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ManagedQ

検索をハイジャック~Surf CanyonとManagedQに見る検索新潮流

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新しい検索エンジンを作ることは不毛に思える。ヤフーとマイクロソフトがグーグルに太刀打ちできないなら零細のスタートアップにどんな勝ち目があるというのだろう? ―というわけで最近は新しい検索エンジンを作るのではなく、代わりに既存の検索エンジンに乗っかった検索アプリケーションの台頭が目につくようになってきた。

一番最近の例が「Surf Canyon」という本日(米国時間2/19)ブラウザ専用アドオン公開に踏み切った会社と、数週間前に静かにサイトを開設した「ManagedQ」だ。どちらも大体1週間ぐらい前から弄って遊んでるんだが、みんな使い慣れた縮約型検索インターフェイスに改良を加えていて、ベターな検索結果が引き出せる領域をきちんと押さえている気がする。ベンチャーキャピタルが入ってないスタートアップにしては上出来だ(Surf Canyonはエンジェル出資で25万ドル、ManagedQはパロアルトにある創業者の地下室から運営している)。まあ、どちらも方向性は正しくても、では全体の検索エクスペリエンスはグーグル単体より優れているのかというと、これが足元にも及ばないのだが。

surf-canyon-logho.pngSurf Canyonは通常の検索結果の上に入るアプリケーションである。ユーザーはこのスタートアップのサイトに行って、そこで検索は行うのだが、ブラウザ専用アドオンがあるお陰で随分実践向きの使い方ができる。アドオンはFirefox/IE対応。要はこれでグーグルやヤフー、Windows Liveサーチの検索結果の並べ替えができるというものだ(グーグルは他サイトが検索ランキングの順番をいじることを好ましく思ってないが、Surf Canyonはこれを行う上でグーグルのAPIに頼ってるわけではないのでグーグルの規制に従う義理はないという姿勢)。

surf-canyon-4.png検索すると、いつでも小さな射撃の的のアイコンが各検索結果右手に出てくる。この的をクリックするとSurf Canyonが、それに似通ったものからおすすめの検索結果3件を挿入してくれる。

内容を見ると、自分が掘り下げようとしている検索結果のすぐ足元を狙ってる感じで、例えば「techcrunch」を検索して出てくるおすすめリンクはTechCrunch UK、Crunchgear、TechCrunch主催ハイテク大統領予備選挙のページである(検索語は同じでも、おすすめの検索結果の方は時間の推移とともに変わる)。おすすめの検索結果はさらに2回掘り下げて検索の絞り込みも可能だ。そんなわけで、おすすめリンクすぐ隣にある的をクリックすると通常のグーグルでは検索結果の8ページ目に出てくるTechCrunchのアマゾンKindleストア関連記事や、12ページ目にあるNYタイムズ紙Bitsブログの紹介記事、5ページ目にあるTechCrunch Facebookグループのリンクに辿りつけるのだ。

検索結果は当たるも八卦、当たらぬも八卦である。Surf Canyonでは関連性の高いおすすめを引き出すのに基本、クリック1回につき3つのチャンスを用意する。概してグーグルの検索結果に出る「Similar pages(これに似たページ)」リンクをクリックするより思ったものに近い結果が引き出せるけど、それでもまだなんとなく行き当たりバッタリ感が否めない。おすすめの結果が3つ以上表示されたら問題解消に役立つかも。

しかし、僕がSurf Canyonで一番気に入っているのはインターフェイスだ。おすすめの検索結果はしかるべきリンクのすぐ下に出てくるだけなので、別のウェブページにわざわざ飛ばなくていいし、何ページもクリックスルーしないと探し物が見つからない使い勝手の悪いサイトというよりアプリという感じで使える。グーグルは Ajaxの良いところを全部網羅したSurf Canyonに、インターフェイスのデザインを少しは見習うべきだね。

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managedq-logo.pngManagedQ のアプローチはさらに大胆だ。ユーザーインターフェースそのものを一から考え直して、はるかにビジュアルなものにした。ファウンダーのDavid Statがこう説明する。

検索はこの10年間何も変わってはいない。検索結果の質は向上したけれども、見せ方は変わらない。検索のインターフェースはコマンドレベルで止まったままだ。だったら、検索エンジンじゃなくて、検索アプリケーションを作った方がいいんじゃないか、どんな検索エンジンの検索結果の上にもわれわれのアプリを被せることができる。現在はGoogleを使っている。

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managed-q-sidebar.pngManagedQで検索すると、グリッドの中に、最初の6件の検索結果が見慣れた青色のリンクではなく、ジャンプした先で見えるように表示される。画像をクリックすれば、拡大されてそのままManagedQの中でブラウズできる。検索アプリケーションの外へ出ないでウェブをサーフしよう、という発想だ。

検索結果をビジュアルに表示するというのは新しいことではない。ViewFourなどのサイトが何年も前からやっている。しかし、ManagedQはビジュアルな検索結果とガイド付検索エクスペリエンスと組み合わせたのだ。

左側には、人物や場所など、検索を絞り込むのに役立つ項目のリストがある。ManagedQは自然言語処理(NLP)を使って、検索結果全体の中から主要な概念を引き出してくる。しかもそれが、ピアツーピア技術を使った分散方式によって非常に高速だ。NLPシステムの弱点のひとつが、巨大なデータ群を解析するのに長時間かかることだった。ManagedQはその問題を解決している。

左にある名前やコンセプトをクリックすると、右側の縮小ウェブページのその項目が表われる部分がハイライトされる。つまりManagedQは、検索結果を絞り込むために提示した項目を使って、ガイド付検索エクスペリエンスを提供してくれるわけだ。「Barack Obama」を検索すれば、「John Edwards」eh「Hillary Clinton」、「John McCain」をはじめとする関係のある人物や、「ハーバード大学」、「基調演説」、「投票記録」、「若年期」、「上院議員経歴」などの関係する項目が提示される。

ManagedQの最大の欠点は、グリッドに最初に表示されたもの以外を見るためには、下にある「Next」ボタンを押さなければならないことだ。検索結果を絞り込むために左側にあるガイド項目を使おうとすると、その項目の入った検索結果が出るのかと思ったら、右側の元からあるボックスの半分は「一致せず」と書かれてグレイ表示になってしまう。一致するウェブページを探すには、結果画面をクリックしていかなければならない。その先で項目がハイライトされている。(ManagedQの詳細については、チュートリアル参照)。

この問題だけを取り上げても、ManagedQは興味ある実験の域を出ていないといえる。Googleで検索した方がずっと早く、探しているものを直接見つけられる。が、Googleが見習うべき何かがここにもある。ちょうどいい大きさのウェブサイト縮小画面を検索結果の横に表示すれば、飛んだ先に何があるかのビジュアルなヒントになる。そんなちょっとしたオマケの情報によって、いつもというわけではなくても、検索結果をより分けるのが楽になるのではないだろうか。

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(翻訳:satomi/Nob Takahashi)