Newspond

「地球上でもっとも進歩したニュースサイト」だって?

次の記事

SGNが「本物の会社」になってきた。ゲームプラットフォームにJetmanを迎え、$10M調達間近

さて、またニュース・アグリゲーターが一つローンチした。今度のはNewspondという。このサイト、根拠のない誇大広告の世界記録を作ったとまではいえないだろうが、かなりいい線を行っている。

TechMemeDiggと同様、新しいニュース、重要なニュースを収集して配信するのが目的だ。しかし、Newspondはこのどちらとも少々異なっている。Diggの場合はトップニュースを決めるのにユーザーの投票を利用している。Techmemeはブログや他のニュースサイトが記事へ張るリンクを分析してニュースの重要性を判断している。どちらのアプローチも基本的な考え方はオープンにされている。読者はトップ記事に対するユーザーの投票数や張られたリンク数を見ることができる。ところがNewspondのアルゴリズムはまったくのブラックボックスだ。いくつもの要素を総合して「Buoyancy Rating」なる指数を計算している。指数が高くなればなるほど上位に表示される。

そういうアプローチはあってもかまわない。もっとも私は、そもそもニーズの存在しない問題を解決しているという印象を受けたが。Newspondにはユーザーを毎日サイトにひきつける力がまったく欠けている。Diggの場合、ユーザーは記事を投稿し、かつ投票する(さらに友達を投票させる)という行為を通じて対話に参加できる。これが強力なバイラルを生み出す原動力になっている。TechMemeにはそういう仕掛けはない。その結果Diggに比べて文字通り桁ちがいにトラフィックは少ない。NewspondにもDigg的なユーザー参加の仕掛けはない。その一方でブロガーお気に入りのニュースサイトの地位をTechMemeから奪うなどという可能性はありそうにない。

ところがNewspondはばかばかしいにもほどがあるキャッチフレーズをウェブサイトに大きく掲載しているので、私としてもその点は見過ごせなくなってくる。トップページには、Newspondが「地球上でもっとも進歩したニュースサイト」だと主張する文が踊っており、aboutページには、なんだからわからないが巨大な黄色い玉のような画像の下に同じ文が40ポイントのバカでかい文字で書いてある。さらには「最新ニュースの究極のハブ」とも主張している。

それじゃこのスタートアップにはいったいどういう驚異のテクノロジーが秘められているのか? 「Newspondの心臓部では疲れを知らない電子頭脳が活躍しています」。「高度に進歩した人工知能」がニュース記事を「人類が今まで夢にも考えられなかったほどのスピードで」処理するのだそうだ。

どうもSF映画の台本を読まされているようだ。

それでは肝心のサイトの中身はどうかというと、私が直接チェックしたかぎりではこうだ。トップ記事の鮮度は悪い。アカウントにサインアップしようとしたがアクティベーションのメールを送ってくることに完全に失敗。(この点は彼らのブログにも断りが出ていたが)。RSSフィードもない。全体としてあまり役に立ちそうにない。

最近ますます多くのウェブサイトが注目を集めようとしてこういう馬鹿げた主張をするようになってきた。たしかに効き目はある。ただしせいぜい1日だ。いったん信頼性が傷つくと、その後は皆が失敗を期待する目で見るようになる。それに自分自身で期待値を途方もなく吊り上げては、そこそこ成功しても傍目にはみじめな失敗と映ってしまう。

Glam がこの種の失敗を大々的にやったことで記憶に新しい。Glamは自らを「アメリカのウェブで成長が最速」と宣伝して巨額の企業価値評価を正当化しようとした。ところがGlamは実際には単一のウェブサイトではなく、急速に成長はしているがまだ利益を出していない大きな広告ネットワークだった。「インターネット最大の女性向けサイト」でないのも、アメリカのウェブで成長が最速でないのも確かだ。(Glamは自分たちが広告を提供しているだけのサイトへのトラフィックを全部「自分の」サイトへのものとして勘定していた)。Glam自体は注目すべきビジネスを展開しているが、こういった誇大な宣伝文句は信頼性を傷つけている。

似たような誇大宣伝の例には昨日もお目にかかった。YouNoodleという新しいスタートアップが、現状ではスタートアップの簡単なカタログ以上のものではないのに、ファウンダーに関するいくらかの情報をベースにスタートアップの5年後の企業価値を予測できる という無謀な主張を展開している。この機能はまだローンチさえしていないのに、New York Timesが飛びついてしまった。この機能が本当に作動するものかどうか、試す方法があると私は思っている。前にも書いたが、自分の将来を予測させてみるとよいのだ。「失敗する」と出たら信用してやろう。

私はこれからもこういうとんでもない誇大広告はどんどん指摘していく。彼らがユーザーに対してした約束も忘れさせないつもりだ。自分の仕事に誇りを持つのはよい。ナンセンスなことを口から出放題に吐き散らすのは全く別のことだ。まったくうんざりである。

[原文へ]

(翻訳:Namekawa, U)