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Lunarr―未来のコラボレーション・システムか、誰でもマネできる機能か?

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特定のウェブサービスが長期的に有効性をもつかどうか推量するのはなかなか難しい。特にそのサービスが立ち上がってきたばかりで、われわれの深く根ざした習慣と異なる行動を取らせるような場合はなおさらだ

Lunarrは現在プライベートなベータテスト中のサービスだが、インターネットを通じて共同作業をするのに現在典型的に使われている方法、すなわちメールに文書を添付してやりとりするという方式を終わらせると意気ごんでいる。このサービスでは、ウェブ・ブラウザ中に文書を置き、wiki方式のオンライン編集機能と、これがもっとも重要なのだが、それぞれの文書ごとにウェブ・メール的なメッセージ・システムを組み込むことによって共同作業を実現しようとしている。

Lunarrの仕組みはこうだ。共同作業を始めるにあたって、まずファイルをLunarrにアップロードするか、ファイルのURLを入力する(Google DocsやZohoのようにオンラインでホスティングされている文書の場合)。あるいはテンプレートを利用してLunarr上でゼロから文書を作ることもできる。それからユーザーが画面右上のタブをクリックすると、ページを「裏返す」ことができる。この「裏側」には、相手がLunarrのユーザーであってもなくても、メール・アドレスさえ知っていればメッセージを送れるツールが付属している。このメッセージは当該文書について話し合うのに使えるだけでなく、その文書への相手のアクセスも提供する。

Lunarrの実質的に有用な機能には2つの側面がある。第一に、wikiタイプの共同で文書を作成、編集できる機能、第二に、文書に付属したメッセージ機能だ。短期的に考えても長期的に考えても、Lunarrが他のサービスに対してより競争力を持つのは、wiki的機能よりもメッセージ・システムだ。現在、Lunarr上で作成された文書しかwiki機能を使って共同で編集することができない。(MS Wordファイルではダメ)。しかし将来wiki機能が拡充されてアプロードされたファイルも共同編集できるようになったとしても、それではLunarrがGoogle DocsやZoho、あるいは小規模なスタートアップでもVersionateのような優れた統合オンライン・オフィス・アプリケーションになれる見込みはあるまい。

それよりむしろ、Lunarrが広く普及する唯一の道は、逆にオンライン・オフィス・アプリケーションといかにたくみに付き合っていくかではないだろうか。こういったオフィス・アプリに付属したメッセージ・システムより実質的にずっと優れたメッセージ・システムを提供していくところにチャンスがありそうだ。たとえばGoogle Docsのディスカッションのシステムはまだ全く初歩的なものだ。文書を編集しながらその文書を見ている相手とチャットをすることはできるが、メール的なメッセージを送信する機能はない。しかしひるがえって、そういったLunarr的な機能を実現するのはGoogleにとってそんなに難しいことだろうか? さして難しくはないと思う。

しかし万一、GoogleなどがLunarrのメッセージ機能を取り込むようなことがあっても、Lunarrはサードバーティーのツールとして、どのオンライン・ドキュメント・サービスとも互換性を維持できるという優位性が残るだろう。来るべきオンライン・ドキュメントの世界ではGoogleDocsがデスクトップのMicrosoft Officeなみに独占的な地位を確立するどうかが重要な問題になる。今のところGoogleはまだそういう存在になっていない。それからLunarrは人気を博すのに必須のシンプルさと使いやすさという美点をもっている。この美点を壊さずに多様な機能を盛り込んでいけるかがカギとなるだろう。

Lunarr開発チームはこのアドレスにメールした読者に招待状を送ってくれるそうだ。すべてのアカウントは2009年まで無料で利用できる。各ユーザーは50人までの友達(あるいはInviteShareで待っている人たち)を招待することができる。Lunarrをチェックしてみて、感想をコメント欄に書いていただきたい。このサービス、果たして来るべきクラウドコンピューティングの時代を先取りした先見性の高いツールなのか、それともオンライン・オフィス・アプリケーションの提供者自身がその気なればいつでも実現できるようなちょっとした機能に過ぎないのか、要注目だ。

CrunchBase: Lunarr

〔訳注:Lunarrのファウンダーはサイボウズのファウンダー、高須賀宣氏。2005年4月、サイボウズの社長を退任して渡米、オレゴン州ポートランドでLunarrを起業した。インタビュー記事はここに

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(翻訳:Namekawa, U)