超ダッシュの予想:
モバイル: ヤフー
ウェブサイトサービス: Yahoo/ Geocities
ブログ:Live
ソーシャルブックマーク: De.licio.us
イベント: Upcoming
楽曲サービス: Zune Marketplace (ヤフー自体にも対応)
楽曲ソフト: WMP
マッシュアップ専用ツール: Popfly

ここでカバーし切れなかったサービスもたくさんある。追加・反対意見があればコメントでどうぞ。

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(翻訳:satomi)