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メディア「海賊」との戦いは不毛―MediaDefenderはこうしてハックされた

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pirate.png海賊行為と戦うことが不毛だという証拠がまだ足りないのか、と言いたくなるようなこのMediaDefenderという会社のケースを見てほしい。この会社は、ピアツーピアネットワークで映画や音楽、ビデオゲームなどが共有されるのを、メディア会社に代わって監視して妨害する。例えばBitTorrentにニセのファイルを撒いてP2Pファイル共有する人たちをいら立たせる。昨年9月には、ひとりのハッカーが逆襲に転じ、MediaDefenderの戦法を解説した内部メールとドキュメントをBitTorrentにアップロードして、作戦の効果を減少させた。

この10代のハッカーがMediaDefenderの防御をいかに破り、なぜその秘密をウェブで公表しようと確信するに致ったかの顛末の詳細は、PortfolioにあるDan Rothの“The Pirates Can’t Be Stopped”という記事で読める(この記事は数週間前から掲載されている)。このハックによってMediaDefenderのコストは28%上昇する結果となり、この中には$1M(100万ドル)の弁護士費用や、不満なメディア企業に対する「割引サービス」も含まれている。記事の中で、いかにこの会社が高潔なティーンエージャー(同社をMonkey Defendersと呼んでいる)に対して無防備だったが書かれている部分を引用しておく。

あるファイルにはMediaDefenderの海賊対策システムのソースコードが入っていた。別のファイルはこの会社にいかに深く彼らが侵入したかを示すものだった。このファイルにはMediaDefenderの従業員とニューヨーク州司法長官事務所が、同社が協力していた児童ポルノに対する捜査に関して、30分にわたって電話で話している様が描かれていた。(MediaDefenderはこの件についてコメントを拒否している。)この通話から、ハッカーがMediaDefenderのコンピュータを徘徊する間になにがしかの足跡を残したことは間違いない。政府関係者は何者かが同社のサーバーをアクセスしようと試みたことを突き止めており、ハッカーは正しいログイン情報をすべて持っていたらしい。「おたくのメールサーバーが、そう…他人の目に自由に触れていることをどう考えいるんですか」と、司法当局の調査官が電話で聞いている。

「ああ、いえまあ、メールサーバーを調べましたが当社のメールサーバー自体は侵入されていませんよ」、とMediaDefender幹部が答える。

しかし、もちろん侵入されていた。

「はじめはMonkey Defendersに反感はありませんでした」とEthanは私に語った。「いわゆる『このボケどもをハックしてやる』的な気持はありませんでした。でも、そのうちぼくの中の良心がこう言ったのです、こいつらは正しくない。ぼくが潰してやるんだ、と」

Ethanはそのとおり実行した。古いコンピューターを使って、時間の許す限り、このティーエージャーは「エンターテイメント業界最高の対ダウンロード防衛テクノロジーと対決したのだ。

この記事には、MediaDefenderがどうやってPirate Bayを攻めたかについても詳しく書かれている。

これはあらゆるメディア会社にとっての訓話だ。ファイル共有する人たちを海賊呼ばわりして、弾圧しようとすれば、敵は必ず別の方法で反撃に転じてくる。相手はとにかく数が多いし、メディア会社や業界の腰巾着よりも賢い。この連中を消費者のように扱えば、ずっと反応はよくなるはずだ。

(写真提供Casey West)

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(翻訳:Nob Takahashi)